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旧える天まるのブログ
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『まちの腰かけ』停留所

2021-02-11 10:15:42 | まちの腰かけ

 とあるバスの停留所のそばにある『まちの腰かけ』。電話ボックスが置いてあるこの場所は、まちの商業の中心部と言っていいほど、人がここに集まった所を今なお物語っています。

 ここの電話ボックスは常に最新式の物が置かれてました。今は定番色と言ってもいい緑色の公衆電話が置かれてますが、かつてはグレーでデジタル表示で100円とテレホンカード専用の電話ボックスが置かれ、携帯電話もまだ普及していなかった時代でしたから、「10円で3分話せる地域で100円はないだろう!テレホンカード買ったら500円はかかるし!おいおい!」と、困ったこともありました。

 特に上り線下り線という言い方はなく、両方から人が行き交い集まった停留所でした。昭和50年代後半に街並みがアップデートされまして、ほとんどの商店の建物がリニューアルされました。他に住む住人からは「あそこはきれいになったね」と、お褒めの言葉も聞いたこともありますが、時代が過ぎると「なにもないまち」とも言われるようにもなりました。

 「いやいやいや、以前はいろいろあったんです」。ここの腰かけがあった場所にはかつてはお酒屋兼プラモデル屋さんがありました。子供たちはよくプラモデルを買いに人が集まってました。プラモデルを買うと、僕なんか300円、500円から1000円ぐらいの物しか買えなかったのですが、箱ひとつ買っても、丁寧に紙で包んでくれまして。酒屋の旦那さんは好印象でした。

 子供たちには厳しいお店もありまして、物を見てるだけで「買わないなら出て行けー!!」と、怖い店主もいました。買うとサービスも良いのですが、買わないで見ていると「出て行け!出て行け!」と言われまして、差別的に扱われたお店もありました。品揃えは良かったので、お金があるときは堂々と買いに行きましたが、子供たちの間では「あそこの店は‥‥‥」と、行く行かないの評判事も話していました。

 子供たちの間で評判が良かったのが、ここにあったプラモデル屋さんとクドー紙屋さんでした。物腰が丁寧でおっとりしてて怒らない。それをいいことに万引きをしたガキたちもいたみたいで、良くも悪くも甘え過ぎてやんちゃなガキもチョロチョロといました。クドー紙屋さんの奥さんは今でも、ボールペン1本買っても、紙に包んで手渡すこともあり、買い物のやりとりの暖か味は今でも現存しています。お肉屋さんお魚屋さん八百屋さんも今でもそのように行っています。

 この長椅子がまちのかたちにも見える「まちの腰かけ」です。

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