そらまめくんのベッド
なかや みわ作 福音館書店
そらまめくんの たからものは このベッド。
くものように ふわふわで、わたのように やわらかい。
「あっ、もう あさだ!」
そらまめくんが とびおきると、
えだまめくんが やってきて、 いいました。
「そらまめくん、ぼくも このベッドで ねむらせておくれよ」
「だめ、だめ。これは ぼくの たからものだもの」
つぎに、グリーンピースの きょうだいが やってきて、いいました。
「そらまめくん、ぼくらも そのベッドで ねむってみたいなあ・・・」
「だめ、だめ。そんなに おおぜいでは ベッドが こわれてしまうよ」
さやえんどうさんも やってきて、 いいました。
「そらまめくん、わたしも そのベッドで ねむってみたいわ」
「だめ、だめ。きみには おおきすぎるよ」
ピーナツツくんも、いいました。
「そらまめくん、ぼくも きみの ベッドで ねむらせてもらえないかい?」
「だめ、だめ。きみは じぶんの かたい ベッドが おにあいさ」
そらまめくんは じぶんの ベッドを だれにも つかわせようとはしません。
そんな あるひ―
あつ!
ベッドが ない!
そらまめくん、あわてて あたりを さがしました。
「ない、ない。どこにも ないよ―」
えだまめくんと グリーンピースの きょうだいと
さやえんどうさんと ピーナツツくんにも きいてみました。
「しらないよ」
「ぼくも しらない」
「わたしも しらないわ」
みんなは くちぐちに いいました。
「どうしよう。ぼくの ねむるところが ないよ」
そらまめくんは、ひっしで ベッドを さがしましたが
みつかりません。
それを みていた みんなは、
「ぼくらに ベッドを 貸してくれなかった ばつさ」
と いいあいました。
(つづく)