旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

温故知新

2007年04月28日 | 旅行一般
大昔に遡って高校受験の時の事。なかなか受験勉強が上手くいかず、悩んでいた私はその苦難を既に乗り越えている自分の姉を見て"こんな大変な事をやり抜いたんだ"と今まで鬱陶しいだけであった人物が少し眩しく見えたものです。同じ事を感じたのが運転免許証を取りに教習所に通っていた頃。基本的に運動神経がそれほど優れているとは思えない母親が自動車を運転しているのを見て、クランクやS字で苦労していた私は母親の運動神経を尊敬したものです。"よくもこんなに難しい事をクリアしたものだ"と。そして、母親や姉が何とかしてきたのだから、自分もいずれは何とかできるのだと思って取り組む事ができたのです。

毎日の生活で、いろいろ困ったり悩んだりする事は誰にでもあるでしょう。私も沢山ありますが、そんな時、頭を悩ませながら街を歩いていてお年寄を見かけたりすると、前にあげたような気分になる事もあります。

"この人達は戦中から戦後を過ごしてきたわけだから、私の今悩んでいる程度の苦労どころか、何倍もの苦労をきっと乗り越えてきたんだろうな。それなら、きっと自分も乗り越えられないはずはないだろう。負けてられないな。"と感じて勇気付けられたりもしますし、自分が今、悩んでいる事が小さい事である事に気付かされる事もあります。

自分という経験不足な人間にとっては"重大事"に感じられた事がそれを乗り越えてきた人たちの視点に自分を置く事で、それほど重大事ではないと気付かされるわけです。自分の感じ方を主体的一本槍から少し客観的な位置に置いてみる事ができるのです。

昔から年配者や年長者を敬えという事を言われますが、そういう道徳的な意味合いを抜きにしても、やっぱり年配者や年長者は敬った方が自分をコントロールする上でも便利だと言えます。

昔からの習慣とか文化には、そういった人間の知恵が数多く含まれているのだと思います。中には時代遅れのものも沢山あるでしょうけれど、そうでないものも沢山あります。自分で要素をどう抽出して、どう応用していくかを考えてみる事もまた楽しい事であります。


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