天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

やなせたかし

2013年10月17日 | 不易
SANSPO 2013.10.17 05:00

 13日に94歳で死去した漫画家、やなせたかしさんの“遺作”が発表されることが16日、分かった。責任編集の季刊誌「詩とファンタジー」24号で、19日に発売される。

 やなせさんは巻頭用に「もうおしまいです」と“遺言”を書き、本編用に死をテーマにした詩とイラストの2つの作品を完成させ、入院中だった9月上旬に編集者に原稿を渡していたという。出版元のかまくら春秋社社長、伊藤玄二郎氏は「残念だが、雑誌は続けたい。やなせさんのスピリットは受け継いでいくつもりだ」としている。

 やなせさんは今号巻頭の「編集前詩」で、「死ぬ時も/未熟のままで/かえって/よかったような/気もします」と心情をつづった。

 さらに「天命」と題した遺作では、侍と骸骨が対面する絵柄に「ゼロの世界へ/消えていくでござる」などと死を達観した言葉を並べた。もう一つの作品「チャーリー」では、道化師を登場させ「ぼくの人生喜劇/シリーズ/ついに全巻の終り」とユーモラスな文章の中に、死への覚悟を込めた。

本質は無関心

2013年10月11日 | Weblog
春秋 2013/10/11付 日経

 「言葉尻だけを捉えるのはつまらない話です」。政治家の言葉をやり玉にあげるマスコミに、6年前に死去した作家の城山三郎がくぎを刺した。ただ「その人の本質を表すような言葉が出たときには、それはもう容赦なく批判すべきですね」(「『気骨』について」)。
▼これから書く話は城山さんも分かってくれるだろう。安倍首相が水俣条約の会議に寄せたメッセージで「水銀による被害と、その克服を経た我々だからこそ、世界から水銀の被害をなくすため先頭に立って力を尽くす責任がある」と述べた。これに水俣病患者の側から「被害は克服されていない」と反発が出ているという。
▼「原発の汚染水はコントロールされている」という五輪招致演説に重なる何ものかを感じとった人も多いのではないか。国際舞台で、外向けに、日本の実力を誇って胸を張る。見えを切る姿は頼もしくさえあるのだが、国内で現にいま苦しんでいる人々へのまなざしが感じられない。考えてみればどちらも同じ構図である。
▼五輪を東京で開く。世界を水銀の汚染、あらたな水俣病から守るために指導力を発揮する。どちらも大義ある話だ。首相が国を引っ張るのも当然だろう。しかし、その公式発言に「コントロール」や「克服」が紛れ込む。二語に共通する何ものかは「言葉尻」なのか。いや、どうしても「本質」と思えてならないのである。

 「言葉を読んでいる」ということでしょう。「コントロール」している、「克服」したのは自分ではなく、関心もない。誰かが空想した言葉をそのまま読めるのは、そのことに関心がなく、知らないから。

従心所欲

2013年10月05日 | 不易

孔子「論語」為政第二

 

 

 

学を志し、自立すれば、惑わない。天命を知り、耳順えば、心の欲する所に従い、矩をこえない。

人間とは、そういうものです。         
                                     

心の欲するままに、「忠」、自分に忠実であり、矩をこえない、「恕」、人に思いやり。「心の中」、「心の如し」。

ひと「仁」、人に二つの心、「忠」と「恕」。

 

Do as you would be done by.

自分のしたいことをして、人にも同じようにさせてあげなさい。

イエスの言葉・新約マタイによる福音書第七章12節

世界のあらゆる宗教の心

人の脳は、そうすることで、いちばん喜びます。


弗盧胡獲、弗為胡成

2013年10月03日 | 不易
弗盧胡獲、弗為胡成
儒教 四書五経 書経(太甲下篇)
慮(おもんばか)らずんば胡(なん)ぞ獲(え)ん、為さずんば胡ぞ成らん
思慮深くなければ、どうして成果をあげることができるだろうか、いや、何ごとも成果をあげることはできない。断固として実行しなければ、どうして目的を達成するることができようか、できるはずはない。
殷(いん)王朝を支えた伊尹(いいん)という名補佐役が、殷4代目の帝である太甲(たいこう)を戒めた言葉。書経は、政治史・政教を記した中国最古の歴史書。堯、舜から夏・殷・周の帝王の言行録。堯舜禹(ぎょうしゅんう)は、中国の伝説上の聖王・聖天子。堯は天事を、舜は人事を司り、禹は治水など地を治めた。天地人で示される世界を統治する理想像を堯舜禹に擬人化、世界は「天地人三才」を説明する。
為せば成る 為さねば成らぬ 成る業を 成らぬと捨つる 人のはかなさ
武田信玄
生せは生る 成さねは生らぬ 何事も 生らぬは人の 生さぬ生けり
『上杉家文書』上杉鷹山書状
してみせて 言って聞かせて させてみる
山本五十六(武田家家臣山本勘助の子孫と伝えられる山本家の養子)
上杉鷹山は2007年(平成19年)に讀賣新聞が日本の自治体首長に対して行ったアンケートで理想のリーダーとして上杉鷹山が1位に挙げられている。アメリカ合衆国大統領第35代ジョン・F・ケネディや第42代ビル・クリントンが、日本人の政治家の中で一番尊敬している人物として上杉鷹山を挙げたとされる。(英文で発表された内村鑑三の『代表的日本人』の影響によるものと考えられている)。第26代大統領セオドア・ルーズベルトが、鷹山を知ったのは、新渡戸稲造が英文で出版した『武士道』を読んで。

毘沙門天

2013年10月02日 | 不易
音写旧訳毘沙門天、漢訳多聞天。

多くを聞いて、自分の二つの心と闘う。

上杉謙信は、毘沙門天を旗印にし、戒名は「不識院殿真光謙信」。「不識」ゆえ「多聞」、ゆえに「最強」

多くの武将が天下取りに奔走する中、謙信は、敵に塩を送り、領地を拡げることもなかった。曹洞宗、臨済宗、真言宗を学び、生涯無犯で子はみな養子。私利私欲を捨て、義を貫いた。

49年の生涯、晩春十三夜に詠んだ辞世の歌は

極楽も 地獄も先は 有明の

月の心に 懸かる雲なし