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子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

─ 超音波凝固切開装置 ─ TLHへの私のこだわり11

2025-01-30 | 腹腔鏡

TLH(腹腔鏡下子宮全摘術)を行う上で、欠かせない「相棒」がいます。それは、超音波凝固切開装置、Harmonic 1100です。

Harmonic 1100とは?

Harmonic 1100は、超音波の振動を利用して、組織の切開と凝固を同時に行うことができる医療機器です。従来の電気メスと比べて、周囲組織への熱損傷や出血が少ないため、より安全で精密な手術操作が可能となります。

TLHにおいて、Harmonic 1100を使用することで、以下のようなメリットがあります。

  • スムーズな切開と剥離: 超音波振動により、組織をスムーズに切開・剥離することができます。
  • 出血の抑制: 優れた凝固能力により、出血を最小限に抑えることができます。
  • 解剖学的構造の把握: 出血が少ないため、術野がクリアに保たれ、解剖学的構造を正確に把握することができます。

Harmonic 1100を使いこなすコツは、「自分が手術をするのではなく、道具に仕事をしてもらう」という意識を持つことです。私は、難易度の低い手術から高難度症例まで、あらゆるTLHにおいてHarmonic 1100を使用しています。特に、損傷したくない臓器や血管が近くにある場合でも、Harmonic 1100であれば、精密な切開を行うことができます。


私は、4000例以上のTLHでHarmonic 1100を使用してきました。ジョンソン・エンド・ジョンソン社がHarmonic Scapelを発売してから30年近くになりますが、初期のモデルからずっと使い続けています。(たぶん、日本では私だけ?)何度もバージョンアップを重ねて現在のモデルになっています。世界中の外科医が使用しつづけた智恵がこのデバイスには詰まっています。電気メスのように、患者さんの体に高熱を伝えないため、身体に優しい手術ができるのも魅力です。

Harmonic 1100は、TLHに欠かせない私の「相棒」です。これからも、Harmonic 1100とともに、患者さんに安全で安心な医療を提供できるよう努力を続けていきます。


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