食品のカラクリと暮らしの裏側

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宮部みゆき著「火車」からみるサラ金地獄に墜ちる哀しい女性の姿/少数派・サラ金地獄15

2019年05月01日 | サラ金地獄に堕ちる
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/サラ金地獄
あなたもサラ金地獄へ堕ちていく15
宮部みゆき著「火車」からみるサラ金地獄に墜ちる哀しい女性の姿

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■普通の女の子が気が付いたら「巨額の借金」の渦中に、それが現実
“バブル”がはじけ始めた1990年代初め、著者の宮部みゆきは「火車」(かしゃ)という作品を通じ、強烈に「サラ金地獄」「クレサラ禍」(クレジット・サラ金被害者)に陥る社会を批判しています。サラ金地獄に墜ちた彼等への批判ではなく、サラ金会社・支援する大元の銀行・政治家など、社会構造を問い質しているのです。「火車」とは、生前に悪事をした亡者を乗せて地獄に運ぶことだそうです。宮部みゆき氏といえばベストセラー連発、独特の切れ味を示す作家ですが、サラ金のことも追及していたのです。

作品の紹介はルール違反なので詳細には申し上げられませんが、一人の若い女性が、親の借金によってサラ金業者に脅され、一家離散・逃亡生活を虐げられ、各地を転々とします。過去を消すために…女性は悪事を考え出します。文中でも「サラ金被害者は、真面目で気の小さい、几帳面、正直者が陥りやすい」と書いてあります。何でもない“普通の女の子”が、気が付いたら「巨額の借金」の渦中にいる、それは小説やドラマの世界ではなく、現実なのです。「火車」を読むと、考えさせられます。

ストーリーに出てくる弁護士が、弁護士・宇都宮健児氏をモデルにしたと言われています。かつて日本弁護士連合会・会長を務めた方です。サラ金禍から多くの人達を助け、サラ金業者の悪事を追及し、最高裁で当時のサラ金業者は全て違法との判決を勝ち取りました。その後、関係の法律改正まで携わった弁護士です。宮部みゆき氏は「火車」のあとがきに、「宇都宮健児氏に有益な話を聞かせてもらった」と書くほどです。参考:宇都宮健児著「カード破産と借金整理法」

昔は贅沢をするには、人の何倍も働いて努力しました。でも豊かになれなければ、諦らめることも方法の1つでした。しかし現在は安易にお金を借りられることによって、2つのどちらも経験することもなく宝石や家具、贅沢品を持つことができます。これは、けっして「普通のこと」ではないのです。TV/CMや広告に騙されて、手を出してはいけません。気を付けなければ、あなたが作品の「消えた謎の女性」や犯人になってしまいます(多少ネタバレ)。サラ金禍の怖いところは、普通の女性や男性がサラ金地獄へ堕ちて行くことです。

Ntopkeiji

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