少し前の話ですが、フネドブガイを一匹死なせてしまいました。
プラ舟の底を見ると落ち葉まみれで水質が良くなかった感じがします。水換えもたまにしかやりませんでした。
イシガイ科の二枚貝に対してどうして水質悪化は良くないのか?は二枚貝のエサと密接な関係があることが判明しました!それは後ほど。
残った3匹を大事にしてなおかつ、これから繁殖の時期ですので飼育環境を一新しました。
今までは底砂を敷かずに魚の糞由来の沈殿物のみというベアタンクに近い状態でしたので、田砂を敷きました。
時間の経過と共に潜り込んでくれたので気にいってくれたかな?
因みに大磯等の粒の大きい底砂は嫌がって逃げる素振りを見せます。
田砂を敷いたのは生息地の環境を参考にしました。
二枚貝だけではなく、シマドジョウ類やツチフキを飼育する時も田砂がベストだと思います。大磯だと痩せてくるんですよ…
さて、ここからは本題の淡水二枚貝のエサの話です!
サイトや飼育書には植物プランクトンや有機物を食べる。青水ならば長期飼育が出来るかもしれない…等々書かれていて、最善のエサが何なのかイマイチ分かりにくいですよね?豆乳やスピルリナを水槽に入れてみたという人は多いのでは?
僕も今まで散々迷いましたね。エサをどうするべきかは…
論文で非常に興味深いものを見つけました。
↑保護池における水質の変化に伴う珪藻量の変化とそれに同調するドブガイの成長速度
高安ニッポンバラタナゴ保護池の論文は淡水二枚貝の長期飼育並びに繁殖について非常に参考になります。
・まず、二枚貝のエサが珪藻類であること
・同じ植物プランクトンでも緑藻類や藍藻類は消化することが出来ず、二枚貝の栄養にならないこと。
・珪藻類はまめな水換えや浄化システムを稼働させている時に爆発的に殖えて、それに同調して二枚貝の成長速度が早くなること。
・水換え等を怠り、水質が悪くなると緑藻類や藍藻類が増加し、二枚貝の成長が鈍ること。
論文を読むのがしんどいぞという人はHPがオススメです(笑)↓
ドブガイ類自体は水質悪化にわりと強いと思うんです。小さな水路やため池に生息しているのですから。エサの珪藻類が水質悪化に弱いということですね。
霞ヶ浦でのイシガイ科の二枚貝の減少は富栄養化による水質悪化で珪藻類が増加しにくい環境だからですかね。
タナゴの繁殖といい、イシガイ科の二枚貝を使い捨てにする風潮は廃れて欲しいです。環境の変化にシビアで生息地も個体群も衰退する一方なんですから、タナゴ以上に大事にしなければなりません。
それとタナゴ繁殖で使い終わった二枚貝は川に戻しましょうと書いているサイトをいくつも見かけますが、安易に川に返さない方が良いと思います。飼育水由来の雑菌やタナゴの稚魚を知らず知らずのうちに放流して生態系を破壊してしまう可能性があるからです。
カタいことばかり書くなよと思われてそうですが…東京、いや関東地方ではイシガイ科の二枚貝はホントに貴重な存在になってしまっているんですよ。なかなか観察出来る機会がなくて寂しいです。
ヤフオクにて購入。
今はプラ舟の水をこまめに換えて、フネドブガイのために茶ゴケを増やすことに躍起になっています(笑)
おまけ
先日、いきものフェス↓
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://ikimonofes.jp/&ved=2ahUKEwiK2JO5qsDlAhVTMd4KHXdWDeUQFjAAegQIARAB&usg=AOvVaw1hQdgTxKWXzpDTmKWlyauE&cshid=1572313074472
というイベントに行き、僕にぴったり?なデザインのタオルを購入しました(笑)
というイベントに行き、僕にぴったり?なデザインのタオルを購入しました(笑)
このイベントではいきもの系のアーティスト、保全、研究者の方々が出店し、生き物にまつわるグッズを販売していました。キーホルダー、Tシャツ、写真集、標本等で生体の販売はありませんでした。
せっかくの機会でしたので、僕もお店の人と生き物トークでもすれば良かったなとプチ後悔してます…(汗)人見知りが発動してダメでした。
勿論、僕の大好きなカエルやサンショウウオのグッズが沢山でしたので楽しめました^^
ただ、昆虫系のグッズや標本は沢山あったのに…淡水二枚貝を扱っているブースが1つも無いのが残念でした(^^;
僕もいずれは力?をつけてイベントに出店して、イシガイ科の二枚貝の魅力や生態を伝えられたらいいな…と思います。
この頃、淡水二枚貝にのめり込み過ぎて戻ってこれなくなりそう…
飼育容器の大きさも二枚貝飼育における重要なファクターですよね。とは言えカワシンジュガイは水温管理難易度が高過ぎて飼う気にはならないです。
二枚貝の繁殖まで視野に入れた飼育だと培養液のランニングコストが課題ですね。
珪藻の餌を自分で調合し培養槽で殖やす必要がありますね。
グロキディウム着底から大人にするまでイシガイで5年、ドブガイ類で10年くらいでしょうか。
今まで誰もやらなかったのはこの途方もない手間と時間にありますね。
茨の道を敢えて歩まれますか(笑)
培養キットはヤフオクで1度購入すると2回目以降の継ぎ足しは割引料金で買えるようなので無くなった時のことはあまり考えてないです。
やはり参謀長さんは鋭いですね!培養キットを買ったのは貝の成長を促進させて、成熟までの期間を短く出来れば良いなと思ったからです(笑)
フネドブガイはあまり大きくならなそうなので、イシガイやマツカサガイと同じく生後3年位で性成熟出来るのでは?とにらんでいます。それでも十分長いな…(^^;
カワシンジュガイの繁殖を狙った暁には人間の方が先に世代交代していることでしょうw
茨の道を選んでいるのはお互い様ですw
この論文(PDF)の3ページ目で餌について言及されていました。
二枚貝の種類によってかなり違うようです