-写真の部屋-

奥野和彦

Hi-Pose126

2015-02-04 20:55:55 | 写真
自分が高校生の頃だったか
もっと後だったか弟の購読していた件の「学研」の付録で
「Hi-Pose126」というカメラが付いて来た。
と、これは数日前までの自分の記憶で、その後インターネットで
検索したらこれがヤフオクに出てたりするちょっとした商品であり
河合奈保子がキャンペーンをしていたということまでが
しっかり出ていた。

昭和57年の「中一時代」を購読するとついて来たとあるので
ウチにあるそのカメラの本来の持ち主は4つ下の弟であり
兄弟とも勉強をちゃんとしたクチではなかったのでカメラ欲しさに
購読をしたのではなかっただろうか。
残念ながらこのカメラに使う126フィルムというのが
一般には手に入りにくかった為、弟が使っているのは
あまり見た記憶がない。私もそれに目を付けて使い始めたのは
計算すると2年後で写真の事を勉強し始めてからのことだ。
冒頭の「使用時期」については記憶があっていた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/126フィルム
126フィルムというのはプラスチックのカートリッジに入っていて
同じく126インスタマチックカメラという規格のカメラに使う。
アマチュアが写真で失敗する第一の理由にフィルムの装填ミスがあるが
このインスタマチックシステムはカメラの裏蓋を開けてカートリッジを
パチンとはめて何度か巻き上げれば1枚目の撮影準備が完了となる。
同じ目的でさらにコンパクトな110フィルムを使う
ポケットインスタマチックカメラもあったし、この数年後、その
110フィルムカートリッジにパチンとレンズ部分をはめ込む
「トットちゃん」カメラ、さらには写るんです!に発展していく。
カメラにフィルムを入れるのではなく、フィルムにレンズを付けたのだ。

話を元に戻す。
撮り終わった126カートリッジのフィルムはそのままDPE屋さんに
持って行くと、数日後にカラーネガとサービスプリントになって
戻って来る。フィルム自体は35ミリだけどパーフォレーション(穴)
の空き方が違っていて、画面は正方形である。24枚撮り。
四角いカラープリントが少し新鮮だった。

Hi-Poseのカメラの仕組み自体は簡単で
1/125ぐらいで切れるシャッターとf8ぐらいの円形絞り板のついた
レンズ。簡単な1枚レンズなので撮れた写真は悪意なく
物のフチがにじみ、色加減もポラロイドみたいに微妙なかんじ。
やがて、この感じは「ロモ」に生かされて女の子たちが写真を
始めて、ガールズフォトという潮流も生まれて行く。

その当時、とにかく写真を撮るのが面白かった自分は
35ミリの1眼レフで当たり前にきれいに撮れる写真に少し飽きて
もっと荒っぽい手触りの写真が撮れないかと生意気に思っていた。
それが昨日書いた増感現像のことでもあるし
この、上手に撮れないレンズを1眼レフに使えないかと考えたりした。
他にも船橋のカメラ屋の店頭に並ぶジャンクカメラを買って来ては
テストをして遊んでいた。

実家が建っている路地の突き当たりに井戸水をくみ上げる2mぐらいの
タンクがあって私はカメラを手に入れるたび、その水道タンクを
被写体として使っていた。
屋外で陽がちゃんと当たり、もののエッジがちゃんと写るかどうか
まっすぐ立って動かないその被写体は便利だった。
そして、たぶんHi-Pose126でもそれを1コマ目に撮ったはずなのだ。
撮って、プリントになった給水タンク、色が不安定で、でも青い空の下で
赤い錆び止めペイントのタンクが写っている写真を手にしたはずだった。
そして、あったのだ。オレの「給水塔」が。









最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (EIZOU)
2015-02-06 11:10:20
わぁ! ちゃんとフエルアルバムに月毎に(?)整理してあるし.....。写っている物がタンク以外もちょっと変わってますね。
そうでした126はスクェアフォーマットでした。
35の伸ばし機のキャリアに挟めるので、モノクロプリントも出来ました。
でも前回の写真も良い写真ですね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。