27日、米シンシナティで開かれた集会で並び立つクリントン前国務長官(左)とウォーレン上院議員
(ロイター)
11月の大統領選で民主党の候補者指名を確実にしているヒラリー・クリントン前国務長官が27日に開いたオハイオ州での政治集会に、反ウォール街の旗手として知られるエリザベス・ウォーレン上院議員が初参加した。ウォーレン氏は中間層からの人気と鋭い舌鋒で副大統領候補の一人として名前が挙がっており、クリントン氏の「最新兵器」(CNNテレビ)になるとみられている、ウォーレン氏は集会で、共和党の候補者指名が確定した不動産王、ドナルド・トランプ氏を「自分のためにしか戦えない小さくて臆病な守銭奴」「欲望と憎しみに突き動かされている、批判を受け止められないガキ大将」などと痛烈に批判。「クリントン氏はあなたたちのために戦っている」と強調して、クリントン氏支援を明確にした、ウォール街との近さで批判されるクリントン氏にとって、2008年のリーマン・ショック時にハーバード大教授として金融機関を厳しく批判して注目を浴びたウォーレン氏の支援は大きな意味を持つ。これまでウォーレン氏はクリントン氏と距離をとってきたが、6月に入って候補者指名を確実にしたクリントン氏への支持を表明していた、クリントン氏は集会で、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のような悪い貿易協定を拒否することで米国の雇用と労働者を守る」と演説。さらに中国による鉄鋼製品のダンピング(不当廉売)も批判した。民主党と共和党の支持が拮抗する「激戦州」のひとつであるオハイオ州で、中間層への配慮をアピールしたかたちだ