-写真の部屋-

奥野和彦

使い古しの写真論

2013-06-03 15:03:23 | 写真
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土曜日の野球が終わったあとの中華日増し屋で
昨秋の写真展を見に来てくれたコーチが言う。

「お金をかけた機材があって、お金をかけて
特殊な被写体を手に入れられれば撮れる、という
写真より、奥野さんの写真の方が好きなんですよね」

奥野さんの写真と言ってるけれど、世の中にそういう写真は
沢山あって、そのコーチにしてみれば
私の写真を「そういう写真」の例に挙げて好きと
言ってくれたのであって、ではどういう写真かというと

「何でも無いものをポンと切り取ってるんだけど
いいなあとこっちも思うんです。」と。

自分も30年前に1冊の「そういうモノクロ写真集」と
出会って、以来修行中の身なのである。

特殊でない普通の生活と言うか人生というか
その中から切り取る1枚だから共通性があるのかも
しれない。 或は昔同じような陽光の下で
同じような駅前の風景を見た既視感が重なって
懐かしさなどと伴って良いと感じるのかもしれない。

のだが、それは一度はまると強烈で
本当にその情景を見た事が記憶になっているのか
その写真を見た事が記憶になっているのか
分からなくなるくらい、写真によっては
強く脳のイメージに刻み込まれる。
そういう写真を撮りたいし、見せたい。

例によってこの写真論を誰が見るか、見ないか
鼻で笑うか、感心するか 知らないが
これまでして来た事、考えて来たことの覚えとして。
これからしようと思う事の出発点として。
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「SLOW CREEK」フォトアルバムにアップしました。
見に来て下さった方、改めてありがとうございました。
見てない方も、是非どうぞ。



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