台湾の蔡英文政権への圧力を強めている中国政府はここ数年、理不尽な理由で台湾産パイナップルや高級魚ハタなどへの禁輸措置をとってきた。苦境に立たされた台湾の農水産業を支援しようと、日本の貿易関係者は積極的に台湾産品の受け入れを進めている。パイナップルの輸入は軌道に乗ったが、ハタはいまだに苦戦中だ。主要産地の屛東(へいとう)からその現状を報告する。(屛東 矢板明夫、写真も) 台湾高速鉄道の最も南に位置するターミナル駅「左営」から車でさらに南へ約1時間走ると、台湾最大のパイナップル産地に到着する。5月下旬のある午後、屛東県内埔郷(ないほきょう)の農園で数人の若者が雑草取りにいそしんでいた。地元の果物農家を取りまとめる龍潭(りゅうたん)果菜生産合作社(組合)の理事長、何秉洋(か・へいよう)氏は「台湾も最近、農家の後継ぎ不足に直面している。ここで働いているのは、フィリピンやインドネシアから来た研修生が多い」と話す。 この農園で生産するパイナップルは日本へ輸出する予定だ。屛東県では毎年12万トン以上のパイナップルが生産され、台湾全体の約3分の1を占める。
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全日本空輸は1日、令和6年春に卒業予定の大学生らを対象とする筆記試験や採用面接の解禁に伴い、事務職や技術職のオンライン面接を東京都内で開始した。また、4年ぶりとなる客室乗務員の面接も6日から開始する。 新型コロナウイルス禍の打撃を受け、全日空は3~4年春の新卒採用はパイロットなどに限定していた。5年春から事務職や技術職の採用を再開したが、客室乗務員は国際線の低迷などを理由に見送っていた。減便が影響し、畑違いの会社に出向するなど、新型コロナ禍の下で客室乗務員の働き方は激変していた。 新型コロナの感染症法上の分類が「5類」に移行し、空港利用の本格回復に備え、6年の新卒採用は約610人と、5年入社の約7倍を計画する。そのうち客室乗務員は約430人を採用予定という。 現役の客室乗務員の北脇里佳さんは「航空業界はつらい時期を過ごした。これから力を合わせてはい上がっていける方と働きたい」と語った。(梶村孝徳) 産経新聞
塩野義製薬は1日、令和2~12年度の中期経営計画を改訂し、売上高に当たる売上収益の12年度の目標を、従来の6千億円から8千億円に引き上げると発表した。新型コロナウイルスの流行が今後も継続し、昨年11月に緊急承認された飲み薬「ゾコーバ」をはじめ治療薬は需要が引き続き見込めると予想して、持続的成長の柱に位置付けた。 ゾコーバについては、承認された軽症・中等症患者への処方に加えて、発症予防や後遺症リスクへの効果を検証。海外でもアジアのほか、6年度以降に欧米での供給を目指す。 新型コロナ治療薬としては、今年5月に国内で第1段階の臨床試験(治験)を開始した、より飲みやすい飲み薬の開発も進める。 またロイヤルティー収入が好調な抗エイズウイルス薬の分野をさらに伸ばす。ワクチンについても、昨年11月に申請した新型コロナワクチンなどを新たな成長の原動力として掲げた。
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~葛飾北斎の最大の作品 岩松院本堂天井絵「鳳凰図」を300億画素のデジタル技術で再現~
NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]にて「Digital×北斎」特別展「大鳳凰図転生物語」を開催いたします。
- 株式会社NTT ArtTechnology(代表取締役社長:国枝 学、以下「NTT ArtTechnology」)が株式会社アルステクネ(代表取締役社長:久保田 巖、以下「アルステクネ」)と連携してデジタル化を行った葛飾北斎最大の作品、岩松院(長野県・小布施町)※1本堂天井絵「鳳凰図」(八方睨み鳳凰図)を、300億画素のデジタルデータを活用して、実物大で完全に再現する展示を行います。
- デジタル化の過程で得られた様々な発見についてもご紹介するとともに、それらの発見に基づいて考察・制作した、葛飾北斎が目指していたと思われる「鳳凰図」を、岩松院の本堂を再現した空間の中で体感する作品としてご紹介いたします。
5月30日に「らくらくホン」などのスマートフォン端末の製造を手がけるFCNT(神奈川県大和市)が経営破綻し、日本の携帯電話メーカーは〝風前のともしび〟となっている。5月には京セラなどもスマホ事業から撤退を決め、残った大手のソニーグループも海外勢に押される。米国のアップルやグーグルなどが大量生産でコストを抑えて製造する高性能端末に勝てず、国内のスマホ市場は実質的に海外勢が独占しそうな勢いだ。 FCNTは、富士通の携帯端末部門から独立したメーカー。高齢者らを念頭に使いやすさを重視し、スマホの高性能化が進む中であえてシンプルな端末を提供する戦略を打ち出したが、割安で操作もしやすい海外製スマホの登場によって業績が悪化した。帝国データバンクによると、関連会社を含めた負債総額は約1200億円に上る。 他にも国内では今年に入り、5月12日にバルミューダがスマホ事業からの撤退を表明。同15日には京セラが、個人向けスマホ事業からの撤退を表明した。国内市場でアップルに次ぐシェア2位のシャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下のため、残る国内大手は実質的に「エクスペリア」シリーズのソニーグループのみとなる。 国内企業が苦戦を強いられているのは、世界販売を前提に大量生産を実現した海外勢との競争に勝てないためだ。スマホの登場以前、国内では10社以上のメーカーがしのぎを削ってきたが、国内向けの開発に注力したため、世界進出には失敗。独特の生態系を持つガラパゴス諸島になぞらえた「ガラケー」の呼称が、その象徴となった。昨年から続く円安や半導体不足などによるコストの高騰も追い打ちとなり、相次ぐ撤退につながった。 最後のとりでとなったソニーはエクスペリアシリーズを国内外で展開しているが、販売は芳しくない状況だ。ただ、同社はスマホのカメラに搭載される半導体「イメージセンサー」の金額ベースの世界シェアでは約5割を占める。設備投資を拡大し、2025年度に60%のシェア獲得を目指すという。(根本和哉)
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