旅のウンチク

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炊飯器のない生活

2016年01月15日 | ライフスタイル
 昨日のテレビに続いて。多くの家にあるのに我が家には存在しない物。炊飯器。

 といっても”自炊しないから”ではなくて料理が好きな私の場合ほとんど毎日お米を炊きます。ただ炊飯器が無いだけです。

 厳密には存在していないわけではなく、存在はしているのですがなにぶん大人数用の大型のものしかなくて1/2合や1合といった一人分の炊飯にはとても使いにくいため片づけたままになっています。

 家族と別離して一人暮らしになった際に小型の炊飯器を買う気はあったのですが、改めて炊飯器の価格を見てちょっとびっくり。

 キャンプツーリングの時などはコッフェルで炊飯している事を考えると、炊飯するという目的だけのために支払うには少し高額に思えたのでした。結論、とりあえず炊飯は手元にある鍋を使うことにしました。

 手元にあるいろいろな鍋で炊いてみた結果、私の手元の装備では土鍋で炊くのが一番おいしい事が判明。水の量や炊き上がりにかかる時間などを少しずつ調整した結果、米1合に対して水200cc、沸騰したら火をとろ火にして10分、さらに火を止めて10分という炊き方に決めたので、計量カップとキッチンタイマーがあればほぼ自動で米は炊き上がります。炊飯器で炊くより早い。すぐ炊けるので多めに炊いて保温したり冷蔵したり冷凍したりすることも無くなって衛生面も向上したかもしれません。

 最近は、水の量を計ったりキッチンタイマーをセットするのも面倒になり、適当な水の量で炊き始め、湯気の量や匂いや鍋が立てる音から炊き上がりを探りながら炊飯しています。

 時々、気まぐれに炊飯に使う鍋をアルミのコッフェルに変えてみたり、フライパンで炊飯してみたり、銅鍋で炊いてみたりして変化を楽しんだりもしています。

 以前は米だけはある程度高いものを買うようにしていましたが、土鍋で炊くようになってから米にあまりこだわらなくても、どれもそれなりにおいしい。ただ、残念なのはたまに”美味しいお米”としていただいた物もあまり差を感じなくなってしまった事でしょうか。

 二口のガスコンロで食事の準備をしようとすると炊飯に一口取られますから副食と味噌汁を同時に作ることができません。戦略が必要です。最初のころはコンロの一つが炊飯に奪われてしまう事でまごついたものですが、よく考えたら味噌汁は米飯の”蒸らし時間”10分で充分しあがりますから、副食1品と米飯で二口を使い、味噌汁は米飯の”蒸らし時間”に調理、それプラス漬物を切り、豆腐をつければ一汁三菜の食事が出来上がりです。

 私が幼い頃、祖父母の家はお寺であったためか、まだカマドがありました。その頃の祖父母の家の生活はよく覚えていませんが、おそらくカマドに羽釜で炊飯し、味噌汁を作り、その横で七輪で魚を焼くような具合だったのかなと思います。その頃の生活から考えれば二口のガスコンロだって十分に便利な装備なわけですから、日本の伝統的な食事を作るには不足はないのだと気づかされ、文化というものが考えている以上に機能的にできているのだと勝手に納得する機会にもなっているのでありました。


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