石原都知事が自動車の排ガスにはこんなものが含まれている、といって黒い粉末の入ったビンをかかげて、都内のディーゼル車に排ガス浄化装置を付けさせたのは記憶に新しいところです。
アメリカ環境保護局は、大気中のparticulate matter:PM (粒子状物質)の規制値改定を発表しました。大気汚染防止法(Clean Air Act)により5年ごとに規制の見直しが求められており、今回の改訂はそれに沿ったものです。
PMは粒経2.5μm以下のfine particleと2.5から10μmのcoarse particleの2種類に分けられています。日本では10μm以下の粒子とひとくくりにしていますが、アメリカでは健康被害のより大きい2.5μm以下を区分けしています。
1997年に定められた現在の規制値のうち、PM2.5の日間基準値を65から35μg/m3に厳しくしました。PM2.5の年間基準値15μg/m3とPM10の日間基準値150μg/m3は据え置きとし、PM10の年間基準値を取り消しました。これは健康障害とPM10の長期間暴露の間に明確な科学的関係が見出せないことによるとしています。
PM2.5の日間基準値が厳しくなったことに対して、産業界からはいくつかの反論がなされています。PMは工場のばい煙や自動車、特にディーゼル車の排ガスが原因となっていますので、この規制が強化されることは、石油、ガス、電力業界にとってはコストアップの要因になることは確かでしょう。
APIは35μg/m3という数値は不完全な科学的根拠に基づくものだとしています。NPRAは石油精製、石油化学会社を含むすべての産業にとって、コスト負担を強いるものと言っています。1997年の規制は予想以上の効果を挙げているのだから、今の段階でこの規制値を厳しくする必要はないではないか、今回の改訂により年間で$20-60Billionのコストアップになるという意見もあります。
一方、全米肺疾患協会は当然歓迎で、35μg/m3に厳しくすることで$9-75Billion、PM2.5年間基準を据え置くことで$20-160Billionの健康メリットが見込まれると主張しています。さらに日間PM2.5を25μg/m3、年間PM2.5を12μg/m3にすべきだとも言っています。
コストアップにつながるからという理由だけで反論する産業界もどうかと思いますが、健康メリットと製造コストアップを直ぐに金額換算して主張するところがいかにもアメリカ的といえます。
もう一つ付け加えるならば、科学的根拠が不明確であったとして一旦決めた規制値を取り消すことのできることもアメリカ的であります。
アメリカ環境保護局は、大気中のparticulate matter:PM (粒子状物質)の規制値改定を発表しました。大気汚染防止法(Clean Air Act)により5年ごとに規制の見直しが求められており、今回の改訂はそれに沿ったものです。
PMは粒経2.5μm以下のfine particleと2.5から10μmのcoarse particleの2種類に分けられています。日本では10μm以下の粒子とひとくくりにしていますが、アメリカでは健康被害のより大きい2.5μm以下を区分けしています。
1997年に定められた現在の規制値のうち、PM2.5の日間基準値を65から35μg/m3に厳しくしました。PM2.5の年間基準値15μg/m3とPM10の日間基準値150μg/m3は据え置きとし、PM10の年間基準値を取り消しました。これは健康障害とPM10の長期間暴露の間に明確な科学的関係が見出せないことによるとしています。
PM2.5の日間基準値が厳しくなったことに対して、産業界からはいくつかの反論がなされています。PMは工場のばい煙や自動車、特にディーゼル車の排ガスが原因となっていますので、この規制が強化されることは、石油、ガス、電力業界にとってはコストアップの要因になることは確かでしょう。
APIは35μg/m3という数値は不完全な科学的根拠に基づくものだとしています。NPRAは石油精製、石油化学会社を含むすべての産業にとって、コスト負担を強いるものと言っています。1997年の規制は予想以上の効果を挙げているのだから、今の段階でこの規制値を厳しくする必要はないではないか、今回の改訂により年間で$20-60Billionのコストアップになるという意見もあります。
一方、全米肺疾患協会は当然歓迎で、35μg/m3に厳しくすることで$9-75Billion、PM2.5年間基準を据え置くことで$20-160Billionの健康メリットが見込まれると主張しています。さらに日間PM2.5を25μg/m3、年間PM2.5を12μg/m3にすべきだとも言っています。
コストアップにつながるからという理由だけで反論する産業界もどうかと思いますが、健康メリットと製造コストアップを直ぐに金額換算して主張するところがいかにもアメリカ的といえます。
もう一つ付け加えるならば、科学的根拠が不明確であったとして一旦決めた規制値を取り消すことのできることもアメリカ的であります。