7月13日(水)
7月13日 テレビ朝日 羽鳥慎一モーニングショー
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阿部元総理殺害テロの動機として、山上容疑者が「特定の宗教団体」に元首相が関係があると思ったゆえの動機は、犯行時の金曜日には比較的すみやかに報道されていた。アタマのおかしいヤツの個人的犯罪として世情の不安を鎮めるためだろう。しかし「特定の宗教団体」の名前を警察当局はその時も現在も発表していない。
しかし、土曜日にはネットニュースの一部では「特定の宗教団体」とは旧統一教会だということを報じていた。ウラ取りは簡単、容疑者の親類縁者からだ。統一教会のことは団塊世代であれば誰だって知っている(と思う)。統一教会は政治的には「勝共連合」を擁しウルトラ右派だということも。土曜日に報じないのは、統一教会の政治的な面が、翌日の選挙行動に影響を与えるからだろうと私は推測した。自民党にフェーバーかアンフェーバーかは統一教会の説明の仕方によるし、元首相がどう関わっていたかは慎重なウラ取りが必要でこれは時間を要するかもしれないと。警察が公表していないことを葵の御紋にして、黙り込んでいるのが得策と主要メディアは考えたのだろうと。知っていても頬かむり。
しかし、しかしである。投票が終わったあとも、月曜日にも、「特定の宗教団体」には頬かむりを続けたのは驚いた。元首相と統一教会の関係性について触れるのは、世論が元首相を悼む気持ちで一杯の世情の中で、得策ではないとの判断、忖度が働いたのだろう。下記記事が言う様に、新聞、TVは記者クラブから締め出されるという極めて「報道の自由」にももとる計算もあったろう。
しかし、またしかしだが(笑)、ほんと笑っちゃうのだが、火曜日に自らの組織防衛のためだろう統一教会が午後2時から記者会見するにおよんで、ようやく「報道するお墨付きを得た」とばかりに「特定の宗教団体」とは統一教会で・・ と報道し始めたのは御存知のとおり。
それでも、本日水曜日のテレ朝のモーニングショーの統一教会の報道の仕方は、変だ。「統一教会関連の報道」と「増上寺での葬儀」を何度も交互に流すのだ。普段はていうか常識的には、一つの報道ネタを一貫して流して、それとの関連性に触れて次の報道ネタに移るのが普通だが。おそらく、交互に流した(視聴者の混乱を無視して)手法の意図は、統一教会報道に偏っているという批判を避けるためだろう。だとしたら極めて姑息。そこには「報道の自由」への矜持はない。「報道の中立性」というより、批判リスクを避けたいというだけ。
私は、全部分かった時点で、どこまでは確かかは確認したうえで、全部流すのが自由国の報道だと思う。選挙前であろうがなんであろうが、判断するのは国民一人一人。分かっているのに報道を忖度して止めるのは、「戦中の勝った、勝ったしか言わない大本営発表」をオウム返ししていたメディアに再度つながる。
選挙後に「統一教会」の名前を一斉に報じ始めたテレビ・新聞が「報道機関としての自殺行為」と言える理由
MSN
今後の注目点は;
実は、10日(金)に山上が元首相を統一教会との関連でテロル前の、2週間前に、6月26日の9時からのNHK「日曜討論」で、N党の黒川幹事長が「安倍晋三氏と統一教会」の関係を唐突に指摘し、自民党茂木幹事長が個人の問題だから答えられないと、応えている。あの時は、N党のアホがまた国政と関係ない質問をして顰蹙を買う扱いだったが。改めて、N党がなぜ質問したのか詰める必要はないか? いまのところ主要メディアはこれも知らんぷりをしているが・・
安倍元首相の国民評価は、毀誉褒貶が激しかった。TV・新聞もその毀誉褒貶を担ってきたはずだ。死後報道で、自分らも煽ってきた毀貶の面に知らんぷりし、礼賛報道だけするのも恥ずかしい。今後バランスをとった評価に戻るか?
阿部元首相のUPFへ寄せたビデオメッセージをどう評価するか ? これを見た山上は・・
【日本語音声・高画質】統一教会系のイベントで流れた安倍晋三元首相のビデオメッセージ 2021年9月
抜粋;
「世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた、韓鶴子総裁をはじめ皆様に敬意を表します」
「UPFの平和ビジョンにおいて家庭の価値を強調する点を高く評価致します。世界人権宣言にあるように、家庭は社会の自然かつ基礎的集団単位としての普遍的価値を持っているのです。偏った価値観を社会革命運動として展開する動きに警戒しましょう」
特に後段はアイロニーだ。統一教会が、もろ偏った価値観で家庭単位を崩壊させていったことを阿部ちゃんは御存知なかったのだろうが、これを聞いた山上は激怒するだろう。振り返ってみれば、お友達の加計学園への便宜、森友学園への便宜、さくら出席者への便宜etc・・み~んな下の者が忖度してやったことで、そしておそらく、統一教会とUPFが同じだとは知らなかったと言い放ったであろう。都合が悪いことはご本人は御存知なかったと主張することで一貫している。(笑) しかし、この元首相の知らぬ存ぜぬ的対応をみた庶民の政治への不信、失望、怒りは着実に社会的に増幅していた。そしてそのツケが強迫症的な山上を介して今回、一番極端な形で廻ってきたとも解釈できる。 ご冥福をお祈りいたします。
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