旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

第5回スーパーカブでタイ第7日=神の見えざる手

2010年12月06日 | 旅行一般
またまた激しい雨音で目が覚めました。今回のツアーでは目を覚ます頃は大雨という状況が一般的となりました。このホテルでは、朝になると中庭にコーヒーカップやインスタントコーヒー、お湯などが準備されていて、セルフサービスで無料のコーヒーを飲むことが出来ます。悪天候のため、夜のように暗い中メーサロンで買ったドライマンゴーをつまみながらインスタントコーヒーを何杯もおかわりして時間をつぶす我々も、朝の大雨に慣れっこになっていて、何の根拠もなく”出発する頃には降り止む”と確信し、落ち着いたものです。思えば3日目のチェンライではレインウェアを着るか着ないかで悩んだものですが、もはやだれもレインウェアの事を考えなくなっています。

案の定、しばらくすると雨もやみ、雲の切れ間から強烈な日光が射し込みはじめました。今日の朝食はバス停でカオトム(おかゆ)にする予定だったので、ぼちぼち荷物を積み込んでバイクで出発です。

バス停にバイクを停めておかゆの朝食を済ませた後は、今回の日程中、最長の距離を走る事になります。昨年同様、素直にチェンマイへ向かうのではなくメスワイへ抜けて、そこからは往路で走った道を逆にたどる、復習の道です。

メスワイまでの山岳路は道路状況もとてもよく、交通量もまばら、景色もきれいで、ツーリングを楽しませてくれます。時々前方に立ちふさがるように見える雨雲も、どうやら我々一向に雨を降らせる予定はない様子。いつも上手く雨をかわし続けることに成功です。

メスワイでガソリンを給油。往路で立ち寄ったガソリンスタンドに再び立ち寄ります。同じ景色も逆にたどるとイメージが違って見えるもので、参加した皆さんはガソリンスタンドのコーヒーショップを目にするまで往路で立ち寄ったところであるとは気が付かなかった様子でありました。

ここからは少し退屈なハイウェイ走行。スーパーカブである故に前方に注意を払うより、バックミラーを見て後続車の邪魔にならないように気をつか割合の方が多いような走りとなります。いくつかの町を抜け、時々小雨に降られながらも本格的な雨には合わずに往路で昼食に立ち寄ったメカチャンに到着。ここで昼食にします。

昼食を食べ終えてまったりしていると、スーパーカブに乗った一人の男性が現れました。良く見ると前回のツアーで会えなかった、この食堂の女将さんのご主人。以前は向かいのバイクショップで働いていましたが、どうやら違うところで働いている様子です。

ここでは英語は全然通じないので身振り手振りと片言のタイ語で会話を試みるわけですが、どうやら時間があるなら一緒に行かないかとの事らしいのです。
時間にはまだ余裕があるので、どこへかは不明なまま、一緒に行く事になりました。食堂の娘さん(小学校中学年位)もお父さんのバイクに乗ってついてきます。

途中のバザールで少し果物などを買い込んで向かった先。到着してみて分かったのは新しいバイクショップ。どうやら以前勤めていたバイクショップから独立して自分の店を持ったようです。なるほど。前回のツアーで会えなかった理由はこういう事だったのですね。

バイクショップについてヘルメットを取った途端、ぱらぱらと雨が落ち始め、あっという間にバケツをひっくり返したような土砂降りになりました。あわててバイクをショップの中へ入れさせてもらって、果物をいただきながら当分雨宿りです。

旅をしていると、こういった超自然的としか思えないような幸運を体験することが多々あります。今回、再会が無ければそのままハイウェイをチェンマイへ向かっていたでしょうし、メカチャンを出るとしばらくは村などはあまり無くて雨宿りも難しいのです。

このバイクショップのある一角は新しいエリアのようで、メカチャンの食堂も近々ここに移転するとのこと。次回はメカチャンまで行かずにここに寄るように言われたのですが、道路から少し外れた一角、次回のツアーで見つけられるかどうかは自身がありません。

さて、雨が止んだら再スタートです。往路でも立ち寄った温泉に再び少し立ち寄って足湯を楽しんで、再スタートしようとするとまた雨が激しく降ってきました。お土産物屋の軒先でしばらく雨宿り。皆慣れたもので、今日飛行機に乗るというのにもはや慌てる様子はありません。

ここからは少し雨に降られながらもチェンマイまで無事到着。レンタルバイクを返却して1泊目に泊まった宿へ顔を出して早めの夕食を摂り、無事を祝って祝杯を挙げました。うれしい事に、シャワーを使わせてくれるとの事なので、皆順番にシャワーを浴びて、ファーンからチェンマイまでの道路で浴びた埃を洗い流してから空港へ向かうことが出来たのでした。

今回は、この企画を考えた際のイメージにかなり近い形のものとなりました。今まで4回の企画で出来上がった、行きつけの宿も空いていない事があったりしてある程度行き当たりばったりにもなりましたし、知らない国で先頭を走る事に挑戦していただく事も出来ました。到着したころには頑張らないとできなかった事が、帰るころには当たり前のようにできるようになる、そんな目標もある程度達成できたのではないかと思います。

さて、次回の同企画、既に募集を開始しています。次回は2011年2月5日出発です。興味のある方はご連絡ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/eandg/travel/cnx/cnxtour.html


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