数年前、私の周りで衝撃を巻き起こしたクイズをやってみましょう。先に書いておきますが、正しい答えはありません。どう感じるかという事を自分で計ってみるのが目的です。
まず、状況を思い浮かべてみてください。これは実際に私が体験した状況です。
場所はパキスタンの北部。アフガニスタンの国境に近いチトラルという町で、1988年の事。少し重要なので背景を解説しておくと、この頃はまだロシア軍がアフガニスタンに駐留していて、チトラルの町には戦火を逃れたアフガニスタンの人達やロシア軍と闘っているムジャヒディンなども滞在中。UN(国連)のマークを付けたランドクルーザーが街中を走りまわっています。
そんな中、チャイハナ(喫茶店)に座ってチャイ(紅茶)を飲みながら絵葉書を書いているのが自分です。
ちょっと想定しにくい状況と考えた人もいるでしょうが、まあ、似たような状況を無理矢理考えてみてください。
さて、そこに数人の子供が通りかかります。そして口々に"ペン ペン"と言いながら身振りでボールペンが欲しいとねだります。
自分はボールペンの予備は持っていませんが、この町ではボールペンは売っていますし、それほど高いわけでもありません。
その時、あなたは自分が今絵葉書を書くのに使っているボールペンを子供達にあげますかというのがこのクイズ。時代背景や社会背景も考慮に入れて考えてみてください。
あげる人もいるでしょうし、あげない人もいるでしょう。そしてその理由も様々だと思います。
私はその時、単純に自分が予備のボールペンを持っていない事、だれか1人に1本だけあげる事に抵抗を感じた事と、そこまでの別の町でもやたらと子供達がぺンを欲しがる事に、"なにか裏があるな"と感じていたため、ボールペンをあげるのをやめておきました。
私はその子達がノートなどの紙を持っているようには思えなかったのです。ボールペンはすぐにバザールで売られていくのだろうと感じたのです。
さて、ここからが、クイズの答えとして自分が考えた事に対する考察の時間となります。ここからはクイズの答えに対する考察の材料です。
私はその後、やはりアフガニスタン国境に近い、ペシャワールという町に移りました。そこにはフリーのジャーナリスト、あるいはジャーナリストと称する人々がアフガニスタン入りを狙って駆け回っていたり、あるいはアフガニスタンから帰ってきて骨休めしていたりしたわけです。
その中の一人が語ってくれた話。
ある難民キャンプで子供達が腹痛を訴えて薬をもらいに国連のテントを訪れたそうです。原因は不明。とりあえず腹痛の薬を与えて帰しながら様子を見ていたそうですが、彼らは毎日のように訪れます。しかし、診察してみても特に悪い所もなさそうです。調べてみた結果、子供たちは薬を受け取ったその足でバザールに売りに行き、そうやって貯めたお金を親に渡していたのだそうです。そしてその親はムジャヒディン。様々な形で集めたお金で弾薬を確保してアフガニスタンへ。
この話は事実かどうかはわかりませんが、現場にいれば充分事実と考えられるような話でした。
となると、ボールペンもバザールで売られて弾薬に姿を変え、もしかするとその1発が、徴兵されて、任期が終わるのを指折り数えていたロシアの若者の命を奪うのかもしれません。
更に考えると、
その銃弾が使われた戦闘がロシアの撤退を早めて、結果的に多くのロシア兵、アフガニスタンの人々の生命を救うのかもしれません。
あるいは、子供たちは本当にボールペンが欲しくて、そのボールペンで勉強したり、絵を描いたりしているのかもしれませんし、ボールペンをバザールで売って空腹を凌いでいるのかもしれません。
さて、最初に戻ってもう一度。あなたはボールペンを子供達にあげますか。どうしましょうか。
まず、状況を思い浮かべてみてください。これは実際に私が体験した状況です。
場所はパキスタンの北部。アフガニスタンの国境に近いチトラルという町で、1988年の事。少し重要なので背景を解説しておくと、この頃はまだロシア軍がアフガニスタンに駐留していて、チトラルの町には戦火を逃れたアフガニスタンの人達やロシア軍と闘っているムジャヒディンなども滞在中。UN(国連)のマークを付けたランドクルーザーが街中を走りまわっています。
そんな中、チャイハナ(喫茶店)に座ってチャイ(紅茶)を飲みながら絵葉書を書いているのが自分です。
ちょっと想定しにくい状況と考えた人もいるでしょうが、まあ、似たような状況を無理矢理考えてみてください。
さて、そこに数人の子供が通りかかります。そして口々に"ペン ペン"と言いながら身振りでボールペンが欲しいとねだります。
自分はボールペンの予備は持っていませんが、この町ではボールペンは売っていますし、それほど高いわけでもありません。
その時、あなたは自分が今絵葉書を書くのに使っているボールペンを子供達にあげますかというのがこのクイズ。時代背景や社会背景も考慮に入れて考えてみてください。
あげる人もいるでしょうし、あげない人もいるでしょう。そしてその理由も様々だと思います。
私はその時、単純に自分が予備のボールペンを持っていない事、だれか1人に1本だけあげる事に抵抗を感じた事と、そこまでの別の町でもやたらと子供達がぺンを欲しがる事に、"なにか裏があるな"と感じていたため、ボールペンをあげるのをやめておきました。
私はその子達がノートなどの紙を持っているようには思えなかったのです。ボールペンはすぐにバザールで売られていくのだろうと感じたのです。
さて、ここからが、クイズの答えとして自分が考えた事に対する考察の時間となります。ここからはクイズの答えに対する考察の材料です。
私はその後、やはりアフガニスタン国境に近い、ペシャワールという町に移りました。そこにはフリーのジャーナリスト、あるいはジャーナリストと称する人々がアフガニスタン入りを狙って駆け回っていたり、あるいはアフガニスタンから帰ってきて骨休めしていたりしたわけです。
その中の一人が語ってくれた話。
ある難民キャンプで子供達が腹痛を訴えて薬をもらいに国連のテントを訪れたそうです。原因は不明。とりあえず腹痛の薬を与えて帰しながら様子を見ていたそうですが、彼らは毎日のように訪れます。しかし、診察してみても特に悪い所もなさそうです。調べてみた結果、子供たちは薬を受け取ったその足でバザールに売りに行き、そうやって貯めたお金を親に渡していたのだそうです。そしてその親はムジャヒディン。様々な形で集めたお金で弾薬を確保してアフガニスタンへ。
この話は事実かどうかはわかりませんが、現場にいれば充分事実と考えられるような話でした。
となると、ボールペンもバザールで売られて弾薬に姿を変え、もしかするとその1発が、徴兵されて、任期が終わるのを指折り数えていたロシアの若者の命を奪うのかもしれません。
更に考えると、
その銃弾が使われた戦闘がロシアの撤退を早めて、結果的に多くのロシア兵、アフガニスタンの人々の生命を救うのかもしれません。
あるいは、子供たちは本当にボールペンが欲しくて、そのボールペンで勉強したり、絵を描いたりしているのかもしれませんし、ボールペンをバザールで売って空腹を凌いでいるのかもしれません。
さて、最初に戻ってもう一度。あなたはボールペンを子供達にあげますか。どうしましょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます