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千葉県の比較的東京に近いベッドタウンで
関東ローム層の茶色い土の舞う畑と雑木林の町で育った。
それで当たり前で成長したけれど
修学旅行であるとか、家族のレジャーであるとかで
山に近い土地、海に近い土地に行く事があると
そんな土地に憧れた。
釣りの好きな叔父が
私たちの住んでいる町から40分ほど車で走った所の川に
毎週末のように連れて行ってくれたが
住んでいる町は本当に川の一つも無い乾燥した町だったので、
釣りに行く潤いのある水辺が楽しかった。
夏には蛍が飛んだし、祖母は足が悪いながらも
自動車のドアを開けて足を外に投げ出して待ち、
そばに来るイナゴを捕まえて佃煮を作った。
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風景という言葉を調べたら
目に映る広い範囲の眺めとある。