化学系エンジニアの独り言

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ハイブリッド車をエネルギーの中核にする方法

2007-09-16 | エネルギー
NY Tomesの記事からです。

この時期、アメリカ南部や中西部はハリケーンの襲来に一喜一憂です。2年前だったかのハリケーン、カトリーナとリタによる被害は記憶に新しいものがあります。そういえば、原油価格がついに80ドルをヒットしました。ハリケーンの時期と関係はあるのでしょう。もちろんこのまま一本調子で上昇するかどうかは分かりませんが、この一年ほどはおとなしかった原油市場も再び波乱の様相です。

ところで、ハリケーンによる停電の対応方法として、UPSを導入している家庭もあるようです。家庭用UPSはバッテリーと直流交流変換器から構成されています。これにより1時間くらいの家庭用電力がまかなえます。もちろん、バッテリーの容量を大きくすればもっと長時間の電力供給が可能ですが、バッテリーを大きくすれば価格も高くなります。

ハリケーンの停電は1時間くらいで復旧するわけはありません。電気がない状態で一夜を過ごす羽目になるわけです。ここで、ハイブリッド車の出番です。プリウスのバッテリーからUPSにコードをつないで、家庭用の電力をまかなうことができます。プリウスからは3kWの電力が供給できるので、エアコン以外の電力をまかなうことができます。

プリウスのエンジンをオンオフして(もちろん自動です)、ガソリンが続く限り家庭に電力を供給することができます。このようは利用方法はV2G(ベヒクル to グリッド)と呼ばれ、その効率に関して研究・検討が進められているそうです。

また、プリウスとグリッドの結合という意味ではプラグインハイブリッドも含まれます。深夜の余剰電力でプリウスにたっぷり充電しておき、その電力のみで昼間走行しようというものです。バッテリーを大型のものに変えれば、50kmくらいは走れるようです。深夜電力を原発電力とすれば、CO2排出抑制に大いに貢献していることになります。
このV2GシステムにはFCVをつなぐことも可能です。

なかなかに面白い方法と思います。

ところが、ホンダはV2Gには否定的のようです。ハイブリッド車のシステムはそのような利用方法を想定していないといっています。つまり、バッテリーがすぐにへたってしまって、ハイブリッド車自体にダメージが残るということでしょう。家庭用電源としてはガソリンエンジン発電機(たしかにホンダは発電機を販売しています)を利用したほうがよいといっています。
このコメントを読むと、やっぱりホンダはハイブリッド車に尻込みしているという気がします。