ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

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子宮内膜症は再発する その2

2010-11-08 | 子宮内膜症
子宮内膜症の中でも卵巣チョコレート嚢胞は再発しやすい。術後薬物療法を行わない場合、Vercelliniは術後3年で約半数が再発東大は術後2年で約30%が再発していたと報告している。

3年で半数が再発するなんて…(ちょっと再発率高すぎる気もするが)
手術する意味がないではないか

再発チョコレート嚢胞を核出すると卵巣機能が著しく低下するリスクがある。(それでもやらなければならないような再発チョコはあるけれど…)できるだけ再発させない治療プログラムを考えた方が賢明じゃないだろうか?

術後にOC(低用量ピル)を服用した場合には、Vercellini:術後3年で約6%東大:術後2年で約3%にまで下がる。

大事な卵巣ならOC内服して、来るべき時期(排卵していい時、すなわち妊娠したい時)までチョコの再発を防ぎ、妊孕能を低下させないようにしようではないか

つまり将来的な妊娠を考慮するのであれば、チョコレート嚢胞を核出した後、妊娠を希望していない時期はできるだけOC(ディナゲストのようなプロゲスチンでもいいけれど)を服用してチョコの再発を防ぐのがよいと思われる。妊娠を考える時期になったらOCをやめればよい。
コメント
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