ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

煌めきの街、アントワープ<第10回 ストリートの誘惑>

2020年03月30日 | Weblog
歴史的建造物が至る所に見られるアントワープの街並はとってもフォトジェニックです。
ふと見上げると、天使がこちらを覗き込んでいたり、美しい彫像が玄関を飾っていたり。

特に今回出会った街並で、お気に入りのストリートがMinderbroedersrui。

少し複雑な交差をしている通りで、アイキャッチの鐘楼が絵になります。

そして瀟洒な建造物。



これは街灯の飾り。


そして街角の聖像。


もう一本、お気に入りの通りが、現代美術館へと通じるKloosterstraat。
この通り沿いにはアンティークショップや個性的なブティックが並んでいます。

とっても鋭角な建物。そして美しい色彩。


怪奇映画に出てきそうなレストラン。


ドアにはこんな意匠が。うなだれて物哀しげ。


あらゆる通りに発見があり、心躍ります。
迷い込むことがワクワクにつながる、魅力的な街、アントワープ。
週末にはマーケットも開かれて、さらなる発見に繋がることでしょう。


煌めきの街、アントワープ <第9回 マスト・ゴー!のカフェ>

2020年03月30日 | イベント
アントワープは小さい街ですが、レストランやカフェの数は膨大。
全てを巡るのは旅行者には困難ですが、次回再訪の楽しみに事欠きません。

今回は3泊4日の弾丸旅行。しかも嵐の影響でお休みしているレストランが多く、目当ての店も軒並み休業。そんな中で再訪必至のお店をご紹介します。

それがSalon De Tea Claude
ヘンドリック良心広場に面していて、セントチャールズボロメオ教会のお膝元。大人可愛い配色が目を惹く、いかにも美味しそうな雰囲気が伝わってきます。

荘厳なセントチャールズボロメオ教会。ルーベンスの絵画が有名です。

サロン・ド・テ クロードの外観。


温かいサービス、ヘルシーな料理、そしてとってもキュートなインテリア。



ワンプレートのランチ。野菜たっぷりでお腹に優しい。
1枚目、日替わりのメニューはラビオリ。2枚目はボリューミーなキッシュ。



紅茶はポットサービス。アフタヌーン・ティーのサービスもあります。

あまりにも素敵で唯一無二のティーサロンだったので、滞在中2回も訪問してしまいました。
観光客よりも地元の老若男女に大人気で、すぐに満席になってしまいます。
野菜たっぷりのヘルシーな軽めの食事って、意外とないんですよね。
次回も必ず行くと思います

お次はアントワープのカフェとして、あまりにも有名な't Elfde Gebod(ヘット・エルフデ・ヘボド)。
聖母大聖堂のすぐ脇にあり、歴史を感じさせる外観、多くの観光客で終日賑わっています。
その理由は明白。あまりにも個性的なインテリアの中で味わう郷土料理と種類豊富なビール。
所狭しと並べられた聖像群。聖と俗の共存。
聖像に見守られながら、人々はビール片手に談笑しています。





アントワープ名物のワッフル。見た目より甘さ控えめでした。

そしてアップルシュトゥルーデル。しっかりリンゴ感が残っていて、ジューシー!


とはいえ、今回の滞在で一番美味しかったものは・・・。
結局みんなで作った朝ごはんでした。

近所のビオスーパーで食材購入。1人6ユーロぐらいの予算だったと記憶しています。
外食と比べると、超リーズナブル。
スーパーは生鮮、青果、パンに精肉、ワイン等々、幅広く網羅しています。
野菜は量り売り、ハムは1枚からスライスしてくれます。
ヨーロッパではエシレバターもお買い得です


そして出来上がり〜!

翌朝はマイナーチェンジ。でもスクランブルエッグとキノコは外せません。
パンは近所の人気店で。


というのも、我々が滞在した場所はホテルではなくアパートメント。
1920年代に建てられた瀟洒な建物ですが、インテリアはモダンにまとめられています。
キッチンはオール電化でスタイリッシュでした。
2ベッドルームにリビング、キッチン、バスルーム。4人で滞在しましたが、とても快適でした。



旅の総合サイト、エクスペディアで予約し、オーナーと直接やりとり。
住まうように旅する、ホテルでは味わえないフリースタイルの滞在もおすすめです



煌めきの街、アントワープ <第8回 ショウ・ウィンドウの小宇宙>

2020年03月30日 | Weblog
アントワープを歩いていると、魅力的なショーウインドウが目立ちます。
これぞ「見せる=Show」・・・魅せる窓、お店の世界観が感じられます。
立ち止まり、何のお店かな?と覗き込み、ショッピング。
旅先、緩みがちな財布の紐に拍車がかかります。

こちらはナポレオンの別邸を改装したチョコレートショップ『チョコレート・ライン』。
チョコで作られた像、威厳がありますね。


ノスタルジックなポストカード、結婚式を迎えるカップル向けでしょうか?ロマンチックです。


ヴィヴィッドな色彩、見ているだけで楽しい気分になるお花屋さん。大きなストップサインがなくても足を止めてしまいます。


枯れてしまった花も、アートなあしらい。花への愛情を感じます。






老舗チョコレート屋さん『BURIE』は愛らしいディスプレイ。


アントワープは市中どこまで行っても平坦で、歩きやすい街。
歩けば歩くほど街の魅力を発見し、引き込まれます。
お気に入りのショップやカフェに、きっと出会えるはず!


煌めきの街、アントワープ <第7回 街並のときめき>

2020年03月30日 | お知らせ

アントワープ中央駅に到着し、まずその豪奢な駅舎に圧倒され、駅を出て真っ直ぐ市中に伸びるメイヤー通りを歩いていると、その歴史的建築群の装飾にただただ感嘆の声が止まりません。

それほど、アントワープには歴史的建造物がごく当たり前に存在し、活用されています。
いわゆるファーストファッション系のショップや世界的なスポーツブランドも、建物見たさに入店したくなります。
いや、本当にため息レベル。







その美しさは夜、街に明かりが灯り始めるとさらに輝きを増します。
市の中心に位置する市役所前の広場の景観は、宝石箱のような煌めき。
(残念ながら撮影時は市役所改修工事中)

厳しい寒さの中、現実と幻想が交錯するような美しさに時を忘れてしまいました。


街角、至る所に聖像が飾られています。



聖母大聖堂のそば、店内に聖像が所狭しと飾られている老舗カフェ『ヘット・エルフデ・ヘボド』の角にも聖像が。




歴史的建造物が現在進行形で活用され、結果中世の美しい街並が存続しているアントワープ。東京も都市空間を構築する上で是非見習って欲しいものです。

煌めきの街、アントワープ <第6回 スナイデル&ロコックスハウス>

2020年03月29日 | Weblog
こちらも邸宅美術館。
アントワープ市長であったニコラス・ロコックスが17世紀に家族で住まった邸宅です。
ルーベンスのパトロンであったロコックス、日本人なら(ほぼ)誰でも知っている『フランダースの犬』で知られる聖母大聖堂の祭壇画『キリスト降架』を依頼した人物です。
2018年に改装、リニューアルオープンを迎えた美術館は、デジタル展示も魅力。
入口でiPadを渡されてイヤホン装着、いざ、展示室に踏み込むと、その部屋の解説がスタートします。
iPadを展示品にかざすと、その絵の情報がブラウザに表示され、ズーム機能もあったりなんかしてとっても便利。

白眉は、やはりピーテル・ブリューゲルの絵画ですね!

デジタルマップに指をかざすとズームアップされて、寓意の内容が表示されます。面白い!!!




さらに、リュートやクラヴィコードなど、中世の楽器が展示されている展示室では、モニター上に用意されている3曲から好きな曲を選ぶと、演奏会が始まる仕掛け。録音されたものとはいえ、この空間、楽器を前に中世の音色に包まれる贅沢なひととき。アントワープの文化レベルの高さに感動を覚えます。



そして美しい建築。




是非足を運んで欲しい、素敵な美術館です。

開館時間 10-17
月曜休
料金体系が複雑。通常は大人10ユーロですが、ウェブ割引があります。
*毎月、最終水曜日は無料の美術館が多いです。

煌めきの街、アントワープ<第5回プランタン=モレトゥス印刷博物館>

2020年03月29日 | Weblog
アントワープは文化的色彩が非常に豊かな街。
小さな街中に、多くの美術館がひしめいています。
その中でも異彩を放つのが、こちら『プランタン・モレトゥス印刷博物館』
創業者であるクリストフ・プランタンの邸宅と印刷工房がセットになった博物館です。
2005年に世界遺産に登録されています。

工房はこのような形で保存されています。
16世紀にはネーデルランド最大の印刷・出版社だったそうです。
今はひっそり静まり返っていますが、往時はさぞかし賑やかだったのでしょうね。




廊下の奥の扉を開けると、庭園に通じています。


2月。冬枯れていますが、それでも絵になります。


ベンチを守るスフィンクス。キリっと、しなやかな姿。逆の手すりは雄ライオンが守っています。阿吽のライオンバージョン?


水道の蛇口は魔物の意匠が多いですね。


階段の意匠。ベルギーの左甚五郎作か?






美しい図書室。


開館 10~17
月曜休
入館料 8ユーロ








煌めきの街、アントワープ <第4回 マイヤー・ファン・デン・ベルグ美術館>

2020年03月16日 | イベント
アントワープには数々の美術館があり、アート好きはどっぷり美術鑑賞に浸れる都市。
なかでも、個人の蒐集品を集めた邸宅美術館は、アートコレクションのみならず当時のライフスタイルやインテリアも楽しめる魅力的な場所です。

そんな邸宅美術館のひとつがマイヤー・ファン・デン・ベルグ美術館。
美術品蒐集家の貴族の個人コレクションが展示されています。
どちらかというと宗教美術が中心です。

私のお目当てはピーテル・ブリューゲルの『悪女フリート』。一部です。


悪女と言っても言葉通りの「悪い女」ではないようで、オランダ語のタイトル『Dulle Griet』のDulleは激怒した、立腹したという意味、そしてGrietはギリシャ神話に登場する復讐の女神。1561年に制作されたこちらの絵画、男性優位社会に対する女性の蜂起を寓意的に描いた、という見方もあるそうです。ちなみに、フランドル地方の諺として、「女はひとりでも騒々しく、二人で多くのトラブルを、三人寄れば大祭り、四人で喧嘩、五人揃えば軍隊、六人いれば悪魔も戦う武器を知らない」といった話もあるみたいです。最後の部分、この絵に反映されていそうですね。

ブリューゲルと言えば風刺や寓意に満ちた奇想天外な作風で知られる、第2のヒエロニモス・ボス。
情報量が多いので、見れば見る程惹きつけられ、その場から動けなくなる魔力があります。

建物の内部。



暖炉のタイルが素敵です。



小さな美術館ですが、ゆっくり作品と向き合うことが出来る空間構成。
邸宅美術館はそれぞれに個性があるので、当時の主人の生活を想像しながらアートと向き合うとイメージがどんどん広がります。



開館時間
10-17
月曜休、その他祝日に休館日有
入場料
大人8ユーロ

The Museum Mayer van den Bergh has a range of admission prices.

The entry fee covers a tour of the permanent collection. The museum guide with an overview of the highlights is included in the entry fee. This guide is available in Dutch, French, English and German.

€ 8

Visitors between the age of 26 and 65

€ 6

Visitors between the age of 12 and 25 (untill 31.12.2013 fee = 1 euro)
Visitors older than 65
Groups of more than 12 persons

Free

Visitors younger than 12
Last Wednesday of every month
Companions of disabled people
School groups accompanied by a teacher
Cardholders: Antwerp residents with an A-card, A-card OMNIO, Antwerp city guides, ICOM, teachers, press, Antwerp City Card, Friends of the Museums of Antwerp

Combination ticket with the Rubens House (valid for one week)

Rubens House is located at 500 meters from the Museum Mayer van den Bergh and is worth a visit. We offer a great combination fee:

Full fee: € 10 instead of € 16
Reduction fee: € 8 instead of € 12
Free: If you comply with one of the criteria mentioned above.


Antwerp City Card

The Antwerp City Card is your key to discovering all the assets of Antwerp in 24, 48 or 72 hours. This card entitles you to free admission to all of Antwerp's museums including Museum Mayer van den Bergh. The card costs 27, 35 of 40 euros and is available from Antwerp Tourism & Convention.






煌めきの街、アントワープ <第3回 ルーベンスハウス>

2020年03月15日 | Weblog
経済的にも文化的にも繁栄を極めたアントワープ至上、最も成功した画家はルーベンスでしょう。
アントワープのみならず世界的にも成功を収め、「王の画家にして画家の王」と言われるほどの名声を得たそうです。
外交官として政治的な手腕も発揮し、諸外国の王室からの信頼も非常に厚く、宮廷画家としての地位は揺るぎないものに。

多忙を極めたルーベンス。多作でも知られるルーベンスは、多くの弟子とともにアントワープに住居兼工房を構えます。それがルーベンスハウス Rubenshuis。作品のみならず、当時の生活スタイルや工房の雰囲気も感じられる邸宅美術館です。

エントランスから、まず目に飛び込んでくる構造物、「ポルチコ」。


建物の中から。画家の守護神メルクリウスと知恵の女神ミネルヴァの彫刻が飾られています。






中庭から望む外観。豪奢な建物です。


ルーベンスに興味がない方も、建物自体一見の価値あり!


★2024年、ルーベンス・エクスペリエンス・センターがオープンする予定だそうです。

開館時間
10-17 月曜休
入場料
8ユーロ
(ただし、コンビチケットやユーロレイル利用時の割引あり)
★最終水曜日は無料

煌めきの街、アントワープ <第2回 アントワープ中央駅>

2020年03月15日 | Weblog
ダイヤモンドのような美しさを放つ煌めきの都、アントワープ。
その玄関口であるアントワープ中央駅は、世界で最も美しい駅として知られています。
もはや駅というイメージを超え、まるで宮殿のような建造物です。

ホームに降り立つと、我々の目に飛び込んでくるのがこのような構造物。


ブルージュ出身の建築家ルイ・デラサンセリ(Louis Delacenserie)によって設計され、1899〜1905年に建設されました。



多層構造になっていて、地上レベルが出入口、そこからエレベーター等で地上〜下層のプラットフォームに移動します。ヨーロッパの中央駅は、しばしば不穏で治安があまり良くない印象なのですが、アントワープ中央駅は壮麗な建築物のお陰なのか、危険な香りが全然しない!(もちろんそれは「安全」を保証するものではありません)

地上部分のプラットフォーム。レースのように繊細な鉄筋構造。


これ、本当に駅?



そして2階にはロイヤルカフェがあります。旅の祝祭的な気分が俄然高まる、ロイヤルな空間ですが、価格はお手頃。紅茶はカップにティーバッグが添えられて提供されます。建物は豪華ですが、サービスと提供される商品はカジュアルです。



出発までのひとときを過ごすにはもってこい。
地上フロアにはスタバやワッフルの出店なんかもあり、地元の人々にも親しまれています。

ツーリストインフォメーションも併設しているので、まずは地図や基本情報をゲットして移動するのがオススメです。
窓口のスタッフはとっっても親切でした。

超フォトジェニックなアントワープ中央駅、人生最高のポートレートが撮れるかもしれません。