-写真の部屋-

奥野和彦

お盆

2017-08-18 00:23:00 | 写真


お盆(ぼん)というのは
死んで、あの世にいった人たちの魂(たましい)が
私たちの世界に帰ってくる時期(じき)のことです。
だいたい8月15日がその日になっています。
と言っても目に見える何かになってあらわれはしません。
生きている者が心の中で思うこと。
亡くなった人達の事を思ってなつかしく話をしたり、
お墓(はか)まいりをしたりします。
日本の風習(ふうしゅう)として、それを大事に考えるので8月15日を中心に
会社もお休みにして自分の生まれた場所の
ご先祖(せんぞ)のお墓まいりに行く。これがお盆やすみです。

でも、それは同時に普段会わないおじいちゃんや
孫や親戚(しんせき)達が久しぶりに集まる楽しい時間でもあります。
また、お墓や田舎(いなか)が無いという家庭もありますから、
その休みを使って家族で旅行などして過ごす。
現代においてはそれがお盆休みの役割りと言えるでしょう。

田舎へ行くと、その年に亡くなった人のお盆は
盛大(せいだい)に行われます。
お坊さんがやってきて太鼓(たいこ)やカネをたたいて
「チンドンシャン チンドンシャン」やったり
親戚のばあちゃんやおばちゃん達がお坊さんに合わせて
お経(おきょう)を読み始めたりする。

子供たちは、「静かにしてなさい!」
とめったにしない正座(せいざ)もさせられて、
「何だよ〜、つまんないよ〜」かと思いきや

「おや?」
前に座ってるおじさんの動きが何だかおかしい。
足がしびれてんだね。ほら線香の順番なのに立ち上がれないよ、クククッ。」

お坊さんさ、あれ、まゆ毛、書いてない?
ホントだ。何で? 頭と一緒で薄いんだよ、クスクス。

…今誰かおならしたでしょ。
ヒソヒソ声で「静かにしなさいっ! 」
って言ってるかあさんも笑ってる。でしょ?でしょ?でしょ?

チン!ドン!シャ〜〜ン‼︎
うわぁ(一堂)ビックリ!

やっと終わって
よーし!海入るぞ〜、川行くぞ〜
ジュース飲むぞ〜、虫とり行くぞ〜

これが、日本の正しいお盆です。
来年の法事も楽しみになってしまう。
宿題をしたってまるで身に付きませんでしたが、こんな事は覚えています。
ウチの子供も全くこうでした。
それが良かったのか、大きくなっても墓まいりも普通の事だし、
年寄りや先祖のことを思う気持ちもなくはないようです。

そういう自分は、今年お盆も仕事が続きお墓まいりに行けていません。
8月のウチに近い方のお墓には自分が行って、
遠い方のお墓には長男が行って線香をあげてくるでしょう。

数日前、半日だけ自由な時間ができて
川へ行きました。いつものイタチくんの川より
ずっと遠くです。
素晴らしい小川に夢中になって釣り糸をたれていたら
軽トラだらけの田んぼには似つかわしくない
大きな外車がやって来ました。
ははあ、同じ趣味を持つ釣りの人が
また「何が釣れますか?タナゴですか?」と
来るのかな、と思いましたが自分のそばを通り過ぎ
100mくらい先の田んぼの中に立っているお墓に
おじさんとおばさんが
花と飾りを持って入っていってお参りを始めました。
田舎では自分の田んぼの一角にお墓を建てている家があります。
そこにお参りに来たのでした。

そこに線香(せんこう)のけむりが立ち上り、においがして来て
金紙(きんがみ)で作った飾りがひらひら揺れながら
お墓に飾(かざ)られました。二人が手を合わせて頭をさげる姿が
とても静かで厳か(おごそか)できれいで、今思えば
「なんで、それを写真に撮らなかったか!」

釣りをしているとダメなのです。
ゆいいつ、写真撮影(しゃしんさつえい)より
優先(ゆうせん)されてしまうのが
私の場合、釣りです。

皆さんはお盆は何かしましたか。
お盆をむかえる前に書けば良かったですね。

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