今日は晴れ。今朝は上空に薄く綿を広げたような雲が広がっていて、雲を透かすようにして暗い空が広がっている。今朝の気温は7℃で、弱い北よりの風が吹いていた。湿度が高く、シメシメとした風がヒンヤリと感じられる。外は真夜中のように暗く、街灯の明かりが寒々しく見えた。
今日は通常出勤のため、早朝に家を出た。日野駅から電車に乗って新宿に向かう。電車が新宿に到着して間もなく、日の出の時刻を迎えた。
太陽が東の空に昇ってくると、西新宿の高層ビル群が朝日を浴びて赤く染まった。上空には青空が広がっていて、薄い雲が所々に漂っている。次第に空が明るくなってきた。
日中は上空に薄い雲が所々にかかっているものの、青空が広がって日射しが燦々と降り注ぐ穏やかな空模様となった。昼間の最高気温は18℃で湿度が低く、弱い西よりの風が吹いている。風が少し涼しく感じられるものの、日射しがポカポカと暖かく心地よく感じられた。
お昼休みに外に出てみると、上着無しでも過ごしやすい陽気である。陽光が木々の赤く染まった葉を透かして、煌めくように見えた新宿中央公園も紅葉で赤く染まっているように見える。少し汗ばむような陽気で、冷たい空気が気持ちよかった。
今日も忙しくて、帰宅するのは遅くなってしまった。今日は満月で、140年ぶりのほぼ皆既月食が見られるという天体ショーが期待されていたが、仕事の方はそれどころでは無く、窓の外を見るヒマも無い。もっとも東の窓の正面には建物のために月を望むこともできず、ようやく仕事を終えて職場を出て外に出てみると、都庁舎のライトアップもは消えていた。
今日は夕食を食べて帰ることにしているが、今日は金曜日ということもあって、新宿駅西口の居酒屋や飲食店はかなり混んでいるようだ。自宅の近くの飲食店に行くことにして、新宿駅から中央線快速電車に乗り込んだ。
中央線は青梅線内での人身事故の影響で、ダイヤが乱れていた。乗り込んだ立川行きの快速電車は、1つ手前の国立止まりとなってしまったので、どこかで後続の電車に乗り換えなくてはいけない。電車が国分寺駅に到着したところで、一旦、電車を降りた。この駅で後続の電車を待つつもりだったが、どうせなら夕食を国分寺駅前の飲食店で食べてしまおうという気分になって、改札を抜けた。
駅北口改札を抜けると、駅前通りを北に歩き出した。最初の交差点である本町二丁目交差点を右折して武蔵小金井駅方面に歩いていく。2年前に「台湾ラーメン」を食べたラーメン屋「ふうみどう」の前を通り過ぎ、その先のコンビニの角を左に曲がってその正面にあるうどん屋「讃岐うどん irico」に入ることにした。
店に入る。店内は入口から見て左手に厨房があり、その正面にカウンター席が4席直線上に配されている他、店の奥のスペースと右手の壁際に4人掛けのテーブル席が1卓と2人掛けのテーブル席が7卓配されている。出てきた店員に「お好きな席にどうぞ」と声をかけられて、カウンター席に腰を下ろした。
席に座るとお冷やと冷たいおしぼりが運ばれてきた。卓上には七味唐辛子と箸立て、楊枝立て、メニューが置かれている。箸立てには塗り箸と割り箸が入っていた。お冷やを飲みながらメニューを眺める。
グランドメニューの冊子の他に2枚のラミネートされたメニューがある。1枚は「讃岐おでん」と書かれたメニューである。
もう1枚は「季節限定メニュー」と書かれた各種うどんのメニューである。
裏面は「お薦めメニュー」「日本酒」が記載されていた。
グランドメニューの冊子を開く。
最初のページは店のうどんについての紹介ページとなっている。
ページをめくる。横に広いページの左手には各種「温うどん」のメニューが記載されている。
右手には各種「冷うどん」のメニューが掲載されている。
次の見開き左手のページには各種「逸品」メニューが掲載されている。「とりあえず」「サラダ」「揚げ物」「盛り合わせ」のカテゴリーがある。
右手も各種「逸品」メニューが掲載されている。こちらには「天ぷら」「トッピング」「ごはん」のカテゴリーが記載されていた。
最後の見開きは各種「飲み物」となっていて、左手には「ビール」「焼酎」「梅酒」「酎ハイ」「ワイン」「ソフトドリンク」各種が記載されている。
右手には「日本酒」各種が記載されている。
最後のページは飲み放題メニューが記載されていた。
だいぶ寒くなってきたので、おでんのメニューが魅力的に見える。おでんを注文するとなると、ここはちょっと一杯飲みたいところである。しかも今日は金曜日で、明日はお休み。迷うことはない。ただ、久しぶりの外呑みである。ここはおとなしく「ハイボール」を注文することにした。おでんは「大根」「玉子」「牛すじ」の3点を注文することにした。
しばらくして、「ハイボール」が運ばれてきた。続いておでんも運ばれてくる。
箸を取るとさっそく「ハイボール」と「おでん」を楽しむことにした。
おしぼりで顔と手を拭うと、さっそく「ハイボール」を飲むことにする。細長く背の高いグラスに注がれた「ハイボール」には氷が浮かべられている。
久しぶりに外食で飲む酒は冷たくて美味しい。空腹の胃袋に冷たい「ハイボール」が染み渡るようである。
「ハイボール」をしばらく楽しんだところで、おでんを食べる。おでんは大きな丼に注文した3品のおでんが入っている。ダシがたっぷりとかけられて、刻みネギが散らされている。
おでんには洋カラシが添えられた。足りなければ、言って欲しいとのことである。
最初に大根を食べることにした。大根は直径6センチ厚さ4センチほどの円筒形にカットされていて、あらかじめ半分に切られている。大根の半分を取り皿に移した。
透き通るような断面におでんのダシが染みこんでいる。箸で大根を切り、口に運んだ。トロトロとした食感の大根は舌の上で崩れるような食感で、味が良く染みこんでいて美味しい。熱を通した大根の甘さにダシの旨味が覆い被さるように口の中に広がった。大根を味わいながら、「ハイボール」を楽しむ。熱々の大根に冷たい「ハイボール」の組み合わせがなんとも美味しい。
半分の大根を食べてしまうと、残りの大根を食べる。今度は大根に洋カラシをたっぷりと載せて口に運んだ。なかなかボリュームがあって、食べ応えのある大根である。刻みネギがシャキシャキとした食感で、洋カラシの絡みと共に大根の味わいにアクセントを与えている。薄口のダシは上品ないりこの旨味が濃くて、大根の味わいを引き立てている。もう半分の大根を食べてしまうと、再び「ハイボール」を飲んだ。
続いて「牛すじ」を食べる。串に刺された「牛すじ」は5切れほどの肉片が刺してある。
「牛すじ」の1切れを口に入れた。フンワリとした食感の牛すじは弾力のある歯ごたえでジューシーで美味しい。ダシをたっぷりと纏って旨味が濃く、柔らかくて食べ応えがある。「牛すじ」を食べると、再び「ハイボール」を飲んだ。
ここで、メニューを見ながらうどんを注文する。うどんは季節限定の「鍋焼きうどん」を注文することにした。大盛無料となっているので、大盛で注文する。更に名物「いりこ飯」を併せて注文する。注文を終えると、残りの「玉子」のおでんを取り皿に移した。
玉子を箸で半分に切り、玉子を食べながら「ハイボール」を飲む。玉子にも残った洋カラシをたっぷりと添えて口に運んだ。玉子にも甘みと旨味の濃いダシがよく染みこんでいる。黄身の味が濃くて、ダシの旨みに負けないほどである。白身はプルプルとした食感で、甘くて美味しかった。
3品のおでんを食べてしまうと、丼のダシを全て取り皿に移し、ダシを飲む。瀬戸内海のいりこ(煮干し)をベースしているというダシは最高に旨い。ダシを飲み干すと、「ハイボール」を飲む。ダシの旨みに「ハイボール」の爽やかな炭酸の味わいが重なって喉の奥に消えていく。美味かった。それ以上の言葉が見当たらない。
しばらくしてトレーの上に大盛の「鍋焼きうどん」と名物「いりこ飯」が載せられて運ばれてきた。
おしぼりで改めて口の周囲を拭うと、「鍋焼きうどん」を食べることにする。「鍋焼きうどん」は鉄鍋の中に極太のうどんが入っていて、いりこをベースに自家製のかえしを合わせたという天然ダシに浸かっている。うどんの上には海老天が2尾とカマボコが1枚、どんこ、ネギのカット、カボチャのスライス、わかめが載せられていて、玉子が落とされており、刻みネギが散らされている。
まずはうどんを適量、取り皿に移し、海老天を1尾とワカメをうどんの上に載せて、ダシを適量注いだ。
さっそくうどんを食べることにする。自家製麺の極太のうどんは、香川県から取り寄せる2種類の粉をブレンドし、2日間かけて製麺しているとのこと。モチモチとした弾力のある歯応えに程良いコシが美味しい。ダシはいりこをベースに昆布、3種の削り節をブレンドし、3週間以上寝かせた自家製のかえしを合わせているとのこと。豊潤な旨味とダシの素朴な甘さがうどんにたっぷりと絡まって口の中に入ってくる。
うどんにはワカメが絡まって口の中に入ってきた。ふんわりとした食感のワカメはボリューム感があって美味しい。うどんを食べながら海老天を食べる。サクサクとした食感の衣の中にはプリプリとした海老の身が詰まっている。衣はたっぷりのダシを吸って、ジューシーでありながら軽い食感が味わえる。海老は尾までサクサクと香ばしくて美味しかった。
ダシも飲み干してしまうと、再び取り皿にうどんを移し、今度はどんこ、ネギ、カマボコをうどんの上に載せた。どんこは肉厚で味がよく染みこんでいる。弾力のある歯応えで、ダシがよく染みこんでおり、ジューシーで美味しい。ネギはツルンとした食感で、甘くてジューシーな味わいである。カマボコのフンワリとした弾力のある歯応えを楽しみながらうどんを食べた。
再び取り皿にうどんを入れて、カボチャと玉子、海老天を載せる。熱が入ったカボチャは甘くて美味しい。玉子を崩してうどんを食べると、玉子の黄身がうどんに絡んで、また違った味わいが楽しめる。玉子の黄身の甘みにダシの旨みが絡んで、食べ応えがある。最後の〆に海老天を味わうと、鍋の中のうどんも大方無くなった。
ここで名物「いりこ飯」を食べることにする。「いりこ飯」はいりこの煮干し、ごぼう、にんじん、アサリ、生姜の入った炊き込みご飯で、香川の伝統的な郷土料理とのこと。出された「いりこ飯」には更に刻みネギと刻み海苔がトッピングされて、白ゴマが散らされている。
お碗を持って「いりこ飯」を食べる。いりこは旨味が濃くて美味しい。ジューシーなアサリに生姜の清涼感が加わって、食べ応えがある。ゴボウとニンジンの食感が加わって、食べ応えのある炊き込みご飯である。
半分ほども食べたところで、思いついてうどんのダシを「いりこ飯」にかけて食べる。うどんのダシの旨みが米粒を包み込んで、サラサラと美味しかった。あっという間にお碗が空になったところで、そのお碗に鍋に残ったうどんのダシを全て注ぎ入れ、お碗を傾けてダシを飲み干し、完食。美味かった。満腹、満足である。
最後にコップに残ったお冷やを飲み干す。帰り支度をして席を立つと、店の入口近くにあるレジで代金を払った。ちなみに支払いは現金のみとのこと。代金を払うと店を出て、国分寺駅に向かった。
国分寺駅から中央線の電車に乗って帰宅の途につく。ダイヤはまだ乱れていたが、下りホームには高尾行きの電車が停まっていたので、これに乗り込んだ。電車が日野駅に到着したところで、改札を抜けて駅西側のロータリーに出る。
上空には澄んだ暗い空が広がっていた。天頂方向に満月が煌々と輝いていて、その周囲に星が瞬いていた。