昨年末イスラエルが、パレスティナのガザを攻撃して、5日には死者512人、死傷者合わせて3100人に上るという。
今朝のテレビで、アメリカのブッシュ大統領が、「ハマスが悪い」と言っているのを見て吃驚した。
田中宇さんの
「ガザ、中東大戦争の瀬戸際」の中に書いてあるところによると、
イスラエルが12月27日にガザを空爆し始めた時、イスラエルは前日にハマスと結んでいた48時間の停戦協定を破って空爆したからである。ハマスは、停戦期間中だったのでイスラエルの空爆を予測しておらず、無防備に集会を開いており、そこを空爆されて多くの死者が出た。空爆開始時、イスラエル軍の死者が異例に少なかったが、これはハマスが停戦の態勢で無防備だったからだろう。エジプトも、事前にイスラエルの空爆予定を知っていたが、自国のイスラム過激派の分派であるハマスに潰れてほしいと思っていたため、ハマスには何も伝えずにだました。
という事らしい。
このことをブッシュ大統領が知らないはずは無いのに、
一方的に「ハマスが悪い」というのである。
12月のはじめ、イスラエルとの停戦協定が切れたとき、
ハマスは、12月19日にイスラエルとの停戦協定が切れた後、イスラエルへの短距離ミサイルの発射を再開し、イスラエルを苛立たせた。
という経緯はあるかもしれない。
しかし50年にも及ぶ中東戦争のことを考えれば、恨みが恨みを呼び双方に恨みは充満していたであろうから、一方的にハマスが悪いとは言えないのではないだろうか?
直前に交わした停戦協定を破って、攻め立てたのはイスラエルなのに、
ブッシュ大統領は一方的に「ハマスが悪い」なのである。
私はこのニュースを見た時、江戸時代のお奉行様の言葉を思いださせられた。
「お上に楯突くとは、不届き千万・・・・・」という感じの言葉である。
イスラエルはアメリカが応援している国だから、
ブッシュ大統領にとって、イスラエルに楯突くと言う事は、アメリカに楯突く事であるということになるのだろう。
つまり「アメリカに楯突くとは不届き千万」という事になるのではないかと感じたのだった。
世界中を一つの国にするという考え方、グローバリズムの恐ろしい所でも有るかと思う。
ブッシュ大統領のような感覚で世界中が統治されたならば、
世界国家で幸せな国民は、トップの国の国民だけということになるのではないだろうか?
他の国々の国民は、搾り取られるだけで、不満を申し立てたりしたら、
「お上に楯突く」とは言わないまでも、国を混乱させようとしているとか言って、
成敗されてしまうというのがオチなのではないだろうか?
解体前のソ連に於いても、連邦とは言っても、ロシアと周辺の弱小国では待遇がかなり違っていたと聞いたことがある。
それに人間の能力には限りがあるのだから、どんなに優秀で善意の塊のような政治家であったとしても、
組織が大きすぎる為に、配下の不届きな行為に気づかない事もあるかもしれないし、間違った報告を鵜呑みにすることも有るかもしれない。
強欲で自己本位なだけの政治家だったりしたら、目も当てられない事になるだろう
やっぱり世界国家、グローバリズムは、止めて置いた方が良いのではないかと思ったのだった。
どうか中東大戦争になどなりませんように