ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

新年のご挨拶

2022年01月03日 | Weblog
あけましておめでとうございます
分福閉店後、初の年越しということで、ゆったりムードで過ごしています。

本当は12月初旬にミラノ直送、トレマリエのパネトーネがメインのティーサロンを開催予定だったのですが、コロナの影響か港も税関も大混雑だったようで、手元に届いたのが12月23日、日程調整が間に合いませんでした

クリスマスには間に合いませんでしたが、天然酵母パネトーネ種は生きているので、今月よりサロンを開催します。
ご参加の皆様、再会を楽しみにしています。

2022年、皆様益々のご健勝をお祈りしています


御苑の桜

2021年03月16日 | Weblog
昨日に引き続き、京都御苑まで桜遊山。
出水の桜を再見し、今日は北西に位置する近衛邸跡まで。

こちらは苑路沿いに枝垂れ桜が何本も植えられていて、華やいだ雰囲気。
時雨模様のせいか人も疎らで、老若男女思い思いに満開の桜を楽しんでいます。



池になだれ込むように咲く枝垂、「糸桜」と呼ぶのですね。
当時から桜の名所だったそうです。
何世代もの人々が、この桜を愛でていたのですね。



せっかくなので、御所も見学。

まずは御池庭。
造形的な反橋「欅橋」。

広々とした州浜。



続いて御内庭。
豪壮な石組です。


同じ橋も見る角度によって雰囲気が変わります。

松に設けられた傘状の美しい竹組はなんと呼ぶのでしょう。
枝を守る機能があるのでしょうか?


庭は苑路から眺めるだけなので全体像は掴みにくいのですが、非常に見応えがあります。



ちなみに、御台所跡の桜はまだまだこれからでした。


もう、春!

2021年03月15日 | Weblog
ここ数日朝晩の冷え込みが緩み、小さな紅葉の若葉が日に日に成長しています。
春の到来、植物の生命力が至る所で溢れています。

京都御苑のしだれ桜が見頃という噂を聞いて、早速向かってみました。
「西の端!」でたどり着ける、さすが京都は碁盤の目。
遠目にも、輝きを放つ桜の木が確認できます。


お見事!
こちらは「出水の桜」。
早咲きの桜として有名で、「出水の桜が咲いたら春が来る」と、皆さん楽しみにしていらっしゃるようです。
桜の儚さが枝垂だとより一層引き立ちます。
風に揺らめく姿を下から眺めていると、絵画の中に迷い込んでしまったかのような幻想的な景色です。

梅園、桃園と続き、巨大なハクモクレンの木が満開を迎えていました。


まだ始まったばかりの京都の春に後ろ髪をひかれながら、17日に東京に戻ります!




もうすぐ、春

2021年03月12日 | Weblog
日中は少し暖かくなってきましたが、朝晩の冷え込みはまだまだ堪えます。
鴨川沿いの桜の蕾も随分ほころんできましたが・・・、咲いているのは梅ばかりです。

梅!出町柳の駅前の満開の梅に誘われ、ふらっと随心院に出かけました。
小野小町ゆかりの門跡寺院です。
寺内に名勝小野梅園があります。



品種によっては満開ですが、全体的には来週あたりが見頃でしょうか?

庫裡から表書院を通って本堂へ。
ロウバイが見頃を迎えていました。
ん?本当にロウバイかなぁ。山茱萸(サンシュユ)かな!

本堂の東になるのでしょうか?池泉式庭園があります。

蔀戸、そして縁取られた木々の緑、剛と柔の調和に心が和みます。


今日は欲張らずに随心院のみゆっくり見学し、出町柳へ引き返します。
ちょうどおやつ時。
韓国伝統茶が飲みたくなって、李青さんへ。
五味子茶の酸味、雨の日にぴったりです。


夕食は家で、和風麻婆茄子豆腐(がっつり系)。
やや胃もたれの食後はプーアル茶で整えます。
7年ほど前に台湾の良記茶葉にて購入した小沱茶。



山査子餅をお茶請けに。
レトロで可愛いパッケージ!


今日もすっかり仕上がりました。




東寺

2021年03月01日 | Weblog
平安遷都とともに建立された東寺。
1994年には世界遺産に登録され、京都を代表する観光スポットのひとつ。
教王護国寺、日本史で勉強しましたね。
今回初拝観、なぜなら庭がないから(単純明快)。
この度は立体曼荼羅を拝みに参りました。



東寺といえば五重塔。
そろそろ梅が咲き始めています。

立体曼荼羅は英訳すると3D Mandala。
そう言われるとそうなのですが。
立体曼荼羅=羯磨曼荼羅、羯磨はサンスクリット語でカルマ=業、行為→所作、作法、作用を意味するそうです。
巨大な大日如来を中心に、合計21尊の仏像がずらりと居並んでいます。
圧巻の気迫!

金堂の薬師如来像、日光・月光菩薩像も威厳に満ちた風格。
伽藍の複雑な構造も大迫力です。
(共に撮影は禁止です)

そして観智院へ。
北大門を出ると櫛笥小路へ続きます。
この通り、平安時代そのままの道幅で残っている唯一の小路だそうです。


垂れ桃、満開です。
お目当ての五大虚空蔵菩薩を拝見。
面長の線の細い容姿で、鳥獣の上に結跏趺坐されています。
(撮影不可)


茶室「楓泉観」。

狩野派や中林竹洞の襖絵が美しい、明るい茶室です。




















等持院

2021年02月09日 | Weblog
等持院は足利義満が夢窓疎石を開山に迎え創建された古刹。
夢窓疎石、京都では西芳寺(苔寺)や天龍寺の作庭に携わった名僧です。
鎌倉では瑞泉寺が有名ですね。

にもかかわらず、何故かちょっと知名度が低い=ゆったり過ごすことが出来る素晴らしい寺院です。
(お抹茶もいただけます)

書院からの眺めは格別です。


前半訪れた龍安寺とは打って変わって、情報量の密度がとても高いです。
間が抜ける余地が、ない!
夥しい数の石を埋めるように刈り込みが配され、有機物と無機物が庭を埋め尽くしています。
真冬にもかかわらず赤く染まったサツキに彩られた庭は一見賑やかです。


しかし、じっくり対峙していると・・・

まず、見事な石組みに目が覚める思いです。
大小様々な表情の石がきっちり収まり、見事な景を成しています。
枯滝石組のセンターには菱形に欠け落ちた不思議な石が据えられ、芙蓉池に浮かぶ島にも面白い模様の石が中央に鎮座しています。

苑路に従って方丈の北庭へ。

おっと!これは西芳寺のコンパクトバージョン!!
心字池には島が浮かび、配される石はミニマムで、芙蓉池とは対照的な静けさです。

芙蓉池と心字池で彼岸と此岸を現しているかのようです。
西芳寺も上下二段構えの構造ですが、等持院も構造的には同じなのかな?

方丈正面、小高いところに茶室清漣亭が建っています。

義政好み、村田珠光や相阿弥らと茶を興じたと伝えられています。

私にとってはうつせみの無常を突きつけられる庭なのですが、季節の花が咲き誇る華やぎの庭としても知られています。
特に初夏のサツキの頃は見事。
龍安寺から南下すること10分弱なので、是非合わせてお立ち寄りください。

あんまりじ〜っと庭を眺めているので、人の存在として認められないのか野鳥が飛来します。
今日は目にも鮮やかなコバルトブルーのラインが目を引くカワセミが2羽!
ジョウビタキのオス・メスもウロウロしていました。
大満足











いざ、龍安寺

2021年02月09日 | Weblog
先月、あまりに無人で驚愕した銀閣寺に倣い、普段は人だかりで落ち着かない龍安寺へ久しぶりに出かけました。
もう・・・、10年ぶりぐらいでしょうか。
10時前、ご覧の通りの状況です。


こちらは鏡容池沿いの「龍安寺垣」。


今日は最低気温0度の厳しい冷え込み。雪がちらついています。
空には雲があったりなかったり、急に日差しが強くなったかと思うと翳ったり・・・。
激しい光の変化と裏腹に、庭は静寂そのものです。


奥から。


15の石が据えられているはずなのですが、何度数えても14しかない!
それもそのはず、見えないように据えられているのです。
「なんかいじわる〜」って思いますよね。
それにはちゃんと理由があって・・・、
15は十五夜=満月=完全を意味します。
しかし、完全なものは満月と同じく欠ける=崩れゆくので、ひとつ足りないことで不完全なものにするのです。
七五三の庭、と呼ばれる所以です。
(「虎の児渡し」など、諸説あるうちのひとつ)

白砂はとても繊細に砂紋が描かれていて、穏やかで端正な印象です。
雲母の輝きはまさしく波に戯れる光の乱反射
これだけ間があって間抜けにならない石の選び方、配置、超絶技巧です。
白砂の穏やかな印象を裏切るように、石は結構鋭い形のものが選ばれています。
特に前方の石ほど厳しい表情。
最奥の石は少しなだらかな稜線で、お供の石はまるで磨かれたかのようにツルんとしています。
やはり遠近法が意識された上での石の選別でしょうか。

築地塀は50cmほど手前から奥に向かって低くなります。分かるかな?

この高低差(遠近法)が狭隘な庭を広く見せる視覚効果を生み出している、と言われています。

作庭時期も作者も庭の意味も謎だらけの龍安寺。
自分だけのストーリーを見つける自由が許されている、ということですね


ただ、ひとつびっくりしたのがこちら。

江戸の京都旅行ガイド、都林泉名勝図会に描かれた龍安寺石庭。
築地塀の向こうは、松!
今は枝垂れ桜が有名ですが、その優しい風情とは全く異なる格調高い雰囲気。
応仁の乱や江戸期の火災で方丈が消失しているので、少しずつ変化してきたのでしょうか。
ロマンあふれる庭ですね。



ここから等持院へ向かいます。
モーニングを食いっぱぐれてしまったので、途中のCafe山猫軒で早めのランチ。
温まりますよ〜とオススメしていただいたシチュー仕立てのココットハンバーグ。

寒い日は煮込み料理が恋しくなります。














虹!

2021年02月04日 | Weblog
窓辺に吊るしているサンキャッチャー。
季節によって太陽光の照射角度が変わるので、虹の出現時間は日々変化します。
今日は9時20分頃。
仕込み中、ふと顔を上げると虹の乱反射!

しかも、ちょーうど雲に、虹
バッファローも心なしかほっこり。


こちらは見事な色彩


数分で消えてしまいますが、虹に包まれるひとときはささやかな日々の喜びです。

南禅寺境内 南禅院

2021年01月19日 | Weblog
鎌倉時代に作られた京都でも屈指の古い庭園を有す南禅院。
亀山天皇の離宮が前身で、後に大明国師を開山として禅寺に改められました。
南禅寺境内、という表記ですが、ここが南禅寺発祥の地!

赤煉瓦の水道橋、南禅寺のシンボルですね。
こちらを潜って、階段を上がって左に南禅院の受付があります。


入ると、本坊の南東に庭が展開しています。


南=下池には心字島、東は上池=曹源池には蓬莱山が浮かんでいます。

下池


曹源池


本坊をぐるりと回って曹源池の裏手に向かいます。



曹源池向かって左の奥に、滝が流れています。


この滝からの水が下の写真、右下から曹源池に注いでいます。


曹源池の後ろから本坊方面。
汀の意匠、大きな石はあまり使われておらず植物が水面と接していて、庭全体が柔和な印象です。


庭の鑑賞ポイントは人それぞれで良いと思います。
庭そのものはもちろん、石や石組に注目したり、池泉と滝、その石組、島だったり、作庭された時代背景、作庭した人物、色々な角度から楽しめることが庭の面白さ。
『画遊』の境地で、その庭に自身を置いて、内側から鑑賞してみるのも楽しいですね。
私は汀、遣水の意匠が好きで、池泉式の庭園を見る時はどこから水が流れてくるのかチェックします。
汀は一見地味かもしれませんが、実は重要な要素で、石か土(植物)か、人工物か、石ならどのような大きさ、素材、配置か等々で庭の印象ががらりと変化します。
禅の庭は、極めて静的ですが、じっと対峙していると動的なダイナミズムに飲み込まれそうになることがあります。
動かないはずの石が動きだす瞬間、悟りの境地にぐっと引き寄せられているのかもしれませんね〜









南禅寺本坊

2021年01月19日 | Weblog
銀閣寺から哲学の道を通って南禅寺へのお散歩旅、最後が南禅寺本坊です。
4時半に閉門のところ、4時を少し過ぎての受付。
仕舞い客、誰もいません。
ちょっと駆け足で見学します。

方丈の前庭、いつ見ても立派な意匠です。
江戸初期、小堀遠州作庭と言われています。


『虎の児渡し』の庭と呼ばれていますが・・・。
龍安寺石庭も同じく『虎の児渡し』(仮説)。
虎が3匹の子を産むと、必ず彪の子が一匹混じり他の子を食べてしまうので、彪の子と虎の子が2匹で残らないように川を渡さなければならない、というトリッキーな故事がベース。
3匹の子を無事に渡すために、4匹分の苦労をする=修行を怠ることのないように、という禅的解釈でしょうか。
一般的には苦心して生計をやりくりすることの喩え。
個人的には大海に浮かぶ蓬莱山のように、ゆったりおおらかな意匠に見えるのですが。

ただ、南禅寺方丈は虎の意匠だらけ!
前庭に面した大方丈の欄間には虎の彫物。


小方丈の障壁画も虎。狩野探幽作と伝えられる水呑の虎は、平和な時代の到来を象徴するかのようです。

こちらは小方丈前の如心庭。


渡り廊をぐるりと進むと北側の六道庭、中庭に出ます。



建物の作りが複雑で映画のセットみたいですね。

茶室、窮心亭。廻し廊の下を潜る設計になっていて、面白いですね。
昭和43年、宗徧流一門から寄進された茶室です。


ぐるり一周、鳴声に呼び止められ、見ると石の右上にちょこんとジョウビタキの雌が!


江戸と昭和の禅の庭、茶室の露地と見所満載の南禅寺本坊。
時代の変化とともに庭の意匠も変化していきます。
それも見所ですね