先日、7月3、4日の土日で、宮城県の栗駒というところに、皮むき間伐体験ツアーというのに行ってきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/c9/d6e9f6974932660d8159bfaa00a2b56c.jpg)
「皮むき間伐」って何よ、という方のために、まずは、この皮むき間伐ツアーについて説明します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/db/dff671e0b67fe6f57b1bc4fe4992fc9a.jpg)
未来バンクの田中優さんらが主催で行われた皮むき体験
(真ん中の眼鏡かけた人が田中優さん)
この「皮むき間伐」体験は、未来バンクやapバンクでおなじみ、環境問題にとりくまれている田中優さんたちの「天然住宅」というプロジェクトの一環として行われているものです。「天然住宅」については、こちらのサイトをみていただけると詳しくわかりますが、簡単に説明すると、国内産の木材を使って、化学物質などを使わない天然の家を建てましょうという試みです。国産材を使う事で、日本の建築材供給のために伐採が続く東南アジアの森林も救う事ができます。
一方で、日本の木を使う事で、国内の森も整備され、保全につながるというわけです。
実は、日本の森には、国内の建材やエネルギーをまかなうだけの木が十分にあります。コストなどの関係で整備されていないだけなのです。
そんな「天然住宅」が目をつけたのが、「皮むき間伐」です。
日本の林業で最も問題となるのは、人件費や運搬費をはじめとしたコスト。
実は、この皮むき間伐という方法、コストの削減にも繋がるのです。
それは一体どういうことなのか?
また、そんなに簡単に木の皮ってむけるものなのでしょうか?
ご説明します。
私も今回知ったのですが、木の皮って、4月から8月の間の木が水分を多く含む時期には、つるっとはげるものなんですって。
実際にやってみれば分かる事ですが、根元にきちんと切れ目さえ入れれば、あとはつーっと両手で引っ張れば簡単に剥けていきます。
今回の体験ツアーでは、小学校低学年のお子さんもやってましたから。
今回は暑かったこともあって、汗だくだくで、作業は思ったよりも大変な印象がありましたが、これが4月とか5月だと、林のひんやりした空気のせいもあり、快適に作業ができるようです。
そして肝心の、「なぜ皮むき間伐がコスト削減につながるのか」ですが、こうして木の皮を剥いて、その後しばらく放置しておくと、木が乾燥して軽くなり運搬コストが減るからなんです。上の方に繁茂した葉っぱも枯れて切り倒しやすくなります。切り倒す時間が短くなるので人件費も減るというわけ。
この皮むき間伐は、今回のツアーでご協力をいただいた栗駒木材さんなど一部の林業関係者が行っているほか、NPO法人「森の蘇り」という団体が、あまねく広めようと、サポーター制度を設け出資を募っています。認知拡大を目論むにあたって、皮むき間伐体験には「きらめ樹体験」という名称がつけられました。
また、皮むきだけなら小学生でもできるので、この皮むき体験を学校の体験授業などに組み込んで行くことも考えているようです。全国的にそうした活動が広まってくれば、森の再生コストはずいぶん下がりそうですよね。
以上、皮むき間伐について簡単に説明しましたが、これいい取り組みでしょ?
世の中の役に立つだけではありません。
この映像を見てもらえば、皮むきの楽しさも分かると思います。
2010年7月3日皮むき間伐実演in栗駒
いかがでしたでしょうか?
私自身、ブログのためにビデオをもっとちゃんと撮ろうと思っていたのですが、いざ体験してみると、皮むき自体の方に一所懸命になってしまい、必要なカットとか適正なアングルやサイズなど気にしてビデオを撮ってる余裕はありませんでした。とりあえず、カメラに写ってたものをなんとか繋ぎ合わせてみた始末。まあ、それだけ皮むきのインパクトが強かったという事でしょうか。ちょっと言い訳でした。言い訳ついでにいくつか写真を載っけます(いやあ、実は写真も満足に撮れてないのですが)。
これは、皮むきするための三種の神器
のこぎり、竹べら、即席木槌(枝の切れ端です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/ae/33a95c3431de2c80551b6903518901e0.jpg)
VTRで実演した君嶋さんが、樹液が出てると言われてましたが、カメラが寄ってなかったのでこちらの写真でご覧下さい。よくみると雫が・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/59/96926cd9a9118ea3068201c2970384fb.jpg)
こおろぎが樹液を吸いにきてました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/ee/bdb737531a65a719c37cefa186a4a1fc.jpg)
つたがからまっていた木は、皮をはいでも下の写真みたいに跡がついています。これはこれでデザインとしてありですよね。”へうげもの”古田織部ん家の床柱によさそうだ。つまり「乙」ってこと。(「へうげもの」は古田織部が主人公のモーニング連載の漫画です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/21/262e4a845e0fed1866af68076f3140c5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/6a/88f5c6a24caabec00d18095e3db226d8.jpg)
こーんなに皮をむきました。こういう山は他の場所にも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/cb/6e5d1525872b092e90ac0c609084b926.jpg)
また、「天然住宅」さんのブログの方に、これより長いバージョンの皮むきビデオと、今回のツアー全体の写真レポートがありますので、詳しい内容についてはそちらをご覧下さい。
天然住宅ブログ「天ぷら油バスで行く!皮むき間伐体験@くりこま@7/3-4 行ってまいりました!」
実は私、これまではエコツアーとかってあんまり興味ありませんでした。
当然、森の保全は必要だと思っているんですが、そもそも田舎の出なもんだから、子供の頃に山も海も行って遊んでたし、たき火もしたし、中学に上がるまでは風呂も焚いてたし、磯でカップラーメンの容器にクラゲ入れてかきまわしとってんぞ!なんて思って、エコツアーなんて都会育ちの人が行くもんだと思ってたんですね。
でも、今回のツアーは、ただの自然体験じゃなくて、未来の森の再生につながる一つの解決法を提示してもらえ、かつその解決法というのが、遊びとしてもかなり楽しいというおまけ付き。別に森の再生とかに興味の無い人でも、十分楽しめるツアーだったんですねえ。これは森林保全を訴える上で、言い方は悪いですが「使える」エコツアーだと思いました。
そうそう、ビデオを見ていただいても分かったかもしれませんが、皮むきは共同作業、特に男女が組んで作業を行うとはかどることが判明!!帰りのバスの中では、参加者から、これを婚活ツアーにしてはどうだろうという意見も出ていました(笑)。
これなら、私みたいな、「もう田舎は知っとるぞ」な人から、「自然って興味ないんですよね」な人まで、いろんな人を先入観無く引き込めるんじゃないですかねえ。
ところで、今回のツアーの皮むき間伐体験は、「天然住宅」に木材を供給し、環境にやさしい木をもっと広げたい・・・と頑張っておられる宮城県の栗駒木材さんのご協力で開催されました。皮むき体験だけでなく、栗駒木材さんの製材所の見学会も行われました。また、バイオマス燃料のペレットを使ったペレットストーブを開発したさいかい産業の古川さんも参加され、ストーブの説明も聞くことができました。
実は、こちらの栗駒木材さんやさいかい産業さんのこれまでの取り組みというのが感動もので、こうした活動が21世紀の日本を救うんだなあということを心から実感したわけですが、それは次回に続けようと思います。
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「皮むき間伐」って何よ、という方のために、まずは、この皮むき間伐ツアーについて説明します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/db/dff671e0b67fe6f57b1bc4fe4992fc9a.jpg)
未来バンクの田中優さんらが主催で行われた皮むき体験
(真ん中の眼鏡かけた人が田中優さん)
この「皮むき間伐」体験は、未来バンクやapバンクでおなじみ、環境問題にとりくまれている田中優さんたちの「天然住宅」というプロジェクトの一環として行われているものです。「天然住宅」については、こちらのサイトをみていただけると詳しくわかりますが、簡単に説明すると、国内産の木材を使って、化学物質などを使わない天然の家を建てましょうという試みです。国産材を使う事で、日本の建築材供給のために伐採が続く東南アジアの森林も救う事ができます。
一方で、日本の木を使う事で、国内の森も整備され、保全につながるというわけです。
実は、日本の森には、国内の建材やエネルギーをまかなうだけの木が十分にあります。コストなどの関係で整備されていないだけなのです。
そんな「天然住宅」が目をつけたのが、「皮むき間伐」です。
日本の林業で最も問題となるのは、人件費や運搬費をはじめとしたコスト。
実は、この皮むき間伐という方法、コストの削減にも繋がるのです。
それは一体どういうことなのか?
また、そんなに簡単に木の皮ってむけるものなのでしょうか?
ご説明します。
私も今回知ったのですが、木の皮って、4月から8月の間の木が水分を多く含む時期には、つるっとはげるものなんですって。
実際にやってみれば分かる事ですが、根元にきちんと切れ目さえ入れれば、あとはつーっと両手で引っ張れば簡単に剥けていきます。
今回の体験ツアーでは、小学校低学年のお子さんもやってましたから。
今回は暑かったこともあって、汗だくだくで、作業は思ったよりも大変な印象がありましたが、これが4月とか5月だと、林のひんやりした空気のせいもあり、快適に作業ができるようです。
そして肝心の、「なぜ皮むき間伐がコスト削減につながるのか」ですが、こうして木の皮を剥いて、その後しばらく放置しておくと、木が乾燥して軽くなり運搬コストが減るからなんです。上の方に繁茂した葉っぱも枯れて切り倒しやすくなります。切り倒す時間が短くなるので人件費も減るというわけ。
この皮むき間伐は、今回のツアーでご協力をいただいた栗駒木材さんなど一部の林業関係者が行っているほか、NPO法人「森の蘇り」という団体が、あまねく広めようと、サポーター制度を設け出資を募っています。認知拡大を目論むにあたって、皮むき間伐体験には「きらめ樹体験」という名称がつけられました。
また、皮むきだけなら小学生でもできるので、この皮むき体験を学校の体験授業などに組み込んで行くことも考えているようです。全国的にそうした活動が広まってくれば、森の再生コストはずいぶん下がりそうですよね。
以上、皮むき間伐について簡単に説明しましたが、これいい取り組みでしょ?
世の中の役に立つだけではありません。
この映像を見てもらえば、皮むきの楽しさも分かると思います。
2010年7月3日皮むき間伐実演in栗駒
いかがでしたでしょうか?
私自身、ブログのためにビデオをもっとちゃんと撮ろうと思っていたのですが、いざ体験してみると、皮むき自体の方に一所懸命になってしまい、必要なカットとか適正なアングルやサイズなど気にしてビデオを撮ってる余裕はありませんでした。とりあえず、カメラに写ってたものをなんとか繋ぎ合わせてみた始末。まあ、それだけ皮むきのインパクトが強かったという事でしょうか。ちょっと言い訳でした。言い訳ついでにいくつか写真を載っけます(いやあ、実は写真も満足に撮れてないのですが)。
これは、皮むきするための三種の神器
のこぎり、竹べら、即席木槌(枝の切れ端です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/ae/33a95c3431de2c80551b6903518901e0.jpg)
VTRで実演した君嶋さんが、樹液が出てると言われてましたが、カメラが寄ってなかったのでこちらの写真でご覧下さい。よくみると雫が・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/59/96926cd9a9118ea3068201c2970384fb.jpg)
こおろぎが樹液を吸いにきてました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/ee/bdb737531a65a719c37cefa186a4a1fc.jpg)
つたがからまっていた木は、皮をはいでも下の写真みたいに跡がついています。これはこれでデザインとしてありですよね。”へうげもの”古田織部ん家の床柱によさそうだ。つまり「乙」ってこと。(「へうげもの」は古田織部が主人公のモーニング連載の漫画です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/21/262e4a845e0fed1866af68076f3140c5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/6a/88f5c6a24caabec00d18095e3db226d8.jpg)
こーんなに皮をむきました。こういう山は他の場所にも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/cb/6e5d1525872b092e90ac0c609084b926.jpg)
また、「天然住宅」さんのブログの方に、これより長いバージョンの皮むきビデオと、今回のツアー全体の写真レポートがありますので、詳しい内容についてはそちらをご覧下さい。
天然住宅ブログ「天ぷら油バスで行く!皮むき間伐体験@くりこま@7/3-4 行ってまいりました!」
実は私、これまではエコツアーとかってあんまり興味ありませんでした。
当然、森の保全は必要だと思っているんですが、そもそも田舎の出なもんだから、子供の頃に山も海も行って遊んでたし、たき火もしたし、中学に上がるまでは風呂も焚いてたし、磯でカップラーメンの容器にクラゲ入れてかきまわしとってんぞ!なんて思って、エコツアーなんて都会育ちの人が行くもんだと思ってたんですね。
でも、今回のツアーは、ただの自然体験じゃなくて、未来の森の再生につながる一つの解決法を提示してもらえ、かつその解決法というのが、遊びとしてもかなり楽しいというおまけ付き。別に森の再生とかに興味の無い人でも、十分楽しめるツアーだったんですねえ。これは森林保全を訴える上で、言い方は悪いですが「使える」エコツアーだと思いました。
そうそう、ビデオを見ていただいても分かったかもしれませんが、皮むきは共同作業、特に男女が組んで作業を行うとはかどることが判明!!帰りのバスの中では、参加者から、これを婚活ツアーにしてはどうだろうという意見も出ていました(笑)。
これなら、私みたいな、「もう田舎は知っとるぞ」な人から、「自然って興味ないんですよね」な人まで、いろんな人を先入観無く引き込めるんじゃないですかねえ。
ところで、今回のツアーの皮むき間伐体験は、「天然住宅」に木材を供給し、環境にやさしい木をもっと広げたい・・・と頑張っておられる宮城県の栗駒木材さんのご協力で開催されました。皮むき体験だけでなく、栗駒木材さんの製材所の見学会も行われました。また、バイオマス燃料のペレットを使ったペレットストーブを開発したさいかい産業の古川さんも参加され、ストーブの説明も聞くことができました。
実は、こちらの栗駒木材さんやさいかい産業さんのこれまでの取り組みというのが感動もので、こうした活動が21世紀の日本を救うんだなあということを心から実感したわけですが、それは次回に続けようと思います。
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内容も充実
すごい!
12月、来年の4月のこの山の状態が楽しみです。
「森林」というキーワード検索より、参りました。
私は数日間だけ森林ボランティアに参加したことがあるのですが、「皮むき間伐」を知ったのは初めてです。森林への関わり方には様々あるのだなあとワクワクしました。
今後貴ブログを読ませていただければと思います。
では、失礼します。
私のもうひとつのブログ、出島DEJIMA2010には
「森林本2010」というページがあります。
とはいえ、まだ口上しか書いていませんが、
もっと木を使うことで森を再生させようという
コンセプトの本を作りたいという趣旨のページです
よろしければ読んでみて下さい。
http://www.dejima2010.com/p/blog-page_933.html