交詢社オープンフォーラムに登壇した高市早苗経済安全保障相=11日午後、東京都千代田区(岩崎叶汰撮影)
高市早苗経済安全保障担当相は11日、機密情報の取り扱いを有資格者のみに認める「セキュリティー・クリアランス(SC、適格性評価)」について、「先進7カ国(G7)と『ファイブアイズ』で通用する産業技術版の制度をどうしても作りたい」と述べ、G7や米英など英語圏5カ国で機密情報を共有する枠組み「ファイブアイズ」並みの情報保全レベルを踏まえた制度化を急ぐ考えを示した。
東京都千代田区の大手町サンケイプラザで開かれた第14回「交詢社オープンフォーラム」(産経新聞社後援)で、「経済安全保障を考える」をテーマに講演した。
G7でSCがないのは日本だけだ。高市氏は、日本企業が先端技術の国際共同研究などに参加できずにビジネスチャンスを逃していると指摘し、制度未整備のままでは「世界での競争に勝ち抜けない」と危機感を示した。
一方、民間も含め、資格が付与される対象者には事前の身辺調査が必要となることから、人権上の観点で議論となることが予想される。高市氏は民間の取り組みを後押しするためにも「国の法律として定めることが必要だ」と述べた。そのうえで、「SCを作り、日本の経済のパイを大きくすることが全世代の安心感につながる」と意義を強調した。
昨年5月に成立した経済安保推進法は重要物資のサプライチェーン(供給網)強化▽先端的な重要技術の開発支援▽特許非公開▽サイバー攻撃などに備える基幹インフラの事前審査-の4本柱で構成される。
サプライチェーンの強化策として国が安定確保に取り組む「特定重要物資」に関しては、「(政府が指定した半導体など)11分野だけで十分なのか」と述べ、さらなる追加を含めた見直しを検討する考えを示した。重要技術の開発支援では、国産の高性能ドローンの開発や、宇宙での衛星を利用した情報収集の強化の重要性も強調した。 急速に進化を遂げる生成人工知能(AI)にも言及し、ロシアのウクライナ侵略などで利用された偽情報の拡散を例示し、「偽情報を完璧にはじき、情報の出典も明確にできるような生成AIの開発を国産でやりたい」と意欲を示した。<iframe id="google_ads_iframe_/6974/SankeiNews/Inread_0" tabindex="0" title="3rd party ad content" role="region" name="google_ads_iframe_/6974/SankeiNews/Inread_0" width="1" height="1" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" aria-label="Advertisement" data-google-container-id="b" data-load-complete="true"></iframe>
産経新聞