中国では2010年に向けて再生可能エネルギーの割合を15%まで引き上げると報じられています。中国のエネルギー事情として、石油会社の状況を再度まとめておきます。
中国の国営石油3社のデータは以下のようです。
順に埋蔵量、生産量、売上高、当期利益です。
エクソンモービル 220億bbl 422万BD 35.1兆円 2.9兆円
中国石油天然ガス 183億bbl 252万BD 5.44兆円 1.4兆円
中国石油化工 38億bbl 84万BD 8.26兆円 0.45兆円
中国海洋石油 22億bbl 38万BD 0.77兆円 0.23兆円
国際石油開発 15億bbl 33万BD 0.48兆円 0.08兆円
比較のために日本の国際石油開発のデータも入れています。先日、国際石油開発と帝国石油は生き残りのため、合併するという報道がなされました。このデータをみると確かに今のままでは、国際競争に生き残っていけないことがわかります。国際石油開発は中国海洋石油(CNOOC)とは同じ程度の規模ですが、CNOOCは中国国内にも多くの資源を抱えていることを考えると当期利益の開きが大きいことが理解できます。
中国石油化工(SINOPEC)は中国石油天然ガス(CNPC)よりも売り上げが大きいですが、利益は少なくなっています。これは両社の事業内容によりますが、それは両社の歴史に関係しています。
1980年代には中国は石油輸出国で、日本も勝利原油や大慶原油を輸入していました。中国の原油は硫黄分が少ない代わりに窒素分が高く、重質という特徴を持っています。重質ゆえ価格は安い、しかし低硫黄なので脱硫装置の負荷は少ないということで、日本の石油会社にとっては比較的経済性の高い原油でした。しかし今中国では4割を輸入に頼るようになっています。この間の国内石油需要増加に対応するため98年に国内石油会社の再編を行っています。
再編以前は資源開発・生産には陸上部を担当する中国石油開発公司(CNODC)、中国石油(CNPC)と海洋開発のCNOOCがあり、石油精製はSINOPECが一手に行っていました。生産と精製を分離していたのですが、98年の再編ではこれらを垂直統合し、北西部11省と重慶地区をCNPCが担当し、残りをSINOPECが担当しています。CNOOCは引き続き海洋石油開発を行っています。
SINOPECはもともと精製会社ですから、埋蔵量は少ないですが精製能力が大きくなっています。それで石油製品(ガソリンや軽油)の売り上げが大きくなり売上高も大きくなっています。これに対してCNPCは埋蔵量が多く精製能力が小さいですから原油での販売もあり、売上高は少なくなっています。しかし、石油精製よりも原油生産の方が利益率は大きいですから、CNPCのほうが利益が大きくなっているわけです。
最近の中国の石油会社に関係する話題を挙げれば
・ユノカルの買収失敗
・アフリカスーダンの開発に進出
・シンクルードの中央アジア開発部門を買収
などがあります。
旺盛な国内需要に支えられてと言うべきか、人民からの必要に迫られてというべきかわかりませんが、ひたすら資源を求めて中国の石油会社は世界に出て行くようです。
中国の国営石油3社のデータは以下のようです。
順に埋蔵量、生産量、売上高、当期利益です。
エクソンモービル 220億bbl 422万BD 35.1兆円 2.9兆円
中国石油天然ガス 183億bbl 252万BD 5.44兆円 1.4兆円
中国石油化工 38億bbl 84万BD 8.26兆円 0.45兆円
中国海洋石油 22億bbl 38万BD 0.77兆円 0.23兆円
国際石油開発 15億bbl 33万BD 0.48兆円 0.08兆円
比較のために日本の国際石油開発のデータも入れています。先日、国際石油開発と帝国石油は生き残りのため、合併するという報道がなされました。このデータをみると確かに今のままでは、国際競争に生き残っていけないことがわかります。国際石油開発は中国海洋石油(CNOOC)とは同じ程度の規模ですが、CNOOCは中国国内にも多くの資源を抱えていることを考えると当期利益の開きが大きいことが理解できます。
中国石油化工(SINOPEC)は中国石油天然ガス(CNPC)よりも売り上げが大きいですが、利益は少なくなっています。これは両社の事業内容によりますが、それは両社の歴史に関係しています。
1980年代には中国は石油輸出国で、日本も勝利原油や大慶原油を輸入していました。中国の原油は硫黄分が少ない代わりに窒素分が高く、重質という特徴を持っています。重質ゆえ価格は安い、しかし低硫黄なので脱硫装置の負荷は少ないということで、日本の石油会社にとっては比較的経済性の高い原油でした。しかし今中国では4割を輸入に頼るようになっています。この間の国内石油需要増加に対応するため98年に国内石油会社の再編を行っています。
再編以前は資源開発・生産には陸上部を担当する中国石油開発公司(CNODC)、中国石油(CNPC)と海洋開発のCNOOCがあり、石油精製はSINOPECが一手に行っていました。生産と精製を分離していたのですが、98年の再編ではこれらを垂直統合し、北西部11省と重慶地区をCNPCが担当し、残りをSINOPECが担当しています。CNOOCは引き続き海洋石油開発を行っています。
SINOPECはもともと精製会社ですから、埋蔵量は少ないですが精製能力が大きくなっています。それで石油製品(ガソリンや軽油)の売り上げが大きくなり売上高も大きくなっています。これに対してCNPCは埋蔵量が多く精製能力が小さいですから原油での販売もあり、売上高は少なくなっています。しかし、石油精製よりも原油生産の方が利益率は大きいですから、CNPCのほうが利益が大きくなっているわけです。
最近の中国の石油会社に関係する話題を挙げれば
・ユノカルの買収失敗
・アフリカスーダンの開発に進出
・シンクルードの中央アジア開発部門を買収
などがあります。
旺盛な国内需要に支えられてと言うべきか、人民からの必要に迫られてというべきかわかりませんが、ひたすら資源を求めて中国の石油会社は世界に出て行くようです。