ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

本年もどうぞよろしくお願いいたします

2014年01月05日 | お知らせ
昨年は大変お世話になりました。
皆様に支えられて、分福は今年4年目を迎えます。
まだまだ未熟ですが、午年にあやかって、跳躍の一歩を着実に刻んでいけるような1年にしたいと思っております。

今年は少し長いお休みを頂戴いたしました。
1月は7日、火曜日から営業いたします。

どうぞよろしくお願い申し上げます

印象派と世紀末美術@三菱一号館

2014年01月04日 | ART
ちょっと気になっていながらイマイチ積極的にはなれないけれど、明日最終日だしなんとなく時間もあるし、じゃあ出かけようか、ということで三菱一号館で開催されていた『印象派と世紀末美術』展を観に出かけました。

ルドンは好きな画家なのですが、個人的には黒のリトグラフシリーズじゃないんですよね。小舟に乗った聖女の絵が救いでした。

今回の展覧会では、唯一、モネの『草原の夕暮れ、ジヴェルニー』が圧巻でした。頭上で風に揺れる木々の枝葉を通して夕日のきらめきがキャンバスから広がり、周辺をキラキラと照らし出し、風や匂いまで伝わってくるようです。自分自身も夕日に照らされているように温かくなりました。この1枚に出会えただけで、この展覧会に来た甲斐がありました!

クーデルカ!

2014年01月02日 | ART
今世紀最高の写真家のひとり、ジョセフ・クーデルカの展覧会に出かけました。

写真集は数多く出版されているにもかかわらず、本格的な回顧展としてはアジア初!これは事件です。
ということで、2日に吉岡徳仁の『クリスタライズ』とダブルヘッダーで出かけました。
自慢すると、クーデルカの作品との最初の出会いは20年前。イギリスに撮影に出かけた時ロンドンの小さなギャラリーでその作品に触れる機会を偶然得たのです。以来大好き&大尊敬する作家で、テオ・アンゲロプロスの映画『ユリシーズの瞳』でスチール撮影を手掛け、東京都写真美術館でその上映会が開催された際クーデルカの小さな作品展が同時に開かれ、来日していたクーデルカに、持参した写真集『EXILES』にサインを頂いたのです!私が勝手にイメージしていた本人像と異なり、長身で細身、髪はボサボサっとして、全く飾り気のない風貌だったのが逆に好印象で、益々ファンになりました。その時担当の方が、クーデルカは放浪癖がありなかなかつかまらない、な~んておっしゃっていました。孤高の作家、クーデルカ。作品も異彩を放っています。

特に私が好きな作品群は『Chaos』以降。

大胆に切り取られたパノラマの世界。被写体は異化され、変容し、無限のイメージを纏っています。写真集とは違い、ビッグサイズのプリントで相対する作品は迫力満点です。残念ながら展覧会は13日で終了してしまいましたが、次の機会が待ち遠しいです




吉岡徳仁-クリスタライズ

2014年01月02日 | ART
東京都現代美術館で開催されている吉岡徳仁展覧会『クリスタライズ』に出かけました。
結晶化・・・、塩の結晶を育てた小学校の理科の実験を思い出します。
もちろん、展覧会のクオリティはそんな幼児体験とは比べ物になりませんが、大人になってもどこか心の片隅に残っている子供心をくすぐる展示でした。

『白鳥の湖』を聞きながら育つ結晶。音の波動が結晶の形を変化させるのでしょうか。ワーグナーを聞かせたりなんかすると、どんな形になってしまうのでしょう。
実際に育成中の大型作品も展示されています。一体どれくらいの時間をかけて結晶化が進んでいくのか、興味は尽きません。

結晶化したガーベラも不思議な作品です。結晶の内部で花そのものは朽ちていくのでしょうが、その色彩を吸い上げてほのかに染まる結晶に悪魔的な美しさを感じます。

マティスが装飾を手掛けた南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂へのオマージュとして作られたクリスタルプリズムの構築物がハイライト。

太陽の光を受け、風や雲の流れ、時間によって変化する光のスペクトルに包まれる感じ、を想像しながら作品に向かいます。というのも、残念ながら室内環境での展示なので、光源は不動の人工灯、スペクトルは弱く変化しません。せめて光源が動けばいいのにな~、と、作品が素晴らしいだけにモッタイナイと感じてしまいます。クリスタルプリズムの柱の前に置かれた『Water Block』と名付けられたガラスのベンチに座り、その虹のような光を頭の中で増幅させながらゆっくりと作品に包まれ、自分自身も結晶化して楽しみました。