去年の夏に琵琶湖周辺で捕ってきたアブラボテが10月辺りから婚姻色が凄くなってきました。
フラッシュを焚くと細部が分かりやすくなりますが、色飛びしますね。タナゴ類の婚姻色を色鮮やかに収めるには太陽光が一番でしょう。
メスも産卵管が伸びていたので、卵が出てきました。
卵は産卵管が伸びきって白くなっている状態の時に排出されます。管が黒くて短い時にはいくら腹部を押しても卵は出ません。タナゴの種類で違いは出てくると思いますが、アブラボテは10日おきの周期で10個程の卵を採卵することが出来ます。
オスは軽く腹部を押せば、白いモヤモヤが出るのでそれが精液です。
https://blog.goo.ne.jp/gai6969/e/e60a71e0bdf3d83277d77ae81c97f730/?cid=7ce790f50867f0a18ff3f26e26a826f5&st=0
↑過去にシーナンタナゴの人工授精を行った時の記事です。合わせて読んで見てください。
↑過去にシーナンタナゴの人工授精を行った時の記事です。合わせて読んで見てください。
卵です。
授精後、60時間で孵化してシッポのようなものが確認出来ます。
採卵して、一週間辺りで目が確認出来ます。
18日辺りでヨークサックが目立たなくなり、魚らしい形になります。
採卵して、23日目で浮上して水面まで泳ぎ回れるようになりましたが体型に歪みが…
現在
採卵から1ヶ月強、つまり浮上してから2週間後の姿です。
体に厚みが出て、体型の歪みが矯正されているような気がします。それでも尾びれの付け根に曲がりが見られる奇形個体になりますが…
エサは最初に画像のモノを与えて、現在ではハイグロウを食べられるようになっています。
人工授精させた卵~仔魚の管理は遮光した発泡スチロールに入れて行っています。
メダカ用の23度固定のヒーターを入れて、水温を安定させて仔魚を収容する容器を入れてます。容器はタッパーでも良いと思いますが、軽いとプカプカ浮かんで揺れて、仔魚に余計な刺激を与えそうなので重さのある陶器を使用。
水換えは5日に一回、容器半分の水量。水換えし過ぎても刺激が良くないのか、途中で全滅するのでほどほどが良いようです。
アブラボテの人工授精は今回が3回目となります。
最初は無精卵で失敗。
2回目も水換えの仕方が悪かったのか10日目辺りで仔魚が全滅。
3回目で体型に歪みがあるとはいえ、浮上させることが出来ました。
体型に歪みを出した原因は…浮上のタイミングが分からず、採卵20日目辺りにいじくってしまったことだと思います。
仔魚が自然に水面付近を泳ぎ回るのを待てば良いようです。せっかちは大敵ですね。
浮上の時は仔魚を陶器から30㎝プラケに移動。ベリースライダーと思われる底を這いつくばるだけの個体もいましたので、念のため水位を下げました。
その後、ベリースライダーらしき個体も空気を取り込むことが出来たのか、1日経って無事に水面付近を泳ぎ回っていました。
徐々に人工授精に慣れてきた感じはありますし、別の種類の国産タナゴでもやれそうな感じがしています。
タナゴの人工授精はコツを掴むまでが少々大変ですが、練習すれば手応えを掴めますし大変なぶん、浮上した時の達成感は喜びもひとしおといった感覚です!
何よりイシガイ目の二枚貝に産卵させなくてもタナゴ類を殖やせるのがメリットですよね。