家庭用品の危険シリーズ ■抗菌弁当箱/台所
おかずもご飯もすぐ腐る抗菌加工の弁当箱
抗菌弁当箱に頼るより昔ながらの調理・食中毒対策を
写真は普通の弁当箱です
■普通の弁当箱よりも抗菌弁当箱のほうが先にカビが生える
ご自分の弁当・子供・愛妻弁当などそれぞれの方は、お昼になると手作りの弁当が楽しみです。でも梅雨時や暑い季節になると、食中毒が気に掛かります。昔は梅干しを入れたり、酢飯にしたりして工夫しました。しかし最近は、抗菌処理した「抗菌弁当箱」が流行りです。
抗菌加工の弁当箱、そして一部のおかずや果物は抗菌ラップで包み、おかずやご飯の上に抗菌シートを敷きます。これで、食中毒対策は万全と思いますか?ある団体が、抗菌弁当箱と普通の弁当箱の常温比較実験を行なった結果があります。同じ条件で、翌日には両方の弁当の野菜にカビが発生、2日目には煮物にカビが発生しました。
抗菌弁当箱は、ご飯もおかずもびっしりカビが生えているにもかかわらず、普通の弁当箱ではおかずのカビも少なく、ご飯にはカビが生えていない結果が出ました。もちろん現実には翌日以降の弁当は食べませんが、実験では何と「抗菌弁当箱」のほうが、普通の弁当箱よりもカビ発生の進行が早い結果が出たのです。結果が“逆転”した理由は書かれていませんでしたが、少なくとも抗菌弁当箱には効果がないことは分かります。
■抗菌されるのは飽くまでも弁当箱に接している部分だけ
皆様は、抗菌弁当箱に絶対の過信や誤解をしないで下さい。誤解の原因は、弁当の“中身全体”が抗菌されるイメージでとらえていませんか?抗菌されていると言っても、あくまで弁当箱に接している部分だけが腐りにくいだけの話です。弁当箱に接していない部分~つまり弁当の中身のほとんどが、当然のようにカビが発生しどんどん腐っていきます。
これこそ、抗菌弁当箱の“まやかし”なのです。こんなモノを使ってはいけません。過信するだけに、却って危険なのです。抗菌剤のほとんどに、無機系の銀が使われています。しかし多くの製品は、どのような成分の抗菌剤が使われているかをメーカーは明らかにしていないため、不安が残ります。
抗菌弁当箱を使って安心していては、衛生管理が希薄・安易になり、食中毒の危険性が高まります。下記の「危険への対策」のように、昔ながらの“腐らせない工夫”が一番かと思います。弁当に限らず、抗菌処理品に頼り切ることは避けましょう!高いお金を掛けるだけ無駄です。
■■危険への対策■■
こんなものより、昔ながらの②③の梅雨・真夏時期の調理方法が大事です。
十分な加熱、水分が少ない食品にする、梅干しや酢で加工、素手で盛り付けせずに箸を使うこと
などです。
保温機能の弁当箱は使わない、暖かい場所に置かない、早く食べる等、当り前の対策が重要で
す。
抗菌まな板は細菌を死滅できない
胎児へ悪影響を及ぼすポリ塩化ビニリデン製ラップは即やめよう