遥か彼方へ

行きかう年は旅人なり
いずれの年よりか、片雲の風に誘われ漂泊の思いやまず
我、前だけを見据え最期まで走らむ

戦争 人はなぜ殺し合うのか ~「NHKスペシャル」&「どうする家康」から

2023年06月27日 | 時事

昨今、個人レベルでもその動機が理解しがたい殺人が頻発し、人間には「殺戮願望」なるものが有るのかと思うほどだ。集団レベルでも、「ワグネル」などの民間軍事会社があって、刑から逃れられる、金がもらえるという報酬はあるにせよ、人を殺すことを生業(なりわい)とする集団もある。さらに、集団間、国家間の戦いになると「戦争」という名で公にも認められ多くの「敵」を殺すことが推奨される。 なんじゃ、これは? という思いはずっと持っていた。

 

その中で、先日見たNHKスペシャル「戦争 なぜ殺し合うのか」は当然のことながら非常に興味深かった。

 

副題は、脳内物質オキシトシン・人間の本能に潜む二面性 |   戦争 なぜ殺し合うのか 

👆「You Tube で見る」をクリックすれば、番組概要が短く紹介される。

 

しかし敢えて見られる方は少ないと思うので(笑)、私が要約すると

1.人間は猛獣等の外敵から個人の生命を守るため、仲間意識を育てて仲間集団で外敵に立ち向かうようになった。その集団行動を促す脳内物質が「オキシトシン」

2.オキシトシンは仲間意識を促進するだけでなく、仲間と非仲間の線引きを強化する。

3.この仲間と非仲間の「線引き」には、非仲間に対してはネガティブなイメージが付与されることがくく(鬼畜米英)、同時に攻撃的になりやすくなる。

4.この心理メカニズムで、集団間の戦いが昔も今も起こされるている。

 

猛禽類から身を護るため進化させてきたオキシトシンが、内には融和的に外には攻撃性を持たせるというパラドキシカルな二面性の指摘が、味噌で目新しい。

 

しかしこれだけでは、人間界は戦争から逃れられない無間地獄ということになってしまうので、番組では戦争から平和になる救済策をも示そうとしていた。

南スーダンでは、2部族間の戦争が続いたが、部族通しが共同で開墾したほうが豊かになるという機運が高まった。恨みも捨てる。兵士は職業教育をうけ、融和策が実現されたという例が出席された女性NPOの方から示された。仲間、非仲間意識を越えた共通の、共に利益を得る目標を実行するのが、戦争を無くす方策だ。番組の締めくくりでは、地球温暖化を防ぐグローバルな施策を各国が実行することがその例になるとの示唆があった。

 

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一方、週末の「どうする家康 築山へ集え」は、まるでこのNHKスペシャルを踏まえたように、戦を避ける方策そのものが展開されて驚いた。

 

▲ 瀬名の築山に踏み込んだ家康らに

 

▲ 瀬名は「途方もない計画」を明かし「同じ夢を見て欲しい」と訴える。

「私たちはなぜ戦いをするのでありましょう?」

「戦いをするのは貧しいからじゃ。民が飢えれば隣国から奪うしかない。奪われれば、奪い返すのじゃ」

「奪うのではなく与えあう。さすれば戦いはおきません。繋がりをもった大きな国をつくればいい。大きな国になれば信長も戦わないでしょう」

 

ということで、戦っているふりをして徳川vs武田がいったん停戦に入ったのは、御存知のとおり。

 

しかし、しかしだ。

▲ 信玄の後を継いだ、武田勝頼はそののち前言を翻して、「徳川は密かに武田と和睦した」と言いふらせと指示する。

「この世は戦いぞ。我らは戦いこそ生きる道だ。我が夢は天下を取る。信玄を越えることぞ」

 

NHKスペシャルではそこまでの指摘がなかったが、人間には威信、威厳を持ちたいという感情の虜(とりこ)になることがある。流行りの用語を使えばマウントを取りたい、オレのほうが優れているという優越感を持ちたいというやっかいな欲望だ。優越感では飯は食えない、経済的にはなんの得にもならない感情だ(笑)。しかし、これだけで戦争をやりたがる者もいる。

 

プーチンは、口には出さないが、大ロシア帝国の再興を夢見ている。国民の生活レベルを向上させる云々は二の次だ。ウクライナがNATO圏になるなんてことは絶対承服できない。先ずは国境に近い地域を、住民も文化も元々ロシアなんだからと勝手に「線引き」をして、国民にもその新たな線引を護る大義を洗脳し、「特別軍事作戦」を正当化している。もちろん、欧米がロシアを侵攻しようとしているというプロパガンダは忘れない。ウクライナはプーチン個人の威信追求の戦いに巻き込まれてしまった。

 

 

 

さて、我々はどうするべきか。

 

【無断転載自由】

東北・北海道キャラバンの準備で忙しいのに、こんなものを書いていいのかと思ったが。書いてしまった(笑)。ご笑読いただければ。

 

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『ひとりぼっちを笑うな』

2023年05月31日 | 時事

5月31日(水)

きょうのネットニュースで

「農作業、『ぼっち』とばかに」 長野の殺人容疑者、母親に動機説明:朝日新聞デジタル

「農作業、『ぼっち』とばかに」 長野の殺人容疑者、母親に動機説明:朝日新聞デジタル

 長野県中野市で、男女4人が殺害された事件で、警察官を射殺した殺人容疑で逮捕された農業の青木政憲容疑者(31)が、事件を起こした動機について、死亡した女性2人に「『...

朝日新聞デジタル

 

母親によれば

「一人で農作業をしていることを『ぼっち』とからかい、ばかにしてきた」ため、また

「勤務していたジェラート店で同僚から『ぼっち』とばかにされた」と

青木容疑者が語ったという。

そもそも大学も、周りと不適応で中退したと報じられているのはご存じの通り。

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山の会に入って和気あいあいと登ることより、自由勝手なぼっち登山が好きなボク。社内宴会が嫌いで自分の送別会もここぞとばかり断って退職したボク。うmmm。ボクも陰で『ぼっち』とばかにされていた、ばかにされているのだろうか ? ジェジェ (笑)。(いま笑ったでしょアナタ?)

 

これは無視できないと、だいぶ前に読んだ本をもう一度ひっぱり出して来た。

 

[蛭子 能収]のひとりぼっちを笑うな (角川oneテーマ21) 2014年 蛭子能収 著

 

僕は昔からひとりぼっちでいることが多かったし、友だちみたいな人もまったくいませんが、それがどうしたというのでしょう? ひとりぼっちでなにが悪いというのだろう? というか、むしろ「ひとりでいること」ののよさについて、みんなにもっと知ってもらいたい。友だちなんていなくていい。ひとりぼちだっていんじゃないかな。(序文から)

蛭子能収(えびすよしかず)の言いたいことは、ひとりぼっちでも、むしろ本人には十分に満足な人生が送られる ということだ。そりゃそうだ。当たり前だ。

 

しかし蛭子は、ぼっちのリスクとして

● 狂気は孤独の裏返し? という項目では

「俺は他の人とは違う」みたいな、上から目線での自分が特別な存在であるなんて、僕は思ったことがない。しかし、孤独感というのはその感情の裏返しの部分もあるように思えてなりません。自分は特別な人間なのに疎外されている、みたいな思考です。

それって、孤独に酔っているだけじゃないかな? 少し極端な考えかもしれないけれど、”孤独酔い”する人に関しては、最近では犯罪者にも多いような気がする。孤独であると思い込んで、そしてその孤独に開き直って、普通の人には思いもよらない過激な事件を起こしてしまったり。先日もアイドルの握手会の会場で、のこぎりで切りつけるといった事件(略)。 孤独を狂気に変換するなんて、あまりに自分勝手な行為で許せませんよ。

もしも孤独だと感じている人がいたら、あまり思い詰めないほうがいいんじゃないかな?「俺は孤独だ、孤独だ」と思い続けていると、それはいつの間にか得体の知れない狂気のような感情に変わってしまうものだから。

と指摘している。

 

ここからは、ぼっち旅人の勝手な考察。

この本が書かれた2014年は、特に若い方のあいだでの「友だち」偏重傾向が強くて、学校でもぼっちで昼食を食べるのが恥ずかしくてトイレで独り食べるという現象さえあった時代だ。

 

 便所飯のボッチくん

 

若いサラリーマンでも「空気を読む」ことが重要視された時代。まさに、その時代に青木容疑者も大学を中退した。しかし、友だちがいないのは悪、社会不適格者とする価値観は今でも和の国ニッポンでは多かれ少なかれ続いている。しかも、ボッチから狂気に変換するには、青木某の家柄は土地の名家ゆえに自分は特別な存在で「若、若」と呼ばれてもおかしくないのに、誰も注目せずにボッチ、ボッチと馬鹿にされていると思い込んでしまう心理があったのかもしれない。猟銃取得は弱い自我・劣等感を補完する行為だったろう。

ただ、当然だが名家のボッチがみんな狂気に走るわけではない。サバイバルナイフで平然と刺して、そのあと薄ら笑いをしている精神・心理は、怒り⇒暴力 の行動パターンを越えているのでは。語弊を恐れずに言えば、何らかの形質的障害があってそれが環境的に醸成されていき、特殊精神?の領域(破壊願望、殺戮願望)に入っていたのでは。

ここはいつも踏み込みが難しいタッチーな領域だが。 おい、犯罪心理学者がんばれよ。裁判所、サカキバラみたいに資料を廃棄するなよ、後世のため永久保存しろよ (笑)。

 

 

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ChatGPTを試してみた~人工知能がすぐそこに

2023年04月07日 | 時事
今、世界各国でその取扱いについて物議をかもし出しているChatGPTについて、物は試しと起動させてみた。
 
 
 
坂本龍一 の魅力について教えてください
 

坂本龍一は、日本を代表する音楽家・作曲家の一人であり、多彩な音楽活動で世界的にも高い評価を得ています。彼の魅力には、以下のようなものが挙げられます。

  1. 独創的な音楽性 坂本龍一は、様々なジャンルの音楽を取り入れながら、独自の音楽性を確立しています。例えば、彼の代表曲「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」は、和楽器をフィーチャーしたメロディーが印象的な楽曲です。また、映画音楽においても、個性的なサウンドトラックを提供しています。

  2. 多彩な音楽活動 坂本龍一は、音楽家としてだけでなく、映画音楽の作曲家や、国際協力に携わる活動家としても知られています。彼が手掛けた映画音楽には、世界的に有名な「ラストエンペラー」や「フューリー」があります。

  3. テクノロジーとの融合 坂本龍一は、音楽制作において最新のテクノロジーを積極的に取り入れ、音楽に新しい可能性を見出そうとしています。例えば、彼はノイズ音楽や電子音楽の分野でも活動しており、その独自の音楽世界を構築しています。

以上のように、坂本龍一の魅力は、独自の音楽性や多彩な音楽活動、そしてテクノロジーとの融合など、様々な要素から構成されています。彼の音楽を聴くことで、その魅力を存分に味わうことができるでしょう。

 

 有名人の訃報にふれると、「あの人ってどういう功績を残した人?」との思いが起きるだろう。ChatGPTに聞けば2秒で、簡潔にもっともらしく(笑) 即答してくれた。Google検索だと、ウダウダといっぱい記事が出てきて、自分で理解し、こちらのニーズに沿って要約する必要があり面倒 (笑)。

しかし、ChatGPTを多用すると、アホになりそうだ。

 

次に一番気になった使い方を試してみた。

gooブログのHNが旅人さんについてどんな人か教えてください。
 

gooブログのHNが旅人さんについては、私には具体的な情報はありません。HNというのは「ハンドルネーム」の略で、オンライン上で使われる名前のことを指します。したがって、旅人さんがどんな人なのかは、そのブログを書いている本人以外にはわかりません。旅行に関する情報を発信しているのか、趣味の旅行について綴っているのか、または名前だけが旅人で、実際には旅行には関係のない内容を書いているのかもしれません。そのブログを読んでみると、HNが旅人さんであるということを踏まえつつ、その人がどんなことを書いているのかがわかるかもしれません。

 

よかった。「本人以外にはわかりません」だとよ。知るためにはブログを読んでくれだとよ。一番恐れたのは、「旅人」の全記事から、コメントから「旅人」の人となりをAIが理解・判定してしまうことだ。また「旅人」本人とみなされる過去発信メール、投稿等をネット上から割り出して紐付けして、全体像を理解してしまうことだ。これは個人情報の完全な把握だ。まだ、そこまでは進んでいないようだが、これは可能だ。Face book などで実名で行動報告していると、AIは性格分析スコアリングを使って正確に性格判断できるように、いずれなるだろう。

そして、究極のChatGPTへの質問は、「〇〇〇嬢と△△△男との結婚マッチングは適切だと思いますか?問題点はなんですか?」になるかも。 もう、遅いか (笑)。

 

 

What is OpenAI's ChatGPT and Can You Invest? (Updated March 16)

 

 

ご参考:

 

国会で“初”  ChatGPTで岸田首相に追及(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース

国会で“初”となる、ChatGPTを利用しての質問が出た。質問する相手は、岸田総理大臣。一体、AIが作成した岸田首相への質問とは? そして、岸田首相の答えとは?

Yahoo!ニュース

 

 


偉大な旅路に出発された女王陛下

2022年09月10日 | 時事

 

エリザベス女王が9月7日に死去された。

 

 

付随的な話題で恐縮だが、それに伴い、紙幣・切手に載っている女王肖像も変更されるという。

英国紙幣・切手、女王肖像変更へ 国歌歌詞「キング」に(写真=ロイター)

英国紙幣・切手、女王肖像変更へ 国歌歌詞「キング」に(写真=ロイター)

【ロンドン=篠崎健太】英国ではエリザベス女王の死去による王位継承に伴い、女王が描かれている紙幣や切手などの肖像が今後、チャールズ新国王に変更される見通しだ。時間を...

日本経済新聞

 

女王の肖像自体は在位70年のあいだに、紙幣のモデルチェンジの機会を捉えて、歳に沿って変更はされてきたようだ。

それにしても、紙幣・コインにずっとエリザベス女王が大切なお金のモデルになり続けるとは!! 君主の地位が格段に高いということだろう。敬愛の対象でもあったのだろう。

 

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余談だが、聖書に「カエサルのものはカエサルに返しなさい。神のものは神にかえしなさい」とイエスが答えた有名なエピソードがある。律法学者がイエスを貶めるために、神への服従の他にカエサル(ローマ皇帝)にも納税=服従するのですかと問うたのだ。(マタイ22・15-22)

それに対しイエスは、カエサルの顔が載っているのだからカエサルに戻したらと、即意妙答したのだ。その答えの前提には、通貨には時の権力者の肖像を載せるということがあった。

 

現在の20ペンス硬貨。これらも、チャールズの肖像に切り替わるのだろう。

 

日本の小判に徳川将軍の顔が載ったり、1円紙幣に天皇陛下のお顔が載ったりは・・無い、無い。鋳造技術が無かったし、不敬罪になっただろう。

在位最長・国葬される安倍ちゃんがお札には?? わからん。やりかねない。(笑)

 

ネットではもう既に出回っている。

しかしその信用力が危ぶまれているとか。

 

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これまた余談だが、

ボクは、80年代のロンドン・シティーで、市場相手に売った買ったで夢中になっていた。

 

 

が、家内も一人息子もそれなりに生活を楽しんでくれたはずだ。

英国をあとにして30年近くになるが、それで英国と縁が切れたわけではない。英国からは、ほんのわずかだが年金を頂いている。死ぬまで女王様の英国とは縁は切れない。それが嬉しい。

 

~・~・~・

チャールズ新国王は9日に英国民へ初めての演説をした。

その、終わりの言葉は次のように報道されている。

 

「そして大好きなママ (darling mama)。大切な亡きパパのもとへ最後の偉大な旅路に出発なさるに(begain last great journey) あたって、これだけ言わせてください」 「ありがとうございます。私たち家族を愛して、尽くしてくださってありがとうございます。国同士の家族にも、長年あれだけ勤勉に尽くしてくださって、ありがとうございます」 最後に国王は、シェイクスピア「ハムレット」の終盤のせりふを引用し、こう結んだ。 「天を舞う天使たちの歌声で安らかに休まれますように

 

 

イギリス 国歌「女王陛下万歳」(神よ女王陛下を守り給え)(God save the Queen)

国歌も、まもなくGod save the King に変わる。

 

 

葬儀最後のセント・ジョージ礼拝堂にて

 

女王・英国は永遠に・・


遥かな思い出の断片

2022年07月27日 | 時事

民放TVは、こぞって統一教会の特集を組んでいる。

「それで信者は神様への献身の気持ちと、サタン(悪魔)への恐怖心から献金をしてしまう。『身も心もすべて捧げないと地獄に堕ちる』と信じ込まされているのです」

信者の心理的原動力になっているのが「サタン」という言葉。山上母にとっては、全財産を貢いででもサタンの恐怖から逃れたかった。しかし、普通の日本人には「サタン」という概念は分かりにくいし、なにか違和感が残るだろう。

 

幼年時代を振り返ってみると、

♫どーこの誰かは知らないけれど

誰もがみんな知っている

▲ 月光仮面のおじさんは正義の味方よ よい人よ

そして、ボクにとって、サタンとは「サタンの爪」だった。

 

 

▲ 月光仮面に対峙して悪事を働いたサタンの爪。

現代のサタンの爪は、北方にいる。

 

大学に入ると

▲ キャンパスでは

「すこしお時間ありますか?」とアプローチされて「ねーよ」と相手次第で応えた。

貧乏学生のボクは学生寮に入っていたが、そこでも原理研(原理研究会)サークルがあって「戦争はなぜ起こると思いますか」と迫られると、「オレは四角丸だ」とウソを言って追い払っていた。

 

米国に赴任していたとき

▲ 1992年8月 ソウルでの合同結婚式 

♫ようこそここへ くっく くっく

わたしの青い鳥

恋をした心にとまります

そよ風吹いて くっく くっく

便りがとどけられ

誰よりもしあわせ感じます

 

とボクのジュンコちゃんは文鮮明の選んだ相手と結婚してしまった。

 

最後にわれらのリーダーの思い出も、統一教会系の機関紙で辿ってみよう。

▲ 意気軒高な時の安倍首相

「美しい国」を目指したが道半ばで、教団 凶弾に倒れた。

山上息子にとって、サタンとは誰だったのだろうか。

♫どーこの誰かは言わないけれど

誰もがみんな知っている・・

 

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