今日は晴れ。今朝は上空に澄んだ暗い空が広がっていて、星が瞬いていた。今朝の気温は-3℃と冷え込んだ。今シーズン2日目の冬日である。冷たい北よりの風が吹いていて、外に出てみると、まるで冷凍庫の中にいるような陽気である。風が冷たく、街が凍てついたように、しんと静まりかえっていた。
今日は朝、2時間のテレワークをしてから、職場に出勤する予定としている。今朝は少し遅めに起床した。湯を沸かしてインスタントコーヒーを淹れ、簡単に朝食を摂った後、髭を剃って顔を洗う。定時よりも少し前の時間になったところで、職場から持ってきた端末に電源を入れ、業務を開始した。
日が昇るにつれて、次第に空が明るくなってきた。上空には雲ひとつ無い青空が広がっていて、日射しが燦々と降り注いでいるものの、足下から冷気が迫り上がってくるように寒い。塵一つ無い澄んだ空気がガラスのように硬く、冷たく感じられる。
10時を過ぎたところで、職場にテレワーク終了の連絡を入れて、業務端末の電源を落とした。端末をビジネスリュックサックに入れると、出勤の支度をして家を出る。連日の東京都における新型コロナウイルス感染症新規感染者増の報道の影響もあるのか、この時間帯にいつも乗っている特別快速電車は少し空いていた。日野駅から座ることができたので、うたた寝をして新宿に向かう。窓から降り注ぐ日射しがポカポカと暖かかった。
日中はほぼ快晴で、上空には澄んだ青空が広がった。昼間の最高気温は9℃で、空気はカラカラに乾燥している。日射しの温もりが感じられるものの、北よりの風が身を切るように冷たい。薄手のコートの襟をかき寄せるようにして歩いた。
新宿に着くと、時計の針は昼前を示していたので、今日も職場に行く前にお昼を食べていくことにする。ちょうど2年前に「黒担々麺」を食べたラーメン屋「陳麻家 西新宿1丁目店」のあるビルに向かって左隣のビルの地下1階に居酒屋「庄屋 新宿IDS店」がある。今日はこの店に入店することにした。
階段を降りて行くと、店の入口がある。脇に置かれた椅子の上に消毒液が置かれているので、ここで手指の消毒をすると、店に入った。
店内は入口から見て右手に厨房があり、厨房に面してカウンター席が4席配されている他、4人掛けのテーブル席が15卓と2人掛けのテーブル席が1卓あり、奥には6~8人が座れるテーブル席を配した半個室が3室設けられている。
カウンター席に座ると温かい麦茶の入った湯呑みが出された。卓上には醤油とソース、七味唐辛子といった調味料とお茶の入ったポット、紙ナプキン、楊枝、アルコール消毒液が置かれていて、ラミネートされたメニューが置かれている。お茶を飲みながらメニューを眺めた。ちなみに今日の日替り定食は「豚ロースカツ」とのこと。焼魚定食は「沖ブリ西京焼き」、豚汁定食の揚げ物は「アジフライ」となっている。
注文したのは「豚汁定食」である。「海鮮ばらちらし丼」にも心を奪われたが、今日は寒いこともあって、温かそうな食事にした。ご飯の大盛りおよびお替わり、味噌汁のお替わりは自由とのことなので、ご飯を大盛りにして注文することにした。
お茶を飲んでいると、すぐに料理が一式載せられたトレーが運ばれてきた。トレーの上にはアジフライと刺身、ご飯、豚汁、お新香、箸が載せられている。
ご飯のお椀の蓋を取る。
トレーの上にはアジフライや刺身が載っているが、やはり「豚汁定食」というだけあって、メインの料理は豚汁である。豚汁には豚バラのスライス肉とダイコン、ニンジン、里芋、ゴボウ、コンニャクがふんだんに入っていて、刻みネギが載せられている。
刺身はカレイの刺身が1切れとヒラメの刺身が2切れ載せられていて、ダイコンのツマとおろしワサビが添えられている。
刺身の器の窪みに醤油を垂らし、豚汁には七味唐辛子をかけて食べることにした。
箸を取り、最初に豚汁を食べる。
濃い味噌味のダシに浸かった豚肉は赤身に脂身が筋状に入っている。口の中に入れると、舌の上で脂が溶けて、赤身がほどけるように口の中で崩れて美味しい。里芋は溶けかけていて、歯応えと滑らかな舌触りが感じられる。ダイコンもよく熱が入っていて、味が濃くて美味しい。刻みネギがシャキシャキとした食感で、豚汁にアクセントを与えている。
ご飯を食べる。艶々とした米粒からはほんのり湯気が立っている。
このご飯に豚汁の具を載せて、ご飯をかき込んだ。味噌の味わいに豚肉と各種野菜の旨味が絡まって、ご飯が進む。豚汁は汁物であり、おかずにもなる。しかも野菜がたっぷりと入っていて、栄養的にもバランスの良い料理である。食べ応えもあって、美味しい。
アジフライを食べることにした。アジフライの載せられた器にはキャベツの千切りが添えられている。
まずはキャベツの千切りをご飯の上に載せて、ソースを適量垂らすとキャベツを食べた。ほんのりと熱の加わったキャベツは甘くて美味しい。シャキシャキとした食感にソースの旨味が加わって、ご飯が進む。アジフライもご飯の上に載せ、ソースをかけて食べた。程よい大きさのアジフライは身厚で、身がホクホクとして美味しい。さくさくとした食感の衣にソースが染みこみ、アジの旨味を引き立てている。尾まで香ばしく、残さずに全部食べてしまった。アジフライが無くなると、ご飯も無くなった。
ご飯をお替わりする。さすがに2杯目も大盛りにすると、食べ過ぎのような気がして、並盛りで注文することにした。
2杯目のご飯は最初に刺身で食べる。
おろしワサビを醤油に溶かして、刺身をワサビ醤油に浸けて口に運んだ。カレイの刺身は広げると大きく、皮が付いている。もっちりとした食感のカレイは淡泊な旨味が美味しい。身厚で、ボリュームがある。ヒラメは小さめのカットながらも2切れある。ヒラメもまたもっちりとした食感で、カレイとはまた異なった淡泊な味わいとなっている。この3切れの刺身でご飯が進んだ。
ダイコンのツマをご飯の上に載せてワサビ醤油をかけると、ご飯をかき込む。ダイコンのシャキシャキとした食感に醤油の旨味が絡んで美味しい。わさびのツンとした風味がアクセントになっている。刺身を全部食べてしまうと、残りのご飯をお新香で食べることにした。
お新香はタクアンをカットしたものである。
タクアンも味が濃くてご飯が進む。パリパリとした食感を楽しみながら、タクアンを食べた。タクアンが無くなる頃には、ご飯のお椀も空になった。
最後に豚汁を楽しむようにして食べる。これにご飯を入れて、雑炊風にしても良かったなと思いつつも、温かい汁物は体も温まる。豚汁の身をあらかた食べてしまうと、最後にお椀を傾けて汁を飲み干した。
この店ではコーヒーがセルフサービスで楽しめる。入口に近いテーブル席の上にコーヒーサーバーとカップ、小トレー、スプーン、スティックシュガー、ミルク、消毒液が置かれていて、自由に飲めるようになっている。
カップにコーヒーを注ぎ、ミルクとスティックシュガー、スプーンを1つずつ小トレーの上に載せると、カウンター席まで運んだ。
まずはコーヒーをブラックのまま飲んでみる。コーヒーは濃い苦みと酸味が感じられるコーヒーで、満腹になった胃袋に染み渡るように美味しい。とはいえ、やはり食後は甘いコーヒーでひと息つきたいところである。そこで、コーヒーにミルクとスティックシュガーを注ぎ、スプーンでかき混ぜると、あらためてコーヒーを飲んだ。
コーヒーの香りに癒やされながら、コーヒーを飲み干して完食。美味かった。大満足である。湯呑みに残った麦茶も飲み干すと、身支度を調えて、伝票に置かれた札を持ち、入口脇のレジに進む。代金を払うと店を出た。
外に出ると太陽が眩しい。お昼を食べて熱くなった体に冷たい外気が心地よく感じられる。途中、職場に行く前に売店でアイスコーヒーを買って行った。
午後は職場でデスクワークである。日が傾いてくると、新宿の街がオレンジ色に染まった。今日の日没の時刻は16時30分で、最も日没が早かった12月上旬に比べて2分遅くなった。といっても、体感出来るほどではなく、日が暮れるのが早く感じられる。日が沈むと、西の空に細い月が浮かんでいるのが見えた。
夜、業務を終えて職場を出る。新宿駅から乗った立川行きの快速電車は混んでいたが、中野駅で運良く座ることができた。電車は三鷹駅で通勤快速電車に追い抜かれるが、そのまま座って立川まで行く。立川駅で後続の高尾行きの電車に乗って、日野駅に到着した。
改札の外に出ると、冷たい北よりの風に身震いをする。既に気温は氷点下になっていて、手の指がかじかんで、感覚を失いつつある。上空には暗く澄んだ空が広がっていて、星が瞬いているのが見えた。