G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

徒然草とブログ~ブログの勧め~

2016-01-23 | エッセイ

■徒然草の名言より:
おぼしき事いはぬは腹ふくるるわざなれば、筆にまかせつつ・・・”(徒然草、第19段)。
現代語訳すれば“思ったことを言わずにいると腹が張ったような気分になるので、
筆にまかせて・・・”と言うことで書いたのが徒然草である。
   ここで良くわからないのが“腹ふくるるわざ”の部分である。“腹が膨れる“と言えば、原因は”“食べ過ぎ”か
“消化不良”のような生理現象を連想してしまう。ここで言わんとしていることは“生理現象”でなく
心理的現象”で、今風に言えば“胸に何かつかえる”“気持ちがスッキリしない”“気持ちの整理がつかない”
”モヤモヤしている”と言うことになろうか。
   そう解釈すると、兼好法師の言わんとすることが腑に落ちる。
日頃、思っていること考えていること感じていること人に伝えたいことなどを何時迄も自分の頭の中に
仕舞っておくと、頭の中はモヤモヤして、重苦しい気分になってくるので、気分をリセットしたくなる。
■気分のリセット手段:
   気分をリセットするには、頭のなかに仕舞ってある事を“人に話す”“手紙やメールで人に伝達する”
日記やパソコン(PCなどに書き出す”などの手段で外部へ伝達すれば良い。
然し、伝達するのに適当な知人・友人がいない時は困る。又、日記やPCなどは無機質で、反応がなく、
孤独感が強く、自己満足に留まり、その分、リセット力が弱い。
   幸い、現在は“ブログ”“SNS(ツイター、フェイスブック)”などの情報伝達手段があり、無料で、老若男女
誰でも、自己の情報を容易に(多少テクニックが必要であるが)、素早く、不特定多数の人に向けて
発信することができる。
伝達する相手は一人よりも不特定多数の方がリセット力は大きいと考える。
何故ならば、相手からの返事を期待しているわけでなく、Webを炎上でもさせないかぎり、多数の人が当方の
思い、考え、言いたい事などを少なくとも読んでくれるからである。
■ブログの勧め:
 次に“ブログ”と“SNS”のどちらが、リセット力が強いか比べてみよう。
ブログ”は長文が書け、プロバイダーが倒産しないかぎり何年でも保存され、検索が可能であり、情報の
受け皿のツールとしては申し分なく、リセット力も強い。
  一方、“SNS”では短文しか書けず、直に消滅してしまい記録が残らず、従って検索もできず、
情報の受け皿としては貧弱で、その分、リセット力も弱い。
 という訳で、今でも“ブログ”は優れた情報発信ツールであり、長期保存され、精神衛生にも良く
更に、知的活動である為、痴呆症の予防にもなるので、大いに有効活用することをお勧めしたい。
■あとがき:
 こんな戯れ言でも真面目な顔をして書いていると、徒然草の序段に書かれている感慨が思い出され、
我ながら可笑しくなってくる。 

“つれづれなるままに、日くらし、硯(現代なら差し詰め、PC?)にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、
そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。”(徒然草、序段)

 大寒のこの時期、「冬ソナ ストリート」のメタセコイア並木が、すっかり葉を落とし、じっと寒さに耐え、
来るべき春を待っている。私達も来るべき時に備えて、エネルギーを貯えておきたいものです。