化学系エンジニアの独り言

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中国に学ぼう

2009-12-12 | 環境
中国は嫌いという機運があるように感じる。

もうすぐ日本は中国にGDP世界第二位の座を奪われるから、なんとなく面白くないと感じるのは確かだ。しかし、一人当たりのGDPで日本に迫ってくるのは相当先の話でしょう。

日本を差し置いてアメリカと米中関係を築き、これからの世界をリードして行きそうなので、気に入らないと思う人もいるでしょう。でも、これは現実ですからいくら日本のプレゼンスが低くなるとやきもきしてみてもしかたがない。中国を非難しても日本のプレゼンスが上がるわけじゃありません。自衛隊を胸を張って軍隊と呼べないようなおなしな国(国外から見れば)の仕組みを改めることの方が先でしょう。

中国は一党独裁だ、人権が尊重されない、民族紛争がある、格差社会だ、と指摘することで、世界のリーダーにはなれないと主張するのは無理筋というものです。

政権交代により混乱を極めている日本に比べて、中国共産党の方が外交問題をうまく対処していると見て取れます。
日本にも格差はあるし、いろいろな差別は存在しています。中国だけを避難出来る立場にはないでしょう。

考えてみれば、遣唐使、遣隋使の時代から日本は中国に多くを学びました。今使っている漢字も中国に教えてもらったものです。
中国が好きか嫌いかとは別に、中国に学ぶことはこれからも沢山あるはずです。

COP15で中国はCO2総量規制には反対して、GDP1単位あたりのCO2排出量を削減するというアイデアを出してきました。これはとても理にかなっている意見と思います。

成長期の中学生高校生にメタボが気になる中年の標準カロリーを当てはめさせるような今のCO2量規制は無理というものです。

GDP1単位あたりのCO2排出量の各国比較です。(ECCJ 2000年データ)
日本    92
アメリカ 250
ドイツ  128
フランス 145
中国   891

やはり日本はダントツに省エネ国家ですね。ドイツ・フランスも日本の1.5倍近いです。中国の数値は桁外れに大きいですが、逆に言えばこの数値を半分にするのはそれほど難しいことではなく、しかも効果が大きいはずです。

日本は欧州勢に賛同するような1990年比でCO2排出量削減という馬鹿げた基準を捨てて、中国の主張するGDP比排出量を基準とした削減案に賛成する方が良いはずです。日本にとって中国を見方につけるのは、国の利益にかなっています。
しかもこっちのほうが理にかなっています。

このアイデア、だめですかね。