ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

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子宮内膜症は再発する その5

2011-05-12 | 子宮内膜症

子宮内膜症の再発をどのように考えるかによって、治療方針も変わってくる。

チョコレート嚢胞が再発しやすいと考えるのであれば、
チョコレート嚢胞核出後は、薬物療法(低用量ピルやディナゲストなど)で妊娠を考えるまでは排卵を押さえておくだろう。不妊症であれば、卵巣をできるだけ傷つけないように手術して、できるだけ早く妊娠するよう勧めるだろうし、ARTへの移行も早い方がよい。挙児希望がない場合や40代以降であれば(ガン化の問題もあり)、根治性を考えて片側卵巣の摘出を考慮するかもしれない。

チョコレート嚢胞の再発について深く考えていないのならば、
チョコレート嚢胞核出後、とくに薬物療法をすることもないだろう。不妊症であっても、とりあえず嚢胞壁をはがしておき、手術したことに満足しているかもしれない。挙児希望がない場合や40代以降であってもチョコレート嚢胞を核出して術後薬物療法を行うこともない。

チョコレート嚢胞が再発しやすいのは事実だと思う。より卵巣予備能を考えた手術をすればするほど、排卵しやすくなり再発しやすくなるのだと思う。

子宮内膜症は漫然と手術してはいけない。少なくとも出産まで(可能なら閉経まで)の治療プランを考えておかなければならない。

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