旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

続・旅行会社を使い倒す

2006年02月10日 | 旅行一般
 ・・・続き

 ちょっと話をずらします。

 先日、久しぶりに雑誌の広告原稿を新規に起こすことになりました。いつもは過去の広告原稿を流用して、一部手直ししてもらうように依頼したり、あるいは写真とテキストを雑誌社に渡して、だいたい自分がイメージする内容を下書きして仕上げてもらったりというやり方をしていることが多いのですが、自分自身の思惑もあって、今回はデザインを本業とする人物に依頼したのです。

 少し忙しい時期に被っていた事もあって、ものすごく漠然としたイメージだけ伝えて、”あとはよろしくお願いします。”という流れになってしまい、少し申し訳ない事をしたかなと感じていたのですが、出来上がってきたものが今まで自分がいろいろ手を入れたものよりもずっと自分の表現したいことが形になっていて驚かされたものです。私が使う写真を決めて、あれこれ指示していたら逆にあそこまでのものはできなかっただろなと感じ入った次第。
 
 私は過去、とある旅行会社で旅行雑誌の広告を専門にする立場にいたことがあります。だからある程度の知識はあるのです。ただ、デザインなどは学習したわけではありません。 

 もしも自分自身で原稿を起こすとなった場合・・・・

 まず、同じ様な趣旨の広告を探しますね。そしてそのデザインを参考に自分の手元の写真などを組み合わせて形にしていきます。(盗作ですな。)出来上がったものが何となく他の雑誌広告に似た体裁に整ったことに満足して出来上がり。そして、ここが一番重要なのですが、そこまでに至る作業に疲れ果てて、再度それを検討する余裕はもはや自分に残されてはいない。どこか手直しすべきと気がついたとしても、手直しにかかる手間を考えると面倒になって妥協せざるを得なくなったりもします。

 ・・・何かと似てませんか?。

 ガイドブックやパンフレットを参考に自分で1円でも安い航空券を探し、自分で1円でも安いホテルを探し、それぞれを手配して、そんな作業に疲れ果ててあっという間に出発日を迎えるのであれば、全く同じ航空券、全く同じホテルを使っていたとしても、同じ旅ができるのかどうか。

 もちろん、プロのデザイナーと同じようにデザインを仕上げることができる人がいるように、旅行会社に丸投げするのと同じように旅を仕上げることができる人はいるでしょうが、ほとんどの人にとっては慣れない作業になるでしょう。

 そうであれば、あなたのイメージをイメージどおりに仕上げてくれる旅行会社を見つける事の方が、1円でも安い航空券を探すよりも、結局、良い旅につながると思います。料金が5万、10万違うのだったら考え物ですが、今の時代、そんなに差はないわけですから、そんな事を一番重視するよりも、自分に合う旅行会社を見つけることを重視したほうが良いのではないかと思います。

 ただ、残念なことに旅行会社側でもそういった意識は廃れているようにも見受けられますね。

 安いことを究極の目標にして、旅行したこともほとんど無さそうな旅行会社のスタッフに旅行を申し込んで、そして、ガイドブックをナゾルように旅程を消化して、それが本当にその金額に見合う旅なのでしょうかね。それだったら、ガイドブックを熟読して、ビデオかDVDでも見れば、ビデオレンタルの料金で同じ満足を得られると思いますよ。

 私の場合は・・・そうですね。上のような意識は持って仕事をしています。ただ、だからこそ私とフィーリングの合う方と合わない方がハッキリ分かれるでしょうね。絶対イヤな人もいるでしょう(多いか・・・)。

 一つだけ保証できそうなことは、今時の旅行もあまりした事のないような旅行会社のカウンタースタッフと違って、面白い話を聞いたりはできるでしょう。

 ・・・・続く・・かもしれない


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