価格というもの

　同じ品物を手に入れようとするのであれば少しでも安い価格で手に入れたいと思うのが人情というもの。インターネット上でも価格比較を行うことができるサイトがいくつも存在しており、私もときどき参考にする事があります。

　特に旅行商品に関してはテレビなどでも“格安”がテーマ。いかに安く旅行に行くかが賢い旅行者の一つの基準のようになっています。われわれ旅行関連業者もどうやって安さをアピールするかに四苦八苦。私はE&Gを立ち上げる直前には某量販系旅行会社で格安航空券の価格決定を行っていたのですが、その頃は常に他社よりも“微妙”に安い価格をつけるのが絶対的な任務であって、かなり無茶なことをやった記憶も・・・あります。現在はあまりそういう無茶はできない弱小な会社なので・・・正直な話、E&Gは一番安い旅行会社ではないでしょう。

　私が昔から心がけてきたのは、”一番安い航空券は人によって違う”という事でした。例えばヨーロッパを8日間で旅行しようとしている人間にとって一番安い航空券と、1ヶ月かけて旅行しようとしている人にとって一番安い航空券は違うでしょう。8日間で行って帰ってこようと考えている人にとっては片道26時間かかるフライトは選択肢の外でしょうし、これは”安い“以前の問題ですね。1ヶ月かけて旅行しようとしている人には時間をかけても費用を少しでも安くあげてその分現地での滞在費にあてた方がよい場合もあります。このほかにも女性の一人旅で、到着都市の治安がそれほど良くない場合に夜中到着の便を薦めてよいものか等、いろいろな条件が重なった上でその人にとって一番安い料金というものは決まってくると思うのです。

　私どもは価格比較において2番手、3番手で連絡をいただくケースが多いので、“ｘｘ社では○○が一番安くて△▲円だったのですが・・”といった話を耳にする事もありますが、このあたりの配慮はあまりなされていない事が多いですね。正直な話、旅行経験のないスタッフが増大している昨今、自分がそのフライトを利用して旅行することをイメージする事ができなくなっているのかもしれません。

　価格というものは比較という側面だけでなく、自分がこれから手に入れようとしているものにどのくらいの費用を支払う気があるのかという観点があるはずです。例えばヨーロッパに総予算20万円で旅行を計画していたとしたら、そのうち航空券にいくら払う予定かによってある程度の予算というものがあり、それを航空券の条件と調整して最終的に決定していくのが最も正しい方法論だと思います。単純に航空会社間の料金差を比較し、旅行会社間の料金を比較して、一番安い航空会社の航空券を一番安い旅行会社で買うというのは希望のものを手に入れられなくなる危険をはらんでいるのでご注意が必要です。

　やっぱりここは経験豊富なＥ&Ｇに任しておくのが安心というものでしょう。

・・・おっと結論は宣伝になってしまったか。