どぶがいの屋外アクア

コロナは茶番。世間体を過剰に気にすると権力者に搾取される。おかしいことはおかしいと主張しよう!

二枚貝のエサについて改めて考えてみる

2019-10-29 10:58:35 | 魚飼育

少し前の話ですが、フネドブガイを一匹死なせてしまいました。

プラ舟の底を見ると落ち葉まみれで水質が良くなかった感じがします。水換えもたまにしかやりませんでした。

イシガイ科の二枚貝に対してどうして水質悪化は良くないのか?は二枚貝のエサと密接な関係があることが判明しました!それは後ほど。


残った3匹を大事にしてなおかつ、これから繁殖の時期ですので飼育環境を一新しました。




今までは底砂を敷かずに魚の糞由来の沈殿物のみというベアタンクに近い状態でしたので、田砂を敷きました。


時間の経過と共に潜り込んでくれたので気にいってくれたかな?

因みに大磯等の粒の大きい底砂は嫌がって逃げる素振りを見せます。


田砂を敷いたのは生息地の環境を参考にしました。

二枚貝だけではなく、シマドジョウ類やツチフキを飼育する時も田砂がベストだと思います。大磯だと痩せてくるんですよ…









さて、ここからは本題の淡水二枚貝のエサの話です!

サイトや飼育書には植物プランクトンや有機物を食べる。青水ならば長期飼育が出来るかもしれない…等々書かれていて、最善のエサが何なのかイマイチ分かりにくいですよね?豆乳やスピルリナを水槽に入れてみたという人は多いのでは?

僕も今まで散々迷いましたね。エサをどうするべきかは…





論文で非常に興味深いものを見つけました。

↑保護池における水質の変化に伴う珪藻量の変化とそれに同調するドブガイの成長速度




高安ニッポンバラタナゴ保護池の論文は淡水二枚貝の長期飼育並びに繁殖について非常に参考になります。

・まず、二枚貝のエサが珪藻類であること

・同じ植物プランクトンでも緑藻類や藍藻類は消化することが出来ず、二枚貝の栄養にならないこと。

・珪藻類はまめな水換えや浄化システムを稼働させている時に爆発的に殖えて、それに同調して二枚貝の成長速度が早くなること。

・水換え等を怠り、水質が悪くなると緑藻類や藍藻類が増加し、二枚貝の成長が鈍ること。





論文を読むのがしんどいぞという人はHPがオススメです(笑)↓








ドブガイ類自体は水質悪化にわりと強いと思うんです。小さな水路やため池に生息しているのですから。エサの珪藻類が水質悪化に弱いということですね。

霞ヶ浦でのイシガイ科の二枚貝の減少は富栄養化による水質悪化で珪藻類が増加しにくい環境だからですかね。


タナゴの繁殖といい、イシガイ科の二枚貝を使い捨てにする風潮は廃れて欲しいです。環境の変化にシビアで生息地も個体群も衰退する一方なんですから、タナゴ以上に大事にしなければなりません。

それとタナゴ繁殖で使い終わった二枚貝は川に戻しましょうと書いているサイトをいくつも見かけますが、安易に川に返さない方が良いと思います。飼育水由来の雑菌やタナゴの稚魚を知らず知らずのうちに放流して生態系を破壊してしまう可能性があるからです。

カタいことばかり書くなよと思われてそうですが…東京、いや関東地方ではイシガイ科の二枚貝はホントに貴重な存在になってしまっているんですよ。なかなか観察出来る機会がなくて寂しいです。








ヤフオクにて購入。
まだ未使用ですので、効果はどれほどのものか分かりませんが、出品者の方はこの培養キットを使用することでカワシンジュガイの長期飼育が出来ているとのことです。




今はプラ舟の水をこまめに換えて、フネドブガイのために茶ゴケを増やすことに躍起になっています(笑)









おまけ



先日、いきものフェス↓

このイベントではいきもの系のアーティスト、保全、研究者の方々が出店し、生き物にまつわるグッズを販売していました。キーホルダー、Tシャツ、写真集、標本等で生体の販売はありませんでした。

せっかくの機会でしたので、僕もお店の人と生き物トークでもすれば良かったなとプチ後悔してます…(汗)人見知りが発動してダメでした。

勿論、僕の大好きなカエルやサンショウウオのグッズが沢山でしたので楽しめました^^

ただ、昆虫系のグッズや標本は沢山あったのに…淡水二枚貝を扱っているブースが1つも無いのが残念でした(^^;

僕もいずれは力?をつけてイベントに出店して、イシガイ科の二枚貝の魅力や生態を伝えられたらいいな…と思います。







この頃、淡水二枚貝にのめり込み過ぎて戻ってこれなくなりそう…










台風襲来後の生き物達

2019-10-25 20:59:37 | 野外採集




先週、台風19号が通り過ぎた後の多摩川水系の様子を見に行きました。

住宅が陥没するレベルでの凄まじい氾濫が地形をえぐりとったようで、以前の面影が見られないです。
草むらやワンドはすっかり消えてしまいました。貴重な都内のトウキョウダルマが生息していた場所なだけに生態系へのダメージは非常に大きいものになるかもしれません…


本流からかなり離れた場所にヤマメやカマツカ類が多数打ち上げられていました。

この辺りは中流域でサケ科の生息する源流域からは相当距離がありますし、今までヤマメは見かけませんでしたので…いかに今回の台風が規格外か実感させられますね。














そして、今週は…


こないだのカワシンジュガイの生息地に行って来ました。

まずは堰をいくつか越えた先の生息地周辺の下流で採集。

やはり台風によって、流されてきたのか底質に垂直に刺さらずに無造作に転がっているカワシンジュガイが多かったです。それと若い貝は殻の色が明るいですね。



マタナゴも下流に押し流されていた感じです。







心配していましたが…



生息地には沢山のカワシンジュガイが並んでいて安心しました(^^)





とはいえボサに打ち上げられて絶命している貝も少数いました。多摩川水系の惨状に比べれば目を瞑れるレベルでしょう。

移動能力に乏しい二枚貝ですから台風の影響をモロに受けるのではないか…と心配していましたが…自然はそれほどヤワではないということでしょうか?





今回の採集魚でテンションが上がったのがスナヤツメ成魚です!

やはり目がある方が凛々しいですし、体色とかヒレの形が案外カッコいいと思います。

スナヤツメもカワシンジュガイ同様、自然度の極めて高い、限られた水域にしか生息していない生き物ですので、こういった環境は大事にしていきたいですね!



ミズカマキリ




トウキョウダルマ幼体とカジカ大卵型は同じボサを棲みかとしていました。

湿地帯の生き物と渓流魚が同居しているのは面白いですね。





今日も千葉を中心に大雨が降りましたし、新しい台風も襲来するかもしれないので、これ以上被害が拡大しないことを願います。













東京都内で東京の名を冠する生き物を発見!

2019-10-09 17:00:00 | ダルマガエル

近場で採集してきました。カテゴリーが野外採集ではないところがミソです(笑)





川に生えてる茶ゴケは細かくすれば二枚貝のエサになるのだろうかと思ったり…

うちのドブガイ類は死にはしないですが、うちで飼育し始めてからイマイチ成長している感じがしないんです…やはりプラ舟ごときでは栄養不足なんだろうか?フネドブガイはこれからが繁殖シーズンですし、栄養付けさせたいと思います。





黄色がキレイなカワムツ




久々のアブラハヤ



ムギツク










スナゴカマツカ


関東に移入のカマツカが入り込んでいるらしいので、スナゴでは無い可能性もありますが、とりあえずスナゴとしておきましょう。

カマツカ好きな人は沢山居ますので、調査や研究はその筋の人達に任せましょう(笑)僕は僕なりにマイナーな生き物を追い求めていきます。








手乗りアカザ

毒持ちですが、強く握らなければ刺されない…と思います(笑)

後述のギバチ同様、水質良好な河川に生息するナマズの仲間だが、こちらは急流のゴロタ石が転がる場所を好む。





東京産ギバチ!

水質良好な河川の流れの緩やかなに生息し、環境の悪化で自然下で減少しているナマズの仲間。
栃木ではまだまだ個体数が多い印象ですが、東京や埼玉の川では局所的にしか生息しておらず、捕れても1~2匹程度ですのでこちらでは希少種。

近場でガサやると栃木のポテンシャルの高さを思い知らされます。


















なんと!東京産トウキョウダルマガエルを発見することが出来ました!!!

トウキョウって名前が付いているんだから東京に居るのは当たり前だろ?と思われるかもしれませんが…

都内に限れば紛れもなく希少種のハズです。

地方在住の方は想像が難しいかもしれませんが、東京は開発が進んでしまい…結果トウキョウダルマの生息に適した田んぼや湿地が極端に少ないんです。

23区だけでなく多摩地域も平野部に関してはすっかり開発されていると思います。さすがに山間部は人の手が入りにくいので、ヤマアカガエル等ある程度の標高のある場所に棲める種類は個体数が多いと思われますが…


自治体のHPですが見かけたら電話をくださいというレベルで生息数が少ないようです。僕も東京都内で野生のトウキョウダルマを見たのは今回が初めてです。勿論、電話して採集個体と場所の画像をメールで送らせて頂きました。



ここで話をトウキョウダルマの同属亜種であるトノサマガエルにずらします。



滋賀採集 後編

フォロワーさんのツイートを見た限りですと、どうもトノサマは渓流等の流水環境にも生息出来るようですね。細身で身体能力が高いからでしょうか?トノサマは比較的個体数が多いようです。

それに対してナゴヤも含めたダルマガエルはずんぐり体型が災いしてかジャンプ力がトノサマより低くて身体能力が低く、僕の経験上からも流れのある場所は苦手な印象です。


因みにトウキョウダルマとトノサマの見分け方ですが…


飼育している埼玉産トウキョウダルマ。東京産もそうですが背中の模様が丸いです。






滋賀産トノサマ。模様が細長いです。そもそもトノサマは関東地方には生息していません!(笑)

トノサマの話を書くのは蛇足かと思いましたが、ほぼ同じ種類であるトウキョウダルマと混同している人が多いと思うので間に挟みました。
















話を都内のダルマガエルに戻しますが…
だから田んぼや湿地といったニッチな環境がダルマガエルには必要なんですよね。東京都内で希少になってしまった大きな一因ですね。

その点、埼玉や栃木は田んぼが沢山有って、トウキョウダルマの好む止水域があるおかげか沢山生息していました。


都内で絶滅に近い状態になってしまったもう1つの要因としては侵略的外来種の存在が大きいと思います。

多摩川下流域はワンドや野池が多く点在し、トウキョウダルマに理想的な環境に思えますがウシガエルばかりが目立つ状態なんです。

千葉県北もウシガエルの勢力が強く、トウキョウダルマやニホンアカガエルも見かけますが数は少ないです。

命を粗末にするな!という理由で外来種駆除に難癖を付ける人間が居ますが、在来種が絶滅してしまう恐れがあるからやむを得ないんですよね。元々その地に生息する生き物を粗末にするのはナンセンスです。







湿っぽいことも書きましたが、東京都内でトウキョウダルマガエルを発見出来て嬉しい限りです。トウキョウダルマもトウキョウサンショウウオも東京の名を冠する生き物は末永く繁栄して欲しいです。



僕がフネドブガイやトウキョウダルマガエルについて掘り下げた記事を書くのは、日本人たるもの日本の生き物や地域の生き物にもっと関心を持って欲しいからであります。
警察24時というテレビ番組ではアオダイショウをシマヘビと誤同定して放映していましたから…(笑)