憧れながらも、何となく敷居が高く尻込みしていた香道の世界。
築地のうおがし銘茶さんで、「香十」社長稲坂良弘さんの「聞香」の会があると偶然知り、これも何かの思し召し・・・、とすかさず申し込み、いよいよ今日が当日。
劇作家でもある稲坂さん。お話が上手で聞き惚れる。香りの世界をゆるゆる繙きながら、同時に歴史、宗教、文化と話題がどんどん広がっていく。とても書き尽くせないほど内容の濃い2時間だった。
仏教伝来が538年、その時に香文化のベースが一緒に伝わったそうだ。
儀式の前に香木を焚き上げ、空間と心身を浄める。そして煙に祈りをのせて天に届ける。
香の伝来以前は、穢れを浄めるために水が使われていた。
香木は日本には存在しない。西方未知の世界から遠路遥々シルクロードを渡ってきた。当時の人々は、そのエキゾチックな香りにどれほどの神秘を感じたことだろう。
香によりもたらされる鎮静、安眠、安らぎ、さらにときめきや興奮。こういった効果を、昔の人々は経験的に心得ていたようだ。
例えば戦国時代、戦場に出陣する前に兜を香で焚きこめる習慣があったそうだが、これも鎮静効果をねらったのではないか、ということ。
討った敵の首から、かぐわしい香が漂ってくるというのも、なんとも妖しく凄まじさを感じる。
香りの文化は時代の権力者たちが握っていた。
奈良は天皇、豪族たち、そして平安時代は天皇、貴族たち。この時代、香りはまだ「遊び」の世界に留まっていた。
鎌倉時代に武家政権が生まれ、鎌倉へと幕府が遷り、この時代は公家的文化と武家的文化は乖離した状態。
それが、室町時代になり、武家が京の都に乗り込んでくることで、公家と武家の文化が融合する。
公家文化では、「和」を尊び、規範を定めることなく皆で時間、空間を共有することを楽しむ。例えば蹴鞠のような遊びが、公家文化を象徴している。
武家文化では、いつ戦場で命を落とすかもしれない、「一期一会」の精神で、ルールや作法を大切にし、決着をつける。
この2つが合わさってこそ、芸道が生まれ、発展することが出来たのだ!
なるほど~、香道の歴史的・文化的側面を知ると、ますます香りに興味が湧いてくる。
お茶と同じというか、「茶人=香人」で密接に繋がっている世界で、入口としてはとても充実した内容だった。
ちなみに、湿度の高いこれからの季節は、白檀の香りが爽やか感をもたらしてくれるのでオススメだそうだ。
実際、梅雨時にお香の売上げが一番伸びるそうな(笑)。
築地のうおがし銘茶さんで、「香十」社長稲坂良弘さんの「聞香」の会があると偶然知り、これも何かの思し召し・・・、とすかさず申し込み、いよいよ今日が当日。
劇作家でもある稲坂さん。お話が上手で聞き惚れる。香りの世界をゆるゆる繙きながら、同時に歴史、宗教、文化と話題がどんどん広がっていく。とても書き尽くせないほど内容の濃い2時間だった。
仏教伝来が538年、その時に香文化のベースが一緒に伝わったそうだ。
儀式の前に香木を焚き上げ、空間と心身を浄める。そして煙に祈りをのせて天に届ける。
香の伝来以前は、穢れを浄めるために水が使われていた。
香木は日本には存在しない。西方未知の世界から遠路遥々シルクロードを渡ってきた。当時の人々は、そのエキゾチックな香りにどれほどの神秘を感じたことだろう。
香によりもたらされる鎮静、安眠、安らぎ、さらにときめきや興奮。こういった効果を、昔の人々は経験的に心得ていたようだ。
例えば戦国時代、戦場に出陣する前に兜を香で焚きこめる習慣があったそうだが、これも鎮静効果をねらったのではないか、ということ。
討った敵の首から、かぐわしい香が漂ってくるというのも、なんとも妖しく凄まじさを感じる。
香りの文化は時代の権力者たちが握っていた。
奈良は天皇、豪族たち、そして平安時代は天皇、貴族たち。この時代、香りはまだ「遊び」の世界に留まっていた。
鎌倉時代に武家政権が生まれ、鎌倉へと幕府が遷り、この時代は公家的文化と武家的文化は乖離した状態。
それが、室町時代になり、武家が京の都に乗り込んでくることで、公家と武家の文化が融合する。
公家文化では、「和」を尊び、規範を定めることなく皆で時間、空間を共有することを楽しむ。例えば蹴鞠のような遊びが、公家文化を象徴している。
武家文化では、いつ戦場で命を落とすかもしれない、「一期一会」の精神で、ルールや作法を大切にし、決着をつける。
この2つが合わさってこそ、芸道が生まれ、発展することが出来たのだ!
なるほど~、香道の歴史的・文化的側面を知ると、ますます香りに興味が湧いてくる。
お茶と同じというか、「茶人=香人」で密接に繋がっている世界で、入口としてはとても充実した内容だった。
ちなみに、湿度の高いこれからの季節は、白檀の香りが爽やか感をもたらしてくれるのでオススメだそうだ。
実際、梅雨時にお香の売上げが一番伸びるそうな(笑)。