田中康夫氏、小沢氏擁護論を寄稿 民主広報紙に(朝日新聞) - goo ニュース
田中氏ほど脱・談合を実践してきた人を私は知らない。
「脱・談合知事」田中康夫 (扶桑社新書)
チームニッポン特命取材班,田中 康夫
扶桑社
24 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 脱・記者クラブでマスコミも敵になった, 2007/3/21
By dejima2001 - レビューをすべて見る
本書は長野県知事を二期つとめるも、三期目を迎えることが出来なかった田中康夫氏が
長野に何をもたらしたのか、特に談合における攻防に焦点を当てたものである。
全6章のうち4章までが談合を知る者や何らかの形で田中知事に関わった人たちによる証言から成る。
まず「なぜ談合をするのか」に始まり、次に「なぜ談合がなくならないのか」が示される。
そして田中知事がそこで何をしたのか、どう評価するべきかが語られる。
田中氏の改革は、指名競争入札から一般競争入札への変更だ。
この手法は識者から示されることは多いが、徹底したのは長野と宮城だけである。
「徹底する」ということが大切なことで、
一般競争入札と言いながら参加できる業者に条件を付けることで参加業者数を絞り、
(意図的に)談合を容易にしている自治体が大半であるのが現状だ。
田中氏は既得権益を破壊したから大きな反発を招いた。
入札改革のみならず、マスコミに対しても「脱・記者クラブ」宣言したものだから、
既存の大マスコミも敵に回してしまった。
かくして田中知事はワイドショー的な扱いを受けることになり、政策の評価は隅に追いやられた。
新聞とテレビしか見ない人にはただ騒動の渦中にいる人としか映らなかったかもしれない。
しかし任期中に借金を923億減らし、収支を黒字に転じたことこそ評価されるべきではなかったか。
泰阜村村長・松島貞治氏が語るところに選挙での敗因が要約されていると思う。
すなわち、田中氏は政治家としては優れていたが、組織の長としての掌握が十分でなかった。
そして、県民がその政策を評価するだけのレベルに達していなかったことが問題だと。
長野県民の選択を見ると、早すぎた知事だったのだろうかという思いがわいてくる。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 ダムを連呼すると…ダムダム駄…地方の利益2割だけだから, 2007/6/8
By ブリキ男 - レビューをすべて見る
まず本書で知った田中康夫・元知事の功績を紹介する。
1●全国初の30人学級
2●コモンズハウス宅幼老所
3●黒字化(6年間で借金923億円減
4●入札制度改革(落札率の大幅カット
3・4については、84p101pなどの表を開くと一目瞭然だ。構成は1~4章までが業界関係者のインタビュー集。匿名ではコンサル社長や記者・土木部職員。実名ではゼネコン課長・村長・弁護士などが、談合と天下りの実態を語っている。
僕はこの本で「落札率」という言葉を知った。
発注側の予定価格を100%とすると。談合がまかり通ったこれまでは、ほとんどが95%とかだった。だが実際の採算ラインでは80%で充分。とすると今まで、ゼネコンなどは15%余分に儲けて、住民は15%割高に負担していた事になる。
この落札率は、脱ダム断行で一時は70%を切るまで落ちた。カルロス・ゴーンもびっくりのコストカットだ。だから長野では教育と福祉の予算を厚くできた。
談合は必要悪だ波及効果で地元が潤うじゃないか、という反論もある。
しかしそれは、どうやら時代遅れの論理のようだ。
経済学では、パレートの法則という経験則がある。
世界の80%富は、一握り20%の人間が握っている、ある会社の利益は、20%精鋭だけで80%利益を生み出す、という80:20法則だ。ミツバチの法則と似てるね。アマゾン的に例えるとロングテールか。
公共工事と波及効果にも、このパレートは当てはまる。
つまり地方の失業率を抑えたいので波及を見込んで余分にダムを造ったとしても、利益80%は元請の東京ゼネコンが持っていき、地元の孫請企業に残るのはわずか20%だけ。これじゃケインズもびっくり、なんだ地方には波及ぺらぺらじゃん、となる。
木製ガードレールも面白いな。寡占状態の鉄製市場を崩せるナイスアイデア。
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17 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 田中康夫はやっぱり物書きであるべき, 2007/3/5
By 高山市のKY (岐阜県高山市) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)
2000年の長野県知事選で初当選、その後県議会と衝突したり、不信任決議などの紆余曲折を経て、ついに2006年の知事選で惨敗に終わった田中康夫が知事を退いた後に初めて出した本である。
宮崎県の官製談合をはじめ、名古屋市の地下鉄工事での談合など、「談合」という言葉をマスコミで聞かない日は無い位であるが、談合無くして地方自治は成り立たないのであろうか?この本はそんな疑問に一石を投じる内容でもある。
また、最近やたらにマスコミに取り上げられる事の多い夕張市の破綻についても触れられている。実際に田中氏は夕張を訪れてその市民生活の厳しさを訴えている。これは他の自治体も本当に他山の石とせねばならない問題でもある。
それから、田中氏本人ばかりが色々と述べているのでは無く、田中氏が住民票を置いた長野県泰阜村の村長が田中県政について述べていたりなど、第三者が見ているのも面白い。
こうしてこの本を興味深く読んでいると、田中氏は知事時代に新党日本などを立ち上げたりしたりなど、いらん事をしたのはたまに傷であるが、それでも前の知事がこさえた長野オリンピックでの膨大な借金をかなり減らしたり、脱ダム宣言を打ち出したのは評価に値すると思うが、それでもこの人は知事というリーダーでは無く、第三者的な観点で物を言う立場(具体的に言えば物書きなどの)が相応しい人なんだと改めて思った。
田中氏ほど脱・談合を実践してきた人を私は知らない。
「脱・談合知事」田中康夫 (扶桑社新書)
チームニッポン特命取材班,田中 康夫
扶桑社
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5つ星のうち 4.0 脱・記者クラブでマスコミも敵になった, 2007/3/21
By dejima2001 - レビューをすべて見る
本書は長野県知事を二期つとめるも、三期目を迎えることが出来なかった田中康夫氏が
長野に何をもたらしたのか、特に談合における攻防に焦点を当てたものである。
全6章のうち4章までが談合を知る者や何らかの形で田中知事に関わった人たちによる証言から成る。
まず「なぜ談合をするのか」に始まり、次に「なぜ談合がなくならないのか」が示される。
そして田中知事がそこで何をしたのか、どう評価するべきかが語られる。
田中氏の改革は、指名競争入札から一般競争入札への変更だ。
この手法は識者から示されることは多いが、徹底したのは長野と宮城だけである。
「徹底する」ということが大切なことで、
一般競争入札と言いながら参加できる業者に条件を付けることで参加業者数を絞り、
(意図的に)談合を容易にしている自治体が大半であるのが現状だ。
田中氏は既得権益を破壊したから大きな反発を招いた。
入札改革のみならず、マスコミに対しても「脱・記者クラブ」宣言したものだから、
既存の大マスコミも敵に回してしまった。
かくして田中知事はワイドショー的な扱いを受けることになり、政策の評価は隅に追いやられた。
新聞とテレビしか見ない人にはただ騒動の渦中にいる人としか映らなかったかもしれない。
しかし任期中に借金を923億減らし、収支を黒字に転じたことこそ評価されるべきではなかったか。
泰阜村村長・松島貞治氏が語るところに選挙での敗因が要約されていると思う。
すなわち、田中氏は政治家としては優れていたが、組織の長としての掌握が十分でなかった。
そして、県民がその政策を評価するだけのレベルに達していなかったことが問題だと。
長野県民の選択を見ると、早すぎた知事だったのだろうかという思いがわいてくる。
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5つ星のうち 4.0 ダムを連呼すると…ダムダム駄…地方の利益2割だけだから, 2007/6/8
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まず本書で知った田中康夫・元知事の功績を紹介する。
1●全国初の30人学級
2●コモンズハウス宅幼老所
3●黒字化(6年間で借金923億円減
4●入札制度改革(落札率の大幅カット
3・4については、84p101pなどの表を開くと一目瞭然だ。構成は1~4章までが業界関係者のインタビュー集。匿名ではコンサル社長や記者・土木部職員。実名ではゼネコン課長・村長・弁護士などが、談合と天下りの実態を語っている。
僕はこの本で「落札率」という言葉を知った。
発注側の予定価格を100%とすると。談合がまかり通ったこれまでは、ほとんどが95%とかだった。だが実際の採算ラインでは80%で充分。とすると今まで、ゼネコンなどは15%余分に儲けて、住民は15%割高に負担していた事になる。
この落札率は、脱ダム断行で一時は70%を切るまで落ちた。カルロス・ゴーンもびっくりのコストカットだ。だから長野では教育と福祉の予算を厚くできた。
談合は必要悪だ波及効果で地元が潤うじゃないか、という反論もある。
しかしそれは、どうやら時代遅れの論理のようだ。
経済学では、パレートの法則という経験則がある。
世界の80%富は、一握り20%の人間が握っている、ある会社の利益は、20%精鋭だけで80%利益を生み出す、という80:20法則だ。ミツバチの法則と似てるね。アマゾン的に例えるとロングテールか。
公共工事と波及効果にも、このパレートは当てはまる。
つまり地方の失業率を抑えたいので波及を見込んで余分にダムを造ったとしても、利益80%は元請の東京ゼネコンが持っていき、地元の孫請企業に残るのはわずか20%だけ。これじゃケインズもびっくり、なんだ地方には波及ぺらぺらじゃん、となる。
木製ガードレールも面白いな。寡占状態の鉄製市場を崩せるナイスアイデア。
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17 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 田中康夫はやっぱり物書きであるべき, 2007/3/5
By 高山市のKY (岐阜県高山市) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)
2000年の長野県知事選で初当選、その後県議会と衝突したり、不信任決議などの紆余曲折を経て、ついに2006年の知事選で惨敗に終わった田中康夫が知事を退いた後に初めて出した本である。
宮崎県の官製談合をはじめ、名古屋市の地下鉄工事での談合など、「談合」という言葉をマスコミで聞かない日は無い位であるが、談合無くして地方自治は成り立たないのであろうか?この本はそんな疑問に一石を投じる内容でもある。
また、最近やたらにマスコミに取り上げられる事の多い夕張市の破綻についても触れられている。実際に田中氏は夕張を訪れてその市民生活の厳しさを訴えている。これは他の自治体も本当に他山の石とせねばならない問題でもある。
それから、田中氏本人ばかりが色々と述べているのでは無く、田中氏が住民票を置いた長野県泰阜村の村長が田中県政について述べていたりなど、第三者が見ているのも面白い。
こうしてこの本を興味深く読んでいると、田中氏は知事時代に新党日本などを立ち上げたりしたりなど、いらん事をしたのはたまに傷であるが、それでも前の知事がこさえた長野オリンピックでの膨大な借金をかなり減らしたり、脱ダム宣言を打ち出したのは評価に値すると思うが、それでもこの人は知事というリーダーでは無く、第三者的な観点で物を言う立場(具体的に言えば物書きなどの)が相応しい人なんだと改めて思った。
「脱・談合知事」田中康夫 (扶桑社新書)チームニッポン特命取材班,田中 康夫扶桑社このアイテムの詳細を見る |