旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

何とかするのだよ。

2006年02月01日 | 旅行一般
 過去、ここに何とかなる・・・・のかという記事を書いたことがあるのですが、その際に”少し精神論かなぁ”という感想のメールをいただいたことをふと思い出しました。

 何とかするという事にはもちろん精神論的な意味合いもあるのですが、実はナントカする技術というのが存在するのです。
 
 私は年に数えるほどではありますが、添乗員としてお客様のご旅行に同行することがあります。その際に発生するトラブル。あるときはオフロードツアーの現地ガイドがクラッシュして意識不明になるし、あるときは到着2日前に乗り継ぎの国内線航空会社が倒産。昨年は分散して手配したフライトの一つが大幅に遅延して、空港でメッセージを残さなければならなくなったこともありました。
 
 こういったトラブルというのは別にマニュアルに処理方法が書いてあるわけでも、旅行会社の人間にとっては処理方法がわかっているわけでもなく、全くアドリブで処理していかなければならないことがほとんどなのです。
 
 だから、おそらく添乗員によって処理方法はいろいろでしょうね。私は空港から国際電話で指示を仰いでいる青ざめた添乗員を見かけたこともあります。まあ、それはそれで一つの方法ですが、指示を仰ぐ相手がいるのがうらやましい。

 私がこういうときに採用している方法はきっと皆さんにも採用可能。ここで一つそれをご紹介しましょう。なぜなら、これは私が一旅行者だった時代に体得した方法論だからです。

 私のポリシーは2点
・一人で悩まない
・できる限り多くの人を巻き込む(但し添乗員の場合はお客さんを巻き込まないように)

 たったこれだけのことです。だから、問題が発生したときはまず、その相談相手として適切な人間を探します。そしてその人に、”他に誰に話したらいいかなぁ”と聞き出して芋蔓式に多くの人たちを巻き込んでいきます。そうやってたどっていくうちにいずれ答えに行き当たるものです。

 添乗員の異常な体験よりも、日常的に旅行者として発生する可能性のある事を例に挙げれば・・・。

 例えば、ホテルを予約せずにある町に到着。早速ガイドブックで見て、とある宿へ向かいます。宿に入って聞いて見ると、運悪くこの日はこの宿は満室。

 ここで”満室です”といわれて”そうですか”と言って出て行く人は、”何とかならない人”ですよ。

 ”満室ですよ”と言われたら、すかさず”それじゃあ、どこか他に知っているところがありますか?紹介してください”といえば、これで巻き込まれる人1人ゲットです。親切な人なら何軒かに電話して空いているかどうか確認してくれるかもしれません。
 
 そうやって転々としているうちにたいてい何とかなってしまうのですが、それでもどうしようもない場合は他に巻き込むことができる人を考えましょう。

 例えば、ツーリストインフォメーション。ここには宿泊先を紹介してくれる人たちがいます。こっちを巻き込んでみるのも一つ。
 他にも移動中にタクシーの運転手に聞いてみるとか、駅の駅員さんに聞いてみるとか、たまたま通りかかった日本人旅行者に同郷のよしみで聞いてみるとか、巻き込めそうな人をどんどん思い浮かべることができる人は”なんとかできる人”なのです。

 ・・・今まで私に巻き込まれた人たちよ。迷惑をかけてすみませんでした・・・。


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1 コメント

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Unknown (き○ら)
2006-02-07 23:35:41
空港の職員とか、相手が理不尽なことをいって割りをくってるんじゃないかというときにはとにかく「怒ってゴリ押しする」というのを、なんとかする手段として使ってきたけど・・・



さいきんは年甲斐もないので控えるようにしている。怒るんじゃなくて人を巻き込むというのはいい方法だなぁ
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