今日は雨のち曇りときどき晴れ。今朝は上空に雲に広がっていて、微かに雨が降っている。今朝の気温は7℃で、弱い北よりの風が吹いている。ベランダの外に出てみると、冷蔵庫の中に入ったような冷気が身体を包んだ。空気がヒンヤリとしていて、コンクリートの床から冷気が迫り上がってくるように感じられる。
今日は1日年休を取って、藤沢の実家に行くことにしている。久しぶりに実家の近くの床屋で散髪することにしているので、髭は剃らずに顔だけ洗った。お湯を沸かして熱いコーヒーを淹れると、玄関のドアポストに投函された朝刊を見ながら、簡単に朝食を済ませる。日の出の時刻を迎えて、空が薄明るくなってきた。
パソコンを立ち上げてメールをチェックしていると、窓の外から雨が降る音が聞こえる。団地の前庭の木々の葉を雨が叩くような音が聞こえて、静かな気配の中に雨の音だけが耳につく。
雨は9時過ぎに止んだ。雨が止むと急速に空が明るくなってきた。やがて東よりの風が吹いてくると、雲が切れて日が射してきた。自宅の前の路面はしっとりと濡れていて、大きな水たまりがいくつもできていた。
日中は曇りで、上空には雲が多いものの雲の合間から青空も見えている。昼間の最高気温は13℃で湿度が高く、東よりの風が強く吹いている。雲が切れて時折薄日が射すこともあるが、太陽が雲に隠れてしまうと、湿った空気が冷たく感じられる。
午後になって家を出ると、日野駅から中央線に乗って八王子駅に向かう。八王子駅で横浜線に乗り換えて町田駅に到着した。町田でお昼を食べていくことにして、中央改札を出た。駅北口に出ると、原町田大通りを北に歩いて行く。途中、原町田中央通り交差点を左に曲がって鶴川街道に入る。道なりに歩いて行くと、踏切が見えてくるが、その手前の角を右に入って線路沿いに新宿方面に80mほど歩いて行くと、右手のビルにラーメン屋「いぶし銀」の看板が見えてくる。今日はこの店に入ることにした。
店内は混んでいたので、店の外で席が空くのを待つことにした。店の外には椅子が3個並べられていて、店の壁にはメニューが2冊置かれている。待っている間、メニューを見てみる。
冊子を開くと、最初に店主のメッセージが書かれている。
次の見開きにはラーメンの麺、スープ、具材へのこだわりが記載されている。
ページをめくると「いぶし銀のオススメの3杯」「オススメラーメンを更にチューンナップ」と書かれた各種ラーメンのメニューが掲載されていた。
更にページをめくると、「ふつうのラーメン」「つけ麺」のメニューが掲載されている。
最後のページは「サイドメニュー」「トッピング」「おのみもの」「お持ちかえり」の各種メニューが掲載されていた。
やがて店員に呼ばれて店内に入る。店に入ると右手にタッチパネル式の券売機があって、ここで食券を購入する。まずは券売機の左隣に置かれた台の上にある消毒液で手指を消毒する。
券売機の上にはラーメン各種のチャートが掲載されている。これを参考にしながら、注文するラーメンを検討する。
券売機のトップメニューから「店内飲食」を選び、先に進む。
メニューのページは「おすすめ」「ラーメン」「つけ麺」「ドリンク」「夜の限定」に分かれている。最初のページは「おすすめ」メニューである。
次に「ラーメン」メニューを表示させてみる。
「つけ麺」メニューも表示させてみた。
「ドリンク」のメニューも見てみる。
「夜の限定」は「夜限定餃子」があった。
食券を購入すると、背後にいた店員に食券を渡す。注文したのは「GT」と「ライス(200g)」である。食券を渡すと店の奥に進む。店内は入口から見て左手に厨房が有り、厨房の前に直線上にカウンター席が6席設けられている。カウンターの上の壁には数枚の色紙が飾られていた。ちなみに店の外には4人掛けのテーブル席が1卓設けられている。
券売機の隣にある台の上には消毒液の他、店を紹介している雑誌や置物、他店のパンフレットなどがある。その左手には重ねられたコップが並べられていて、その左手に給水栓がある。コップは透き通った青色と透明な色の2種類のコップが置かれている。透明なコップに給水栓から冷水を注ぐと、店内の空いているカウンター席に座った。
厨房側のカウンターの上には醤油と酢、コショウ、ミル付黒コショウ、一味唐辛子、唐辛子の塩麹漬け、自家製ラー油といった各種調味料と楊枝が置かれている。その手前のテーブル上には塗り箸と割り箸、台ふきん、メニューが置かれていた。メニューは店頭で見たメニューと同じものである。
席からは店主が作るラーメンの調理をしているところが見えて面白い。まさにラーメンはエンターテイメントである。できあがったラーメンは美味しいが、ラーメンはそれだけで構成されているのではない。ラーメンを作る過程、料理が出来るのを待つ時間、そしてラーメンの見た目、スープの香り、そして麺とスープ、具でできあがったラーメンの世界を楽しむ。まさにその一場面を味わえた。
やがて「GT」ラーメンがカウンターの中から出された。続いて「ライス(200g)」も出される。
箸を取り、さっそく「GT」ラーメンを食べることにした。「GT」ラーメンの麺は太麺で濁った薄茶色のスープに浸かっている。麺の上にはチャーシューが1枚とナルトが1枚、メンマ、挽き肉、干しエビ,刻みタマネギ、刻んだ青ネギが載せられて、海苔が1枚添えられている。「GT」ラーメンの丼にはレンゲが添えられていた。
レンゲを取ってスープを掬って口に運ぶ。干しエビと肉出汁のスープの表面には薄く膜が張っている。国産のゲンコツ、豚足、地鶏、レシピ発注した大粗挽きのひき肉やラーメンの出汁として旨味、香りが特に引き立つサバ節、ソーダカツオ節、特に鮮度にこだわったカタクチイワシ、マイワシ煮干しを使ったスープをベースにに大粗挽きのひき肉と高級食材の干しエビ、ナンプラー等をプラスしたスープは、深い滋養と濃厚な旨味が美味しい。
塩は瀬戸内海産の塩を使っているとのことで、塩の甘みが感じられる。仕上油にエビ油を使用したスープは、ニンニクや黒コショウが効いていて、スープを飲むほどにガツンとした衝撃を受けるような旨味が口の中に広がった。
レンゲを置いて麺を食べる。麺は菅野製麺所製で、外国産小麦を数種類ブレンドした縮れ麺である。強いコシを備えた麺は弾力のある歯応えで、濃厚なスープの中で存在感を放っている。しかも、並盛りで麺の量は220gあり、なかなかのボリュームである。
麺を食べていると、麺の上に載せられた野菜が麺に絡まって口の中に入ってきた。野菜は地元の青果店である鈴木青果店から仕入れているとのこと。刻みタマネギのシャキシャキとした食感と辛味がアクセントになっている。青ネギはラーメンに彩りを与え、干しエビの香ばしい香りが鼻腔に広がる。メンマの食感にスープを吸った挽き肉と海苔がジューシーで美味しい。ナルトを食べて、更に麺をすすった。
大きくて厚い自家製チャーシューは地元の老舗である土方精肉店から仕入れているという豚肉を使用しているとのこと。箸でチャーシューを持ち上げようとすると、その形が崩れるくらいに柔らかい。赤身と脂身のバランスが取れたチャーシューは、バーナーで炙られてラーメンに載せられていることもあって、余計な脂身は削ぎ落とされて肉の旨味が濃くて美味しい。スープをたっぷりと吸った赤身はジューシーで香ばしくて美味しく、脂身は甘くて舌の上でとろけるような味わいである。
麺をあらかた食べてしまったところで、ライスを食べる。お碗に盛られたライスは米粒が艶々として美味しそうだ。
当初はラーメンの具でライスを食べるつもりだったが、麺を食べている内に具も無くなってしまったので、最初からラーメンのスープをかけて、雑炊にして食べることにした。レンゲでスープをライスに注ぎ入れると、スープの底に沈んでいた具や、スープに浮かんでいたネギなどがライスの上に載る。これだけでも十分である。
スープでライスがヒタヒタになるまでスープを注ぐと、レンゲでライスをかき込んだ。濃厚なスープをまとったライスは格別に美味い。サラサラと食べると、複雑に絡まり合ったスープの旨味が口の中に広がり、エビの香ばしい風味が鼻腔を抜けていく。ただ、もう、ため息を吐くしか無いほどに美味かった。
ライスを食べてしまうと、最後にラーメン丼に残ったスープを飲み干して完食。美味かった。満足である。
コップに残った冷水を飲み干し、ラーメン丼をカウンターの上に載せると、身支度をして店を出た。ラーメンを食べて熱くなった体にヒンヤリとした外気が心地よい。
町田駅から小田急線に乗って藤沢に向かう。藤沢に到着する頃には次第に青空の領域が広がってきて、日が射し始めた。午後になって南よりの風が吹いてくると、風が心地よく感じられる。日射しがまぶしく、街が明るくなってきた。
今日の日の入りは16時半である。日が沈むと空が暗くなってきた。夕方、実家の近くの床屋で散髪をする。長くなった髪を刈ってもらうと、頭もスッキリとした気分である。
実家で夕食を食べてしまうと、早々に帰宅することにした。外に出ると、上空には澄んだ暗い空が広がっていて、丸い月が煌々と光を放っている。日中浮かんでいた雲はほとんど一掃されて、雲の白い塊が1つ2つ浮かんでいる。月の周囲には星が瞬いていた。風が強く吹いていて、体温を容赦なく奪っていくかのように感じられて、凍えるような寒さである。
電車を乗り継いで日野駅に向かう。電車を降りて改札を抜けると、上空には厚い雲が広がっていた。日野も強い北風が吹いていて、街路樹から枯れ葉が吹雪のように舞っていた。日野駅北交差点ではつむじ風が落ち葉を巻き上げて、再び路面に撒き散らしている。上着を着ていても風が冷たく、身を切るような寒さである。散髪をした直後だけに頭が寒い。
早足で自宅に帰ると、風呂を沸かして熱い風呂に入った。体も温まって、ようやく落ち着いた気分である。