海外を旅していると知らない人に声をかけられることが往々にしてあります。長距離バスを降りれば安宿の客引きがどっと集まってくるし、ただ単に町を歩いていても飲み屋の客引き、土産物屋の客引き、個人ガイド、詐欺師、乞食などなどいろいろな人物に声をかけられます。当然こういった人たちの中には相手を旅行者と見て騙そうとたくらんでいる人物も混じっており警戒を必要とします。ガイドブック、その他の資料を基に完全に自分の行動予定を決定していれば、こういった人物すべてと関わり合いになることを避けることができ、警戒する必要もなくなるのですが、実はこの中には”親切な人”や"いい人”も混じっていている場合が多く、全てを拒否するのはあまりにももったいないともいえるのです。
私は幸い、ある程度恵まれた体格をもって生まれてきて、外見上も微妙に野蛮に見えることこれ幸いと、よほど“怪しい”とか、自分に明らかに不要な情報の場合を除いて”一応すべて信用してみる”方法を採用して旅を続けてきたのですが、実は本当に”悪い奴”に分類される人間はそれほど多くなく、結局おもしろおかしくいろいろな体験をさせてもらうことができたのが私の感想です。
ちなみにこの方法が誰にも通用するものではないので“一応信用する”を推薦する事はできませんね。特に最近、物騒な世の中になっていますからね。
この件、特にご来店いただいたお客様たちとの間で話題になるケースの多い話題なのですが、どこまで人を信用してよいかという分岐点は結局、自分がどのくらい深入りしても脱出できるかどうかに関わっていると思います。たとえば走るのの速さに自信があるなら走って助けを呼べる範囲までは大丈夫だったり、騙されて全財産を取られても全財産が少なければ大丈夫だったり、そういった自分のボーダーラインを自分で決めることがなによりも重要なのではないでしょうか。
言い換えるといきなり全面的に信用するのではなく逃げ道を確保しながらボーダーラインまでは一応信用してみるという、何となく”ズルイ”スタンスで人とつきあうことになるわけですが、よく考えたら日本での日常生活でも、全く知らない赤の他人をいきなり全面的に信用したりしないのと同じ事だと思うのですがいかがでしょう。
旅行中は言葉や習慣の違いなど何かと不安に陥るものです。その不安につけいるのが旅行者相手のダマシのテクニックですから細かいことで不安がったりせずに開き直って普段通り過ごすのが一番かもしれませんね。最初から全面的に他人を信用しない、かといって頭から拒否したりしないというのも普段通りの過ごし方だと思うのですがいかがでしょう。
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