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発電所と送電線が別の会社になる。発送電分離

2020-04-02 | エネルギー
今日4/1から電気の発送電事業が分離されました。エイプリルフールではありません。でも、毎日お家で電気を使っている消費者としては、なんだか良く分かりません。

電気はそもそも住んでいる場所に一つしかない電力会社から買うしかありませんでした。東京なら東電、北海道ならほくでんという具合に。その昔は電力会社はたくさんあったそうです。しかし、電気のような重要なインフラは、会社が倒産して明日から電気が使えなくなる、となったら困ります。なので、地域の電力会社を一つにまとめて、そこに独占的に電気事業をやってもらうようになりました。独占ですから倒産することはなく、明日から電気が来ないという事は無くなります。但し、国としては勝手に電力料金を決めさせるわけにもいかないので、電力料金の改定には国の許可がいることにしました。

電力会社は発電にかかったコストを計算して、適正利潤(もうけ)を乗せた電力料金を国に示して許可してもらうという仕組みです。これで日本の電気の安定供給が出来ました。ところが、独占はいいことばかりではなくて、いい加減な会社運営をしても利益が確保できるという事の弊害がだんだん出てくるようになりました。電力会社の電気よりも自家発電したほうが電気代が安くなる、、といった事が大企業を中心に出来るようになります。

そこで外国の例を参考にしながら、発電、送配電、小売の各分野を自由化、要は電力会社以外でもやっていいよ、そのほうが競争原理が働いて一般の電気も安くなるという方向を目指すようになりました。いまではENEOSでんきとか東京ガスとか東電以外から電気を購入している家庭も多いと思います。また、電力会社の大型発電所で電気を作るだけでなく、風力や太陽光発電の電気もどんどん使っていこうとなりました。

ということで、発電元の自由化、小売の自由化が進みました。ここで発電した電気は送電線に繋がないといけません。電気を買うには送電線から電線を自宅に繋げる必要があります。でも送電線が自由化されないと、安く作った電気も安い価格で家庭に届かないことになります。じゃー送配電事業も自由化するか。待てよ。送配電事業も自由化してしまったら、電力の安定供給を誰が責任持つんだ。ということで、送配電事業だけは国がしっかりと監視する方が良いだろう。なので、発電、小売は自由化したので自由化出来ない送配電事業は既存の電力会社から切り離すということで、発送電分離となったわけです。

例えば今日から北海道ではほくでんと別にほくでんネットワークと言う会社がスタートしました。新会社は送電線の維持管理と配電(どこの発電所で発電した電気をどこに送るか)が主な事業です。資本金はほくでんの1142億円に対してほくでんネットワークは100億円です。会社の規模としてはずいぶん小さいのですが、配電の役割は非常に大切なものです。

この送発電分離システムが上手く機能することを期待しています。と同時にエネルギーは重要な社会インフラでありそれを担うということは、利益追求とは違う側面もあるという矜持を持った会社が発電、小売事業に参入してくれることを願ってます。今が儲かりそうなチャンスだから参入する、だめなら撤退するという業界ではありません。


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