少数派シリーズ/社会の弱者・人権
SNS投稿「ポテサラ騒動」から見えてくる高齢男性の根底にある女性蔑視・調理無理解
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■高齢者に多い遠い昔の「自分が絶対」の価値観・時代感覚のズレが情けない
「母親ならポテトサラダぐらい作ったらどうだ」~店にいた母親と娘に対し、他人の高齢男性が叱責した~それを目撃した女性のSNS投稿が、大きな反響を呼んでいます。私はこの母親と高齢男性のやり取りのみに捉われず、今起きている高齢者に多い一般的な現状を付け加えます。昨今、たいしたことでもないのに、高齢者・特に男性が、突然、「キレル」ことが問題になっているからです。さて、ポテトサラダを買う=家事手抜き=ダメ母(妻)という、一方的な決め付け。恐らくこの男性は、料理を作ったことはなく、妻の料理の苦労も知らないのでしょう。コロナ禍において、そうでなくても今や共働きが主体になったことから、日々の生活、夫婦での家事・子育てなど大変な現代です。それを遠い昔の価値観(自分が絶対)でしか判断できない、昔からの、夫=労働・妻=専業主婦の前提の考え方、また時代感覚のズレに高齢者とは言え情けないと思います。
専門家の分析は、時代が変わり価値観が大きく変わったのに気付かない、高齢者へのいたわりがない、高齢者の孤立化などを挙げています。ご自分の家庭を始め、社会においても高齢男性の居場所がないのです。その反動か、女性への差別、弱い者いじめ、古い考え方の押し付けが高齢者に多いことは事実です。そもそも根底に、男尊女卑・女性蔑視が存在していると考えられます。話を戻し、日本では長らく主婦は「3食昼寝付き」(この言葉を知っているようじゃ投稿者も相当古い)と言われ、主婦や家事が大事に見られませんでした。男性から見れば、その家事さえサボってスーパーなどで「惣菜を買うとは何事か!」と言うことなんでしょう。しかし今や社会背景も変わり、惣菜を買うことを批判することは筋違いです。とは言え、若い方が高齢者全てをそう見てはいけません。高齢者でも、冷静に分別できる方は大勢います。私も、考えさせられます。
■高齢者は加齢によって脳が劣化し抑制が利かなくなることがある
主婦もかつての専業主婦より、共働き世帯が多くなり、比率が逆転しています。私が驚くのは、前述に加え高齢者が、現代の「共働き夫婦」が「社会的」に見て、どれほど大変かが頭に入っていないことです。職場が大変厳しくなっており、低賃金(非正規雇用)・長時間労働など労働環境も悪化しています。さらに主婦が、帰宅後も家事・子育てをせざるを得ない状態が多いのです。失礼ながら高齢者が現役の時代は、世の中や職場がおおらかで良い時代だったのです。そのことは否定しません。若い世代が直面する苦難の元は、政治家や経済界が極端に劣化してしまったことによるものです。先程の専門家は、もう1つ重要な点を指摘します、普通の方でも加齢によって脳が劣化し、「怒り」の抑制が利かない・ブレーキを掛けられなくなると言います。妻を亡くしたり離婚して男性1人だけになると、個々によっても異なりますが、最悪は”別人”のようになってしまうと言います。私も皆様も、将来、歳を取るリスクを考えねばなりません。
ここからは、あるTV情報番組の内容です。惣菜店のプロも、サラダの中で「ポテトサラダ」は一番大変だと言います。じゃがいもを茹でる→熱いうちに皮をはがす→冷めるまで時間が掛かり、その後に潰す→マヨ和え、と売場に出すまで2時間掛かり、拘束時間が長い。商売じゃなければ作りたくない料理で、ご家庭では作らず・分かっているだけに妻にも作らせず、近くのスーパーで買ってくるそうです(笑)。共働き世帯が晩御飯を作るとなれば、この他の料理・ご飯を炊く・味噌汁を作るなど極めて長時間に及びます。ある店の惣菜コーナーでは、「このコーナーで売っているのは『時間』です」の張り紙をしています。惣菜を買えば長い料理時間を、他に有効に使えるとのPRで、確かにそう思います。毎年、熱い夏になると、惣菜コーナーは揚げ物がよく売れるそうです。主婦の「料理労働」は過重なので、無理強いは禁物です。ポテトサラダはもちろんのこと何でもない料理ほど、手間や時間が掛かるということです。世の中の男性諸君、高齢者の皆様はどう考えますか?
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■高齢者に多い遠い昔の「自分が絶対」の価値観・時代感覚のズレが情けない
「母親ならポテトサラダぐらい作ったらどうだ」~店にいた母親と娘に対し、他人の高齢男性が叱責した~それを目撃した女性のSNS投稿が、大きな反響を呼んでいます。私はこの母親と高齢男性のやり取りのみに捉われず、今起きている高齢者に多い一般的な現状を付け加えます。昨今、たいしたことでもないのに、高齢者・特に男性が、突然、「キレル」ことが問題になっているからです。さて、ポテトサラダを買う=家事手抜き=ダメ母(妻)という、一方的な決め付け。恐らくこの男性は、料理を作ったことはなく、妻の料理の苦労も知らないのでしょう。コロナ禍において、そうでなくても今や共働きが主体になったことから、日々の生活、夫婦での家事・子育てなど大変な現代です。それを遠い昔の価値観(自分が絶対)でしか判断できない、昔からの、夫=労働・妻=専業主婦の前提の考え方、また時代感覚のズレに高齢者とは言え情けないと思います。
専門家の分析は、時代が変わり価値観が大きく変わったのに気付かない、高齢者へのいたわりがない、高齢者の孤立化などを挙げています。ご自分の家庭を始め、社会においても高齢男性の居場所がないのです。その反動か、女性への差別、弱い者いじめ、古い考え方の押し付けが高齢者に多いことは事実です。そもそも根底に、男尊女卑・女性蔑視が存在していると考えられます。話を戻し、日本では長らく主婦は「3食昼寝付き」(この言葉を知っているようじゃ投稿者も相当古い)と言われ、主婦や家事が大事に見られませんでした。男性から見れば、その家事さえサボってスーパーなどで「惣菜を買うとは何事か!」と言うことなんでしょう。しかし今や社会背景も変わり、惣菜を買うことを批判することは筋違いです。とは言え、若い方が高齢者全てをそう見てはいけません。高齢者でも、冷静に分別できる方は大勢います。私も、考えさせられます。
■高齢者は加齢によって脳が劣化し抑制が利かなくなることがある
主婦もかつての専業主婦より、共働き世帯が多くなり、比率が逆転しています。私が驚くのは、前述に加え高齢者が、現代の「共働き夫婦」が「社会的」に見て、どれほど大変かが頭に入っていないことです。職場が大変厳しくなっており、低賃金(非正規雇用)・長時間労働など労働環境も悪化しています。さらに主婦が、帰宅後も家事・子育てをせざるを得ない状態が多いのです。失礼ながら高齢者が現役の時代は、世の中や職場がおおらかで良い時代だったのです。そのことは否定しません。若い世代が直面する苦難の元は、政治家や経済界が極端に劣化してしまったことによるものです。先程の専門家は、もう1つ重要な点を指摘します、普通の方でも加齢によって脳が劣化し、「怒り」の抑制が利かない・ブレーキを掛けられなくなると言います。妻を亡くしたり離婚して男性1人だけになると、個々によっても異なりますが、最悪は”別人”のようになってしまうと言います。私も皆様も、将来、歳を取るリスクを考えねばなりません。
ここからは、あるTV情報番組の内容です。惣菜店のプロも、サラダの中で「ポテトサラダ」は一番大変だと言います。じゃがいもを茹でる→熱いうちに皮をはがす→冷めるまで時間が掛かり、その後に潰す→マヨ和え、と売場に出すまで2時間掛かり、拘束時間が長い。商売じゃなければ作りたくない料理で、ご家庭では作らず・分かっているだけに妻にも作らせず、近くのスーパーで買ってくるそうです(笑)。共働き世帯が晩御飯を作るとなれば、この他の料理・ご飯を炊く・味噌汁を作るなど極めて長時間に及びます。ある店の惣菜コーナーでは、「このコーナーで売っているのは『時間』です」の張り紙をしています。惣菜を買えば長い料理時間を、他に有効に使えるとのPRで、確かにそう思います。毎年、熱い夏になると、惣菜コーナーは揚げ物がよく売れるそうです。主婦の「料理労働」は過重なので、無理強いは禁物です。ポテトサラダはもちろんのこと何でもない料理ほど、手間や時間が掛かるということです。世の中の男性諸君、高齢者の皆様はどう考えますか?
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