菅原文太さんが亡くなりました。
以下の写真は文太サンの農園の野菜です。
過去、何かの折に(忘れちゃったのですが)テレビの出演交渉した際、事務所に所属せず、ご自宅にFAX連絡だったことを覚えています。そのとき、出演はかなわなかったのだけれど、近年では近くのデパ地下の野菜売り場で文太サンの作る野菜にお目にかかり、その美味しさに大ファンになっていたところでした。山梨の富士山が見える場所にある「竜土自然農園おひさまの里」という農場。ラベルに印刷された「代表・菅原文太」の文字にしびれます。
野菜を作っているという話は耳にしていましたが、実際にこうして大手の店にも流通しているとは…。以来、その店に行くたび、文太の野菜を探しては買っていました。それまで値段の高い有機栽培の野菜にはあまり手を出していなかったのですが、文太の野菜を特売で買って、その美味しさを知って以来、定価でも買うようになりました。蕪が出ていることが多かったですが、下の写真にあるスイスチャードのようなハイカラな野菜もありました。どれも味がしっかりして美味しかった。しかし、今年、その某デパート地下食のリニューアルに伴い、文太サンの野菜が姿を消してしまった…。直販ではなく、一度築地の市場に出たものを仕入れているので、あまり数が出ないと手に入らないから、いつもあるわけではないんです…と店員さんは言われていましたが…。
文太さんは野菜の種の話にも詳しく、子孫を残せないf1種に警鐘を鳴らしていました。私もかつてやっていた番組で在来野菜について取り上げ、f1種の種についても言及しましたが、まだまだ広くは知られていません。
今、私の家には都会から移住して自然農法を始めた若い人の作る無農薬無肥料の野菜が毎週送られて来ています。文太サンの奥様が、夫は「種を蒔いていった」とおっしゃっていましたが、私もそういう意味で種を蒔かれた一人です。
「食を変えることは世の中を変えることに繋がる」
こう信じてまずは自分の食から変えていこうと思っています。
まずは身体にいい食べ物とは何か、そしてそれが流通するための農業の構造とはどういうものか、そういうことに真剣に取り組んで行けば、自給率の問題や、食の安全の問題だけでなく、膨大な医療費削減や派遣労働の問題なども解決の糸口を見いだせるのではないか…。
人間は生きるために食べる。食べることはある意味生きるすべてでもある。そこに思い至るとき、社会は少しずつ住みやすい場所になっていくのではないか。そう思います。
文太サンの農場には一度、伺ってみたいと思っていました。あわよくば取材出来ればと。農場で文太サンに会うことはもうかなわないけれど、彼が残した農場の野菜はまだ食べられる。私もf1種にならず、文太サンがやろうとしていたことを受け継ぐ、在来種でありたいと思います。
ほんとうに文太の野菜、美味しかったんですよ~!
今、どこで買えるんだろう。