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インドの風力発電

2006-10-03 | 再生可能E
インドと中国における風力発電の設備導入量増加が著しい。原油高を背景にコスト経済性がでてきたことと、発展途上国というよりは高度成長国といったほうがいいでしょうが、各国の経済発展事情が後押しをしているものと推察できます。

2005年度末の推計で、風力発電設備容量(累計)はインドが430万kW、中国が109万kWとなっています。おのおのの増加率はインドが48%、中国が65%です。ちなみに日本の設備導入量は108万kWですから、中国とほぼ同程度です。

これらの設備容量の数値から、インドの導入量が飛びぬけて高いことが分かります。インドも中国も発電燃料は石炭に頼るところが大きくなっています。両国の経済成長を支えていくためには今後ともエネルギー供給量を増加させなければいけませんが、これをすべて石炭に頼ることは環境面から許されなくなるだろうから、新エネルギー導入を進めようというものです。

インドにおける風力発電は石油価格$40/バレルで見合うといいます。また、$40/バレルを下回っても炭素税などの補助により採算性は確保されると予想されています。風力発電導入者の7割は企業ユーザーですが、残りは裕福層の個人・家族です。企業は信頼性の乏しい系統電源に代わるものとして風力発電をとらえています。インドにおける発電・配電事情はひどいもので毎日のように停電があるといいます。従って、企業はコスト高だがディーゼル発電に信頼性を頼っています。そこで、自家発電の一環として風力発電を導入しています。裕福層は税金控除を受けるために、導入しているといいます。これらのことが、インドにおける風力発電導入が高い理由の一つです。

もう一つの理由はインド国内に風車メーカーがあることです。Suzlon Energy社は売上げ202百万ドルを誇るインドの風車メーカーです。もともとは織物業でしたが、ドイツから購入した風車がうまく稼動しなかったため、自分たちでインドに合う風車を製造するようになりました。今では世界で5番目(Vestas,GE,Enercon,Gamesaに次ぐ)の風車メーカーに成長しています。インド市場はもちろんのこと、ミネソタや天津に工場を持ち、生産の8割は輸出用だそうです。ちなみに日本における国産風車のシェアは25%にとどまっています。

中国への輸出や工場進出について同社は懸念を持っていません。一般に中国への先端機械製品、プラントなどを輸出するとあっという間にコピーされることは周知の通りです。ところが風車の場合、10数社の中国風車メーカーがあるそうですが、中国メーカーは性能トラブルが絶えず、生産能力不足のため納期遅れが常態化しており、中国国内でも苦戦しているといいます。

さらにSuzlon社の風車は特異な部品を使用しているためコピー品を作るには2-3年はかかるといいます。中国勢がコピー製品を完成させる頃には、Suzlon風車は一段と改良されているので中国勢に負けることはないと言っています。

インドの風力発電は系統発電事情が悪いことと、強力な国産メーカーがあることで今後とも増加するものと予想されます。

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