岸田文雄首相は2日午前、長男の翔太郎氏が公邸内の公的スペースで親族と記念撮影をしたことで政務担当秘書官を辞職した問題に関連し、新たに首相自身が写った写真が一部週刊誌で報道されたことを受け、「私的なスペースにおいて親族と同席したものだ」と説明し、問題はなかったとの認識を示した。「公的なスペースなどにおいて不適切な行為はない」とも述べた。官邸で記者団の取材に答えた。
産経新聞
昨年12月に首相公邸内であった忘年会に岸田文雄首相が参加し、自らも記念撮影していたとする記事と写真が2日発売の写真週刊誌フライデーに掲載された。首相は2日、首相官邸で記者団に、忘年会への同席を認めたうえで「公邸の中には私的なスペースと公的なスペースがある。公的なスペースで不適切な行為はなかった」と釈明した。 写真には、首相や裕子夫人、長男の翔太郎氏ら18人が写っていた。忘年会を巡っては、首相秘書官だった翔太郎氏が親族と開き、その際、新閣僚の記念撮影を模したような集合写真などを撮影したと週刊文春が報道。1日付で翔太郎氏は首相秘書官を辞職した。【池田直】 毎日新聞
首相公邸内での不適切な行動が批判された長男の翔太郎首相秘書官(政務担当)について、岸田文雄首相は5月29日になって更迭を表明した。この騒動を見て、中世フィレンツェの政治思想家、マキャベリの著書『君主論』の次の言葉を思い浮かべた人は少なくないことだろう。
「君主にとって、秘書官を選定することはけっして軽々しいことではない。君主の思慮一つで、よい人材が得られることがあり、また、そうでない人物が用いられることもある。そのため、ある君主の頭脳のよしあしを推測するには、まず最初に君主の側近を見ればいい」(池田廉訳)
組閣の記念撮影にも使われた赤いじゅうたんが敷かれた階段で、翔太郎氏が前列中央に納まって撮影された集合写真などを週刊文春が同24日に電子版で最初に報じた問題である。
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