ウェストバージニアにあるアメリカ電力会社のマウンテニアプラントは石炭火力発電所ですが、ここから排出されるCO2を分離回収し地中に貯留する、いわゆるCCS技術の大型プロジェクトが2008年に計画されています。これまで行なわれているCCS実証実験の12倍規模で行なわれるそうで、商業スケールといっても良いのでしょう。
このプロジェクトでは冷凍アンモニアにCO2ガスを吸収させて排ガスより分離する方式がとられ、分離されたCO2ガスは70気圧に圧縮され、地下9,000フィートの深さに注入されます。
考えてみればCO2分離技術は以前から多くの化学プラントで活用されています。例えば、水素を製造する水蒸気改質プラントでは、CO2を熱炭酸カリやMEAにより吸収、分離して回収しますが、このCO2は液化炭酸ガスとなりコーラなどの炭酸飲料の原料になっています。
一方、CO2を地中に注入することも原油回収方法の一環として利用されています。いわゆるEORという方法で、生産量の減少した油井戸にCO2を注入して地中内部の圧力を上げて原油をより多く汲み上げる方法です。
CCSはこれらの技術をつなぎ合わせるわけですから、現在の技術で出来ないことはないのですが、要はCO2処理という利益を生まないもののためにコストをかけなければならないということですから、出来るだけ低コストにする必要があります。低コストということはCO2処理に要するエネルギーを極力小さくすることとほぼ同義です。
この辺の状況はかつての公害対策(大気汚染防止や水質汚濁防止)と同じです。
現在一般的に行なわれている方法では発電出力の約三分の一をCO2処理のために浪費してしまうそうです。先のマウンテニアプロジェクトではこのエネルギーコストを15%に抑えることが目標となっています。
CCSに関しては直接的な技術課題、コスト課題のほかに別の懸念も指摘されています。それは、もし地中や海底に貯留したCO2が大地震の発生により地表に漏出した場合、一体誰が責任を取るのかという問題です。直接事業を行なっている事業体か、国か、あるいは誰も責任を取らなくてよいのかなどです。誰も責任を取らないということはないでしょうが、それに関連してCCSを行なっている事業体は保険に入れるのだろうかといったことも提起されています。
いずれも単純に解決できる課題ではありませんが、埋蔵量の豊富な石炭を利用する場合は避けて通ることができない問題です。
このプロジェクトでは冷凍アンモニアにCO2ガスを吸収させて排ガスより分離する方式がとられ、分離されたCO2ガスは70気圧に圧縮され、地下9,000フィートの深さに注入されます。
考えてみればCO2分離技術は以前から多くの化学プラントで活用されています。例えば、水素を製造する水蒸気改質プラントでは、CO2を熱炭酸カリやMEAにより吸収、分離して回収しますが、このCO2は液化炭酸ガスとなりコーラなどの炭酸飲料の原料になっています。
一方、CO2を地中に注入することも原油回収方法の一環として利用されています。いわゆるEORという方法で、生産量の減少した油井戸にCO2を注入して地中内部の圧力を上げて原油をより多く汲み上げる方法です。
CCSはこれらの技術をつなぎ合わせるわけですから、現在の技術で出来ないことはないのですが、要はCO2処理という利益を生まないもののためにコストをかけなければならないということですから、出来るだけ低コストにする必要があります。低コストということはCO2処理に要するエネルギーを極力小さくすることとほぼ同義です。
この辺の状況はかつての公害対策(大気汚染防止や水質汚濁防止)と同じです。
現在一般的に行なわれている方法では発電出力の約三分の一をCO2処理のために浪費してしまうそうです。先のマウンテニアプロジェクトではこのエネルギーコストを15%に抑えることが目標となっています。
CCSに関しては直接的な技術課題、コスト課題のほかに別の懸念も指摘されています。それは、もし地中や海底に貯留したCO2が大地震の発生により地表に漏出した場合、一体誰が責任を取るのかという問題です。直接事業を行なっている事業体か、国か、あるいは誰も責任を取らなくてよいのかなどです。誰も責任を取らないということはないでしょうが、それに関連してCCSを行なっている事業体は保険に入れるのだろうかといったことも提起されています。
いずれも単純に解決できる課題ではありませんが、埋蔵量の豊富な石炭を利用する場合は避けて通ることができない問題です。
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