約10年程前に歩行を続けていると足の裏に痺れを感じるようになった。
その後年々痺れを感じるまでの歩行継続時間が短くなるとともに、痺れに加え脹脛から腿にかけて痛みを伴うようになった。
所謂、腰部脊柱管狭窄症特有の間欠破行である。
当初、さる総合病院でX線を撮るも骨には異常がなく、経過観察との診断であった。
その後も症状は改善せず、MRI検査で腰部脊柱管狭窄症と判明した。
脊柱管狭窄症は簡単に言えば、脊髄が通っている脊椎部の孔が狭くなり脊髄(神経)を圧迫することにより圧迫部以降の部位に恰も異常があるかのごとき症状が発現するのである。
小生の場合は腰部に狭窄が起こり、下肢に異常があるかの如き症状を呈した。
病名が判明したからには治療となるが、原因は加齢による骨や靭帯の遅行性進行によるもので、完治するには手術によって圧迫を開放する以外の方法はない。
手術は神経を圧迫している骨を除去するか、部分的に削り取るしか方法がなく危険な部類に入るようである。万が一神経を傷つけた場合半身不随をも覚悟しておかなければならない。
事実”みのもんた”を手術された福井先生の著書にも”奥様に車椅子生活になる等のリスクがつきまとうことはやむを得ないことを納得してもらいました”とある。
また、東京の有名なT病院で手術をされた方を通じて担当医の意見を聞いてもらったところ「日常生活が出来なくなるまでは手術をしない方がよい」との見解であった。
ここ一年ほどは主として「日本脊椎脊髄病学会」のHPから「学会が認定した指導医」が在籍する医療機関および手術実績から、医療機関を絞り込みメールで問合せなどをした。
たまたま候補に上げた病院で知人が手術を受け順調な経過をたどったことを確認し、小生もその病院のH医師に託す覚悟を決めた。
手術方法は大別して直視下による従来方式と内視鏡下法があるが、大半の文献では内視鏡下法は安全性の面から未だ一般的でないとしている。
そこでH医師に「安全性が高い方法でお願いしたい」と申し出たが、「自分にとって安全性に差はない」との話であり、担当医の推奨する内視鏡下での手術を選択した。
現在、手術後2ヶ月半経過したところである。
手術当初は手術前にはなかった下肢の痛みと痺れが常時あり先行きが不安であったが、2ヶ月を経過した頃から症状が随分と和らぎ、現在水中ウオークで衰えた筋力の回復に努めている。
肝心の間欠破行の症状は術後全く現れておらず、この面からは成功と言える。
手術4ヶ月前のMRI
第4腰椎と第5腰椎の間に狭窄が見られる
手術1週間後のMRI
狭窄部の脊髄が広がり髄液で白くなっている